いくら借りる?
住宅ローンの「借りられる額」と「返せる額」はなぜちがう? 家計から考える借入額の決め方
2026年10月19日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
金融機関の事前審査で「この金額まで借りられます」と言われると、なんとなく安心します。でも、その金額を本当に毎月返していけるのか、少し不安が残る。そんな人に向けた記事です。
この記事では、「借りられる額」と「無理なく返せる額」のちがいと、家計から借入額を考える手順をまとめます。結論を先に言うと、借りられる額は金融機関が決める上限、返せる額は自分たちの家計で決めるものです。借入額は、返せる額から考えるのが基本です。
借りられる額と返せる額のちがい
2つの言葉は似ていますが、決める人も、見ているものもちがいます。
| 借りられる額 | 返せる額 | |
|---|---|---|
| 決める人 | 金融機関 | 自分たち |
| 主に見ているもの | 年収・勤め先・ほかの借り入れなど | 毎月の手取り・生活費・これからのお金 |
| 意味 | ここまでなら貸せる、という上限 | 暮らしを続けながら返していける金額 |
金融機関が貸してくれる上限は、審査のルールにもとづいて決まります。ルールは金融機関ごとにちがいます。一方で、無理なく返せる額は、家族の人数や暮らし方、将来の予定によって家庭ごとに変わります。
だから、借りられる額が大きいことと、その額を借りて大丈夫なことは、別の話です。
なぜ差が出るのか
金融機関の審査では、年収に対する返済の割合(返済負担率)などを見て、貸せる額を決めます。でも、審査では家計の細かい中身までは見ていません。
たとえば、同じ年収でも、次のような家庭では無理なく返せる額がちがいます。
- 子どもが何人いるか、私立の学校に通わせたいか
- 車が必要な地域か、何台持つか
- 共働きを続けるか、どちらかが働き方を変える予定があるか
- 親の介護や、仕送りの予定があるか
- 趣味や旅行など、大事にしたい出費があるか
こうした事情を知っているのは、自分たちだけです。審査の上限は、こうした事情を全部ふくめて「この家庭なら返せる」と保証してくれるものではありません。年収に対する返済の割合の考え方は、返済負担率の記事でくわしく説明しています。
返せる額を家計から考える手順
無理なく返せる額は、毎月の家計から逆算して考えます。次の順番で書き出してみましょう。
- 毎月の手取りを書き出す:ボーナスはあてにせず、毎月の分だけで考える
- いまの生活費を書き出す:食費・光熱費・通信費・保険・こづかいなど
- 家を持つと増えるお金を足す:固定資産税などの税金、将来の修繕のための積み立て、火災保険など
- これからのための貯金を決める:教育費・車の買い替え・老後のためのお金
- 残った金額が、毎月の返済にあてられる上限
こうして出した「毎月返せる額」をもとに、借りられる額を計算します。たとえば、元利均等返済(毎月の返済額が同じ返し方)でボーナス払いなし、金利1%・35年なら、毎月約84,700円で3,000万円、約112,900円で4,000万円を返していく計算です。実際の金額は、金利や年数で変わるので、金融機関や住宅会社に計算してもらいましょう。
「借りられる額から家の予算を決める」のではなく、「返せる額から借入額を決め、家の予算を決める」順番にすると、無理のない計画になります。
これから先のお金も入れて考える
住宅ローンは長い年数をかけて返します。その間に、暮らしやお金の流れは何度も変わります。いまの家計だけでなく、これから先のお金も入れて考えておきましょう。
- 教育費:子どもの年齢が上がるにつれて増えやすい
- 車:買い替えのたびにまとまったお金が必要になる
- 家の手入れ:外壁や屋根、設備の交換など、年数がたつと必要になる
- 老後:完済する年齢が、仕事をやめる年齢より後になっていないか
特に、完済するときの年齢は大事です。仕事をやめたあとも返済が続く計画だと、退職金や年金から返すことになります。その場合の家計も、一度考えておくと安心です。
