金利と返し方
住宅ローンの繰り上げ返済は「期間短縮」と「返済額軽減」どっち? 計算の例と考え方
2026年10月29日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
貯金が少したまってきたら、「住宅ローンを早めに返したほうがいいのかな」と考える人は多いと思います。でも、繰り上げ返済には種類があって、どれを選ぶかで結果が変わります。
この記事では、繰り上げ返済の2つの種類と、それぞれで何が変わるかを計算の例でまとめます。結論を先に言うと、利息を多く減らすのは期間短縮型、毎月の返済を軽くするのは返済額軽減型です。どちらにするかと、そもそもいくら返すかは、手元の貯金とあわせて考えることが大切です。
繰り上げ返済とは
繰り上げ返済は、毎月の返済とは別に、ローンの一部をまとめて先に返すことです。先に返したお金は、すべて元金(借りたお金そのもの)を減らすのに使われます。
利息は、その時点の借入の残りに金利をかけて決まります。だから、元金が減ると、そのあとにかかる利息も減ります。これが、繰り上げ返済で利息が減る仕組みです。
繰り上げ返済には、大きく分けて次の2つの種類があります。
| 種類 | 変わるもの | 変わらないもの |
|---|---|---|
| 期間短縮型 | 返し終わるまでの期間が短くなる | 毎月の返済額 |
| 返済額軽減型 | 毎月の返済額が少なくなる | 返し終わるまでの期間 |
200万円を繰り上げ返済した例
3,000万円を金利1%・35年、元利均等返済(毎月の返済額が同じ返し方)・ボーナス払いなしで借り、10年たったところで200万円を繰り上げ返済した場合の例です。金利は最後まで変わらないとして計算しています。
10年たった時点の借入の残りは約2,247万円、毎月の返済は約84,700円、残りの期間は25年です。ここで200万円を返すと、次のようになります。
| 10年後に200万円を返した場合 | 期間短縮型 | 返済額軽減型 |
|---|---|---|
| 毎月の返済 | 約84,700円(同じ) | 約77,100円(約7,500円減る) |
| 残りの期間 | 約22年7か月(約2年5か月短くなる) | 25年(同じ) |
| 減る利息 | 約54万円 | 約26万円 |
この例では、期間短縮型のほうが、減る利息は約2倍になります。一方、返済額軽減型は、毎月の返済が約7,500円軽くなり、これから25年間ずっと家計に余裕ができます。
数字はどれも金利が変わらないとした場合の例です。変動金利で借りている場合は、金利が動けば結果も変わります。
返す時期でも、減る利息は変わる
同じ200万円でも、いつ返すかで減る利息は変わります。同じ3,000万円・1%・35年の例で、期間短縮型で200万円を返した場合をくらべると、次のようになります。
| 返した時期 | 短くなる期間 | 減る利息 |
|---|---|---|
| 5年後 | 約2年7か月 | 約67万円 |
| 10年後 | 約2年5か月 | 約54万円 |
| 20年後 | 約2年3か月 | 約30万円 |
早い時期に返すほど、借りている期間の残りが長いので、減る利息は多くなります。ただし、早い時期は、手元の貯金がまだ少ないことも多いです。減る利息だけを見て急ぐより、手元に残すお金を決めてから考えるほうが安心です。
どちらの種類を選ぶ?
どちらがよいかは家計によってちがいます。それぞれを選ぶ家庭は、次のように考えていることが多いです。
期間短縮型を選ぶ家庭
- 利息の合計を少しでも減らしたい
- 定年の前など、決めた年齢までに返し終えたい
- いまの毎月の返済は、無理なく払えている
返済額軽減型を選ぶ家庭
- 教育費などで、これから毎月の出費が増える
- 収入が減る予定がある(育休、働き方の変更、定年など)
- 毎月の返済を軽くして、家計の余裕を作りたい
金融機関によっては、1回ごとにどちらの種類にするか選べます。最初は期間短縮型、子どもの進学が近づいたら返済額軽減型、のように使い分ける考え方もあります。
繰り上げ返済の前に考えたいこと
繰り上げ返済で返したお金は、あとから戻ってきません。返しすぎて手元のお金が足りなくなると、急な出費のときに別のローンを使うことになり、かえって負担が増えることもあります。次の順番で考えると安心です。
- 手元に残すお金を先に決める:急な出費に備えて、生活費の半年分くらいは残しておくのがよいと言われる
- 近いうちに使うお金を分けておく:車の買い替え、教育費、家の修繕など
- 残ったお金で、いくら返すか決める:無理に大きな額を返さなくてもよい
- 手数料と最低金額を確かめる:金融機関ごとに決まりがちがう
手元にどれくらい残しておくかの考え方は、家を買っても手元に残しておきたい貯金の記事にまとめています。
また、住宅ローン控除(減税)のしくみを使っている場合、繰り上げ返済で借入の残りや期間が変わると、控除に関わることがあります。くわしくは国税庁のページや税務署で確かめてください。
繰り上げ返済は「どれだけ利息が減るか」だけでなく、「返したあとも暮らしに余裕があるか」で考えると、あとで後悔しにくくなります。
借りる前に確かめたいこと
- 借りる予定の金融機関で、繰り上げ返済に手数料がかかるか確かめた?
- 1回にできる最低の金額や、申し込みの方法を聞いた?
- 期間短縮型と返済額軽減型を、1回ごとに選べるか確かめた?
- 繰り上げ返済をしても、手元に残しておきたい貯金の額を決めた?
- 繰り上げ返済をする前提で、返済期間を長めにしていないか見直した?
- いつ、いくらくらい返す予定か、夫婦で話した?
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Q. 繰り上げ返済は、早くしたほうが得ですか?
同じ金額なら、早い時期に返すほど、そのあとにかかる利息は多く減ります。ただ、手元の貯金を減らしすぎると、急な出費や収入の変化に対応しにくくなります。減る利息だけでなく、手元に残るお金とあわせて考えるのがおすすめです。
Q. 期間短縮型と返済額軽減型、どちらを選べばいいですか?
利息を多く減らしたいなら期間短縮型、毎月の家計に余裕を作りたいなら返済額軽減型、と考える家庭が多いです。どちらがよいかは家計によってちがいます。金融機関で両方の数字を出してもらい、くらべて決めてください。
Q. 繰り上げ返済に手数料はかかりますか?
手数料がかからない金融機関もあれば、方法や金額によってかかる金融機関もあります。1回にできる最低の金額が決まっていることもあります。借りる前に、繰り上げ返済の決まりを確かめておくと安心です。
まとめ
- 繰り上げ返済は、元金を先に返して、そのあとの利息を減らす方法
- 期間短縮型は返し終わる時期が早まり、減る利息が多め。返済額軽減型は毎月の返済が軽くなる
- 3,000万円・1%・35年で10年後に200万円返すと、減る利息は期間短縮型で約54万円、返済額軽減型で約26万円(例)
- 早く返すほど利息は減るが、手元に残すお金を先に決めておく
- 手数料や最低金額などの決まりは、金融機関で確かめる
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