頭金と貯金
家を買ったあと、貯金はいくら残しておけば安心? 手元に残したいお金の考え方
2026年10月30日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
「せっかくなら頭金を多く入れて、借りる額を減らしたい」。そう考える一方で、「貯金がほとんどなくなるのは不安」と感じる人も多いと思います。
この記事では、家を買ったあとも手元に残しておきたい貯金の考え方をまとめます。結論を先に言うと、急な出費に備えるお金と、近いうちに使う予定のお金を先に分けておき、残りを家に使うと考えると安心です。
なぜ手元にお金を残しておくの?
家を買うときは、頭金や諸費用で、まとまったお金が出ていきます。ここで貯金をほとんど使いきってしまうと、次のようなときに困ることがあります。
- 病気やけがで、しばらく働けなくなった
- 車が壊れた、家電が壊れたなど、急な出費があった
- 転職や育休などで、収入が減る時期があった
- 変動金利で借りていて、返済額が増えた
住宅ローンは、一度借りると毎月の返済が長く続きます。手元にお金があれば、こうしたときも返済を続けながら乗り切りやすくなります。反対に、手元が少ないと、急な出費のために別のローンを使うことになり、負担が増えることもあります。
頭金に入れたお金や、繰り上げ返済(予定より早く返すこと)で返したお金は、あとから戻ってきません。だから、家に使う前に「残すお金」を先に決めておくことが大切です。
残しておきたいお金は3つに分けて考える
手元に残すお金は、目的ごとに分けて考えると、必要な額が見えやすくなります。
| 分け方 | 中身 | 考え方 |
|---|---|---|
| 急な出費に備えるお金 | 病気、収入の変化、故障などへの備え | 生活費の半年分くらいが目安と言われる |
| 入居のまわりで使うお金 | 引っ越し、家具・家電、カーテン、照明など | 家の見積もりに入っていないものを書き出す |
| 近いうちに使う予定のお金 | 車の買い替え、子どもの入学、出産など | この先数年で使う予定を書き出す |
2つ目の「入居のまわりで使うお金」は、見落としやすいところです。家の見積もりには、カーテンや照明、エアコンなどが入っていないこともあります。何が入っていないかは、見積もりに含まれない費用の記事で確かめられます。
計算してみる
例えば、住み始めてからの生活費が毎月25万円の家庭で考えてみます。数字はあくまで例です。
- 急な出費に備えるお金:25万円 × 6か月 = 150万円
- 入居のまわりで使うお金:家具・家電・カーテンなど、見積もりに入っていないものを書き出して合計する
- 近いうちに使う予定のお金:車の買い替え、子どもの入学などを書き出して合計する
この3つを足したものが、手元に残しておきたい額です。いまの貯金からこの額を引いた残りが、頭金や諸費用に使えるお金になります。
生活費は、いまの家賃ではなく、住宅ローンの返済で計算するのがポイントです。家を持つと、固定資産税・都市計画税、火災保険(地震保険)、修繕のための積み立てなども増えるので、それも入れておくと実感に近くなります。
頭金とのバランスの考え方
手元に残す額が決まると、頭金にいくら入れられるかも決まります。ここで迷うのが、「多めに残すか、多めに頭金に入れるか」です。
例えば、金利1%・35年、元利均等返済(毎月の返済額が同じ返し方)・ボーナス払いなしで借りる場合、頭金を300万円増やすと、借りる額が300万円減り、毎月の返済は約8,500円少なくなります。利息の合計も、この例で約56万円減ります。金利が変わらないとした場合の例です。
反対に言えば、300万円を手元に残す代わりに、毎月約8,500円多く払うということです。どちらを大事にするかは、家計や考え方によってちがいます。
- 手元を多めに残す家庭:収入が変わる予定がある、子どもが小さい、変動金利で借りる、など
- 頭金を多めに入れる家庭:収入が安定している、ほかにも貯金の予定がある、毎月の返済を抑えたい、など
あとで余裕ができたら、繰り上げ返済で借りる額を減らすこともできます。先に手元を多めに残しておき、様子を見ながら返す、という考え方もあります。頭金を入れない場合の考え方は、フルローンの記事にまとめています。
残したお金の置き場所
手元に残したお金は、すぐに使えるところに置いておくのが基本です。急な出費のためのお金なので、すぐに引き出せないところに入れてしまうと、いざというときに使いにくくなります。
- 急な出費に備えるお金は、ふだん使う口座とは分けておくと、使いすぎを防げる
- 近いうちに使う予定のお金は、使う時期ごとに分けておくと分かりやすい
- 家族の誰がどこにいくら持っているか、夫婦で共有しておく
貯金は「家に使えるだけ使う」のではなく、「残す額を決めて、残りを家に使う」と考えると、住み始めてからも安心して暮らせます。
借りる前に確かめたいこと
- 住み始めてからの毎月の生活費を、ローンの返済込みで計算した?
- 生活費の半年分くらいを、手元に残す計画にした?
- 家具・家電・カーテンなど、見積もりに入っていない出費を書き出した?
- 車の買い替えや子どもの入学など、近いうちの出費を書き出した?
- 頭金と諸費用を払ったあとに、いくら残るか計算した?
- 残しておきたい額について、夫婦で話した?
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Q. 家を買ったあと、貯金はいくら残せばいいですか?
急な出費に備えるお金として、生活費の半年分くらいを残しておくのがよいと言われます。それに加えて、入居のときの出費や、近いうちに使う予定のお金も分けておくと安心です。必要な額は家庭によってちがうので、自分たちの生活費から計算してみてください。
Q. 貯金を残すより、頭金に入れて借りる額を減らしたほうがいいですか?
頭金に入れると借りる額が減り、毎月の返済や利息も減ります。一方で、一度入れたお金は戻ってこないので、手元が少ないと急な出費に対応しにくくなります。先に残す額を決めて、残りを頭金にする考え方がおすすめです。
Q. 生活費の半年分は、何を入れて計算すればいいですか?
住宅ローンの返済、食費、光熱費、通信費、保険料、子どもの費用など、毎月かかるお金を全部足して計算します。家を持つと、固定資産税や修繕のための積み立ても増えるので、住み始めてからの生活費で考えるとより実感に近くなります。
まとめ
- 頭金や繰り上げ返済に入れたお金は戻らないので、残す額を先に決める
- 急な出費への備え・入居のまわりのお金・近いうちに使うお金の3つに分けて考える
- 急な出費への備えは、生活費の半年分くらいが目安と言われる
- 頭金を300万円増やすと、1%・35年で毎月約8,500円少なくなる(例)。手元とのバランスで考える
- 残したお金は、すぐ使えるところに分けて置いておく
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