頭金と貯金
注文住宅の頭金と自己資金はいくら? 金額より先に考えたい「何に使うか」と「いくら残すか」
2026年10月19日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
注文住宅を考えはじめると、「頭金はいくら用意すればいいの?」が気になります。貯金をどれくらい家に使っていいのか、全部入れたほうが得なのか、迷う人も多いと思います。
この記事では、頭金と自己資金の考え方と、決め方の順番をまとめます。結論を先に言うと、頭金の金額は「何にいくら現金が必要か」と「手元にいくら残すか」を先に決めると、自然に見えてきます。多ければ多いほどいい、とは限りません。
頭金と自己資金のちがい
似た言葉ですが、意味は少しちがいます。
- 自己資金:家づくりのために出す、手持ちのお金の全部
- 頭金:自己資金のうち、家の代金の一部として払い、住宅ローンで借りる額を減らすお金
自己資金は、頭金のほかに、諸費用や完成前の支払い、引っ越しなどにも使います。つまり、自己資金=頭金+そのほかに現金で払うお金と考えると分かりやすいです。
資金計画書では「自己資金」の欄にまとめて書かれていることが多いです。その金額の中に、頭金として使う分と、諸費用などに使う分がどう入っているかを確かめておきましょう。
「頭金はいくら必要ですか」と聞かれたとき、人によって頭金のことを言っているのか、自己資金全体のことを言っているのかがちがうことがあります。住宅会社や金融機関と話すときは、どちらの意味かをそろえておくと、話のくいちがいを防げます。
現金が必要になる場面
住宅ローンでまかなえる範囲は、金融機関やプランによってちがいます。一般的に、次のようなお金は現金で用意しておくと安心です。
| お金 | 中身 |
|---|---|
| 諸費用 | 登記・ローンの手数料や保証料・火災保険・印紙・税金など |
| 完成前の支払い | 契約金・着工金・上棟金など。住宅ローンの実行前に払うことが多い |
| 土地の代金 | 土地を買う場合。建物より先に払うことが多い |
| 家具・家電・引っ越し | 資金計画書に入っていないことが多い |
完成前の支払いは、住宅ローンが建物の完成後に実行されることが多いために生まれるお金です。自己資金で払えない分は、つなぎ融資(一時的な借り入れ)を使うことがあります。使えるかどうか、費用がどれくらいかは、金融機関や住宅会社で確かめてください。諸費用は、物件価格の数%〜1割くらいかかることが多いです。中身は本体工事費・付帯工事費・諸費用の記事にまとめています。
頭金を多く入れると変わること
頭金を多く入れると、そのぶん住宅ローンで借りる額が減ります。借りる額が減れば、毎月の返済も、利息の合計も小さくなります。
計算の例で見てみましょう。元利均等返済(毎月の返済額が同じ返し方)でボーナス払いなし、金利1%・35年の場合です。
- 4,000万円を借りると、毎月の返済は約112,900円
- 3,000万円を借りると、毎月の返済は約84,700円
同じ家でも、頭金を1,000万円多く入れて借入を3,000万円にすると、毎月の返済は約28,200円小さくなる計算です。借入額が小さいと、金利が上がったときの返済額の増え方も小さくなります。
また、借入額が小さくなると、利息の合計も小さくなります。借入額の割合で決まるローンの手数料や保証料がある場合は、そちらも小さくなることがあります。どう決まるかは金融機関やプランでちがうので、借りる予定の金融機関に確かめてください。
一方で、頭金に多く入れるほど、手元のお金は少なくなります。借入を減らすことと、手元にお金を残すことは、引きかえの関係にあります。どちらを大事にするかは、家計や考え方によってちがいます。
手元に残しておきたいお金
家を建てたあとも、暮らしは続きます。頭金を決める前に、次のようなお金を残しておけるかを考えましょう。
- もしものときのお金:病気やけが、仕事の変化で収入が減ったときに、しばらく暮らせるお金。生活費の半年分くらいが目安と言われる
- 近いうちに使う予定のお金:子どもの入学、車の買い替えなど
- 家に関するお金:引っ越し、家具・家電、あとから足したくなる外構やカーテンなど
- 見積もりが増えたときのお金:契約後の打ち合わせで仕様が変わったり、地盤改良が必要になったりしたとき
特に注文住宅は、契約のあとで金額が変わることがあります。地盤改良が必要かどうかは地盤調査の結果で決まりますし、打ち合わせでオプションを足すこともあります。貯金をすべて頭金に入れてしまうと、こうした増額に対応しにくくなります。
頭金は「入れられるだけ入れる」ではなく、「残すお金を決めてから、残りを入れる」と考えると安心です。
頭金の決め方の順番
頭金の金額は、次の順番で考えると整理しやすくなります。
- いま使える自己資金の合計を出す:貯金のうち、家づくりに使ってよい金額
- 手元に残すお金を決める:もしものとき・近い予定・家まわりのお金
- 現金で払うお金を引く:諸費用・完成前の支払い・家具や引っ越しなど
- 残りを頭金の候補にする:その金額で借入額と毎月の返済を出してもらう
- 毎月の返済が家計に合うかを確かめる:合わなければ、家の予算や借入額を見直す
家族から援助を受ける場合は、税金の決まりが関係します。制度は年によって変わるので、最新は国税庁・税務署・税理士に確かめてください。
借入額を考えるときは、「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」から考えるのが大切です。考え方は借りられる額と返せる額の違いの記事にまとめています。
借りる前に確かめたいこと
- 資金計画書の「自己資金」に、何がいくら入っているか確かめた?
- 諸費用のうち、現金で払うものを確かめた?
- 完成前の支払いを、何でまかなうか決めた?
- もしものときのお金を、手元に残す計画にした?
- 契約後に金額が増えたときのお金を考えた?
- 頭金を変えたときの借入額と毎月の返済を出してもらった?
- 住宅ローンでどこまでまかなえるか、金融機関に聞いた?
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Q. 頭金なしでも、注文住宅は建てられますか?
金融機関によっては、頭金がなくても住宅ローンを借りられることがあります。ただ、諸費用や完成前の支払いなど、現金で用意したほうがよいお金もあります。どこまでローンでまかなえるかは金融機関ごとにちがうので、借りる予定の金融機関に確かめてください。
Q. 貯金は全部、頭金に入れたほうがいいですか?
全部入れると借入額は減りますが、病気や仕事の変化、家の不具合など、もしものときに使えるお金がなくなります。引っ越しや家具・家電の費用も含めて、手元に残すお金を先に決めてから、頭金にまわす額を考えるのがおすすめです。
Q. 親から援助を受ける場合、気をつけることはありますか?
家族からお金をもらうときは、贈与として税金がかかる場合と、軽くなる決まりを使える場合があります。制度は年によって変わるので、最新は国税庁や税務署、税理士に確かめてください。受け取る時期によって使える決まりがちがうこともあるので、早めに確かめておくと安心です。
まとめ
- 自己資金は家づくりに出す手持ちのお金の全部。頭金はそのうち借入を減らす分
- 諸費用や完成前の支払いなど、現金が必要になる場面を先に確かめる
- 頭金を多く入れると返済は軽くなるが、手元のお金は少なくなる
- もしものときや増額に備えるお金を残してから、頭金を決める
- ローンでまかなえる範囲は金融機関でちがうので、借りる先に確かめる
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