頭金と貯金
頭金なしのフルローンで家を建てても大丈夫? 頭金ありとの差を計算して考える
2026年10月30日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
「頭金がたまるまで待つべき?」「頭金なしで買う人もいるって聞くけど、本当に大丈夫?」。家づくりを考え始めると、頭金のことで迷う人は多いと思います。
この記事では、頭金なしで借りる「フルローン」の考え方をまとめます。結論を先に言うと、頭金なしでも家を買うことはできますが、借りる額が増える分、毎月の返済と利息が増えます。借りる額が返せる範囲に入っているか、手元のお金をどうするかを確かめておくことが大切です。
フルローンとは
フルローンは、家の価格(土地と建物)の全額を住宅ローンで借りることです。頭金(家の価格のうち、自分のお金で先に払う分)を入れない借り方です。
家を買うときは、家の価格のほかに、登記やローンの手数料、保険などの諸費用もかかります。諸費用は、家の価格の数%〜1割くらいかかることが多いです。この諸費用まで含めて借りる場合は、家の価格より多く借りることになります。
| 借り方 | ローンで払うもの | 自分のお金で払うもの |
|---|---|---|
| 頭金を入れる | 家の価格から頭金を引いた分 | 頭金と、諸費用(または諸費用の一部) |
| フルローン | 家の価格の全額 | 諸費用 |
| 諸費用も含めて借りる | 家の価格と諸費用 | ほとんどなし |
諸費用をローンに入れるか現金で払うかは、諸費用は現金で払う?ローンに入れる?の記事でくわしく書いています。この記事では、家の価格の分を頭金なしで借りることを中心に考えます。
頭金ありとくらべると、どれくらいちがう?
家の価格が3,500万円で、金利1%・35年、元利均等返済(毎月の返済額が同じ返し方)・ボーナス払いなしで借りた場合の例です。金利は最後まで変わらないとして計算しています。
| 家の価格3,500万円 | 借りる額 | 毎月の返済 | 利息の合計 |
|---|---|---|---|
| フルローン | 3,500万円 | 約98,800円 | 約650万円 |
| 頭金300万円 | 3,200万円 | 約90,300円 | 約594万円 |
この例だと、頭金300万円を入れた場合とくらべて、フルローンは毎月の返済が約8,500円多く、利息の合計が約56万円多くなります。
見方を変えると、300万円を手元に残す代わりに、毎月約8,500円多く払うということです。どちらを大事にするかは、家計や考え方によってちがいます。金利が高いほど、この差は大きくなります。
フルローンを考える家庭の事情
フルローンを考える家庭には、次のような事情があることが多いです。
- いまの家賃を払いながら頭金をためるより、早く家を持ちたい
- 子どもの入学など、住み始めたい時期が決まっている
- 貯金はあるが、急な出費や教育費のために手元に残しておきたい
- 年齢を考えると、借りる時期を遅らせると返し終わる年齢が上がる
頭金をためる間も家賃はかかります。また、借りる時期が遅くなれば、返し終わる年齢も上がります。だから、頭金をためるのを待つかどうかも、家計や年齢によって考え方が変わります。
フルローンで気をつけたいこと
フルローンを選ぶ場合は、次のことに気をつけておくと安心です。
- 借りる額が、返せる範囲に入っているか:頭金がない分、借りる額が大きくなる。返済負担率(年収に対する、1年の返済の割合)に余裕があるかを確かめる
- 金利が上がったときの影響:借りる額が大きいほど、金利が上がったときの返済の増え方も大きい
- 条件のちがい:頭金の割合によって、金利などの条件が変わる金融機関もある
- 借入の残りが減るペース:最初のころは返済の中の利息の割合が大きく、元金(借りたお金そのもの)がゆっくり減る。家を売ることになったとき、売れた金額でローンを返しきれないこともある
- 家を持ってからのお金:固定資産税、火災保険、修繕のための積み立てなども、毎月の返済とは別にかかる
どれも「フルローンだからだめ」ということではありません。借りる額が大きくなる分、こうしたことを先に確かめておくと、あとで慌てずにすみます。
頭金を入れるかどうかの考え方
頭金を入れるかどうかは、「頭金があるかないか」より、「手元にいくら残すか」から考えると決めやすくなります。
- 手元に残すお金を決める:急な出費に備えて、生活費の半年分くらいは残しておくのがよいと言われる。教育費や車の買い替えなど、近いうちに使うお金も分けておく
- 家に使えるお金を出す:貯金から、手元に残すお金を引いた額
- その中で、諸費用と頭金を分ける:まず諸費用、残りを頭金にする、など
- 借りる額で返済を計算する:毎月の返済が、無理なく払える範囲に入っているか確かめる
手元にどれくらい残すかの考え方は手元に残しておきたい貯金の記事に、頭金の目安は頭金・自己資金はいくら必要?の記事にまとめています。
頭金を入れても入れなくても、「借りる額を、無理なく返せる額におさめる」ことがいちばん大切です。
借りる前に確かめたいこと
- フルローンで借りた場合と、頭金を入れた場合の返済額をくらべた?
- 借りる額で計算した返済負担率に、余裕があるか確かめた?
- 頭金の割合で、金利などの条件が変わるか金融機関に聞いた?
- 金利が上がったときの返済額も見た?
- 諸費用をどう払うか(現金かローンか)決めた?
- 手元に残しておきたい貯金の額を、夫婦で話した?
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Q. 頭金なしでも、住宅ローンは借りられますか?
家の価格の全額を貸してくれる金融機関はあります。ただ、借りられるかどうかや、金利などの条件は、金融機関や収入、家の内容によってちがいます。頭金の有無で条件が変わることもあるので、借りる先で確かめてください。
Q. 貯金があるなら、頭金に入れたほうがいいですか?
頭金を入れると借りる額が減り、毎月の返済や利息も減ります。一方で、手元の貯金が少なくなると、急な出費に対応しにくくなります。どちらがよいかは家計によってちがうので、手元に残したい額を先に決めてから考えるのがおすすめです。
Q. フルローンにすると、審査に通りにくくなりますか?
審査でどう見られるかは、金融機関によってちがうので、一概には言えません。頭金の割合によって金利などの条件が変わる金融機関もあります。くわしくは、借りる予定の金融機関に聞いてみてください。
まとめ
- フルローンは、家の価格の全額を住宅ローンで借りること
- 家の価格3,500万円・1%・35年なら、頭金300万円とくらべて毎月約8,500円・利息約56万円多い(例)
- 頭金を入れない分、手元のお金を残せる。どちらを大事にするかは家計しだい
- 借りる額が大きい分、返済負担率の余裕や金利が上がったときの影響を確かめる
- 条件は金融機関によってちがうので、借りる先で聞いておく
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