将来のお金は、正確には分かりません。だからこそ、「このくらいかかりそう」という大まかな見込みでかまいません。年ごとに大きな出費を書き出した表を1枚作っておくと、どの時期に家計が苦しくなりそうかが見えてきます。
金利と年数で、返せる額は変わる
同じ「毎月返せる額」でも、金利と年数によって、借りられる金額は変わります。
返済の年数を長くすると、毎月の返済は小さくなりますが、利息の合計は増えます。また、変動金利で借りた場合、借りたあとに金利が上がると返済額が増えます。3,000万円・35年なら、金利1%で毎月約84,700円ですが、2%になると約99,400円、3%になると約115,500円です。
借りるときに「毎月返せる額」ぎりぎりまで借りてしまうと、金利が上がったときに余裕がなくなります。金利の種類をどうするかは家計や考え方で変わるので、金融機関で説明を聞いて決めてください。金利が上がったときの変わり方は、変動金利が上がったときの記事にまとめています。
返せる額から、家の予算を決める
返せる額から借入額が決まったら、そこに自己資金を足したものが、家づくりに使える予算の目安です。そこから、諸費用や外構、家具・家電など、建物以外に必要なお金を引くと、建物にかけられる金額が見えてきます。
見積もりがその金額をこえているときは、広さや仕様、外構の内容などを見直したり、頭金の入れ方を考えなおしたりする方法があります。頭金と手元に残すお金の考え方は、頭金・自己資金の記事をどうぞ。
年収や貯金、いまの家賃から、返せる額と家にかけられる総額の目安を出したいときは、「住宅ローン、いくらまで?」で数字を入れて計算してみることもできます。
借りる前に確かめたいこと
- 毎月の手取りと生活費を書き出した?
- 家を持つと増えるお金(税金・修繕の積み立て・保険)も入れた?
- 教育費や車、老後のお金も考えた?
- 「毎月返せる額」から借入額を計算した?
- 完済するときの年齢を確かめた?
- 金利が上がったときの返済額でも、家計が回るか考えた?
- 借入額と自己資金から、建物にかけられる金額を出した?
うちは、いくらまでなら無理なく返せる?年収と貯金を入れるだけで、無理なく返せる借入額と、家にかけられる総額の目安が分かります。無料・登録不要。
無理なく返せる額を出してみる →よくある質問
Q. 住宅会社に「もっと借りられますよ」と言われました。借りても大丈夫ですか?
借りられるかどうかと、無理なく返せるかどうかは別のことです。家計の中身や、これからのお金の予定を知っているのは自分たちだけなので、毎月の手取りと支出から返せる額を考えて、それをもとに決めるのがおすすめです。
Q. 返せる額は、どうやって計算すればいいですか?
毎月の手取りから、生活費やこれから必要になるお金のための貯金を引いて、残りの中で返済にあてられる金額を決めます。その金額で、金利や年数を変えたときにいくら借りられるかを、金融機関や住宅会社に計算してもらうと分かりやすいです。
Q. 返せる額が、建てたい家の予算に足りないときはどうすればいいですか?
家の広さや仕様、外構などを見直して予算を下げる、頭金を増やす、建てる時期を考えなおす、などの方法があります。どれを選ぶかは家族の考え方で変わるので、住宅会社とも相談しながら、優先順位をつけて決めていきましょう。
まとめ
- 借りられる額は金融機関が決める上限、返せる額は自分たちの家計で決めるもの
- 審査は家計の細かい中身までは見ていないので、差が出る
- 手取り・生活費・家を持つと増えるお金・これからの貯金から、返せる額を逆算する
- 年数を長くすると毎月は軽くなるが利息は増える。金利が上がったときも考えておく
- 返せる額から借入額を決め、家の予算を決める順番にする
借りられる額じゃなく、無理なく返せる額を出してみる
「住宅ローン、いくらまで?」は、マドリセカンドの中の人が作った無料・登録不要の計算です。年収・年齢・貯金・返済年数・金利を入れると、無理なく返せる借入額、がんばれば・銀行の上限の目安、家にかけられる総額の目安、いまの家賃との差を出します。
入れた数字は保存しません。計算は目安です。実際に借りられる額や金利は、金融機関の審査で決まります。
無理なく返せる額を出してみる