金利と返し方
住宅ローンの返済期間は何年にする? 35年と短めの年数を、計算でくらべて考える
2026年10月28日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
資金計画書を見ると、返済期間は「35年」で計算されていることが多いです。でも、「35年って長すぎない?」「短くしたほうがいいの?」と迷う人も多いと思います。
この記事では、返済期間(ローンを返し終えるまでの年数)の決め方をまとめます。結論を先に言うと、年数を短くすると利息は減り、毎月の返済は増えます。どちらを大事にするかは、家計の余裕と、返し終わる年齢で変わります。
年数を変えると、何が変わる?
同じ金額を同じ金利で借りても、返済期間を変えると、次の2つが変わります。
- 毎月の返済:年数が短いほど、1か月あたりに返す金額が大きくなる
- 利息の合計:年数が短いほど、借りている期間が短いので、払う利息が少なくなる
つまり、毎月をラクにしたいなら長め、全体で払う金額を減らしたいなら短め、という関係です。どちらか一方だけをよくすることはできません。
もう1つ変わるのが、返し終わる年齢です。35歳で35年のローンを組むと、返し終わるのは70歳です。25年なら60歳です。定年の前に返し終えるか、定年のあとも返済が続くかで、老後のお金の考え方も変わります。
年数ごとに計算してみる
3,000万円を金利1%、元利均等返済(毎月の返済額が同じ返し方)・ボーナス払いなしで借りた場合の例です。金利はずっと変わらないとして計算しています。
| 返済期間 | 毎月の返済 | 利息の合計 |
|---|---|---|
| 20年 | 約138,000円 | 約311万円 |
| 25年 | 約113,100円 | 約392万円 |
| 30年 | 約96,500円 | 約474万円 |
| 35年 | 約84,700円 | 約557万円 |
35年を30年にすると、毎月の返済は約1万2千円増え、利息の合計は約83万円減ります。25年にすると、毎月は約2万8千円増え、利息は約165万円減ります。
金利が高いほど、年数による利息の差は大きくなります。例えば金利1.9%で同じ3,000万円を借りると、利息の合計は35年で約1,110万円、30年で約938万円、25年で約771万円です。毎月の返済は、35年で約97,800円、30年で約109,400円、25年で約125,700円になります。
どの数字も、金利が最後まで変わらないとした場合の例です。変動金利で借りる場合は、金利が動けば数字も変わります。
長めに借りる家庭の考え方
35年など長めの年数を選ぶ家庭は、次のように考えていることが多いです。
- 毎月の返済を抑えて、教育費や貯金にお金を回せる余裕を残したい
- 子どもが小さいうちや、育休などで収入が減る時期に、返済が重くならないようにしたい
- 余裕ができたときに、繰り上げ返済(予定より早く返すこと)で期間を短くするつもり
- 手元の貯金を多めに残しておきたい
長めに借りるときに気をつけたいのは、返し終わる年齢です。定年のあとも返済が続く場合は、退職金や年金でどう返すかも考えておく必要があります。完済の年齢の考え方は、完済年齢の記事にまとめています。
短めに借りる家庭の考え方
25年や30年など短めの年数を選ぶ家庭は、次のように考えていることが多いです。
- 利息の合計を少しでも減らしたい
- 定年や、子どもが独立するころまでに返し終えておきたい
- 繰り上げ返済を自分で続けるより、最初から決めておくほうが確実だと感じる
- 毎月の返済が増えても、家計にまだ余裕がある
短めに借りるときに気をつけたいのは、毎月の返済が大きくなることです。返済負担率(年収に対する、1年の返済の割合)が上がるので、家計の余裕が少なくなります。急な出費や収入の変化があったときに苦しくなりやすいので、手元の貯金とあわせて考えておくと安心です。
年数を決めるときの順番
年数は、次の順番で考えると決めやすくなります。
- 毎月いくらなら払えるかを決める:手取りといまの支出から、返済にあてられる額を出す
- 返し終えたい年齢を決める:定年、子どもの独立、年金生活に入る時期などを目安にする
- 2つを満たす年数を探す:毎月払える額の中で、できるだけ早く返し終わる年数はどれか見る
- お金がかかる時期と重ねる:教育費が多い時期に、返済が重すぎないか確かめる
多くの金融機関では、返し終わる年齢に上限があり、80歳までとするところが多いです。年齢によっては、そもそも35年で借りられないこともあります。
また、「長めに借りて、余裕があれば繰り上げ返済する」という考え方を選ぶ場合は、繰り上げ返済の仕組みも知っておくと安心です。期間を短くする方法と、毎月の返済を減らす方法のちがいは、繰り上げ返済の記事で計算しています。
年数に正解はありません。「毎月払える額」と「返し終えたい年齢」の両方から考えると、自分たちに合う年数が見えてきます。
借りる前に確かめたいこと
- 資金計画書の返済期間が何年で計算されているか確かめた?
- 年数を変えたときの毎月の返済と利息の合計を、くらべてみた?
- 返し終わる年齢を計算して、定年や老後のお金と重ねて考えた?
- 教育費などお金がかかる時期に、返済が重すぎないか見た?
- 繰り上げ返済の手数料や、できる金額の決まりを金融機関に聞いた?
- 何年にするか、夫婦で話して納得できた?
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Q. 住宅ローンは35年で借りるのが普通ですか?
35年で借りる人は多いですが、それが決まりというわけではありません。年数を短くすると毎月の返済は増え、利息の合計は減ります。家計の余裕や、返し終わる年齢を見て、家庭ごとに決めるものです。
Q. 長めに借りて、あとで繰り上げ返済すれば同じですか?
長めに借りて毎月の返済を抑え、余裕があるときに繰り上げ返済するという考え方はあります。ただ、繰り上げ返済は自分で続ける必要があり、予定どおりにできるとは限りません。どちらの考え方が合うかは、家計と性格によってちがいます。
Q. 返済期間は、あとから変えられますか?
繰り上げ返済で期間を短くすることはできます。返済が苦しくなったときに、相談して期間を延ばせる場合もありますが、条件は金融機関によってちがいます。借りる前に、どんなことができるのかを聞いておくと安心です。
まとめ
- 年数を短くすると毎月の返済は増え、利息の合計は減る
- 3,000万円・1%なら、35年で毎月約84,700円、30年で約96,500円、25年で約113,100円(例)
- 長めは毎月に余裕を残しやすく、短めは利息が減って早く返し終わる
- 「毎月払える額」と「返し終えたい年齢」の両方から年数を考える
- 年齢の上限や繰り上げ返済の決まりは、金融機関で確かめる
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