いくら借りる?
住宅ローンはいくらまで借りていい? 「毎月いくらなら払えるか」から、無理なく返せる額を出す
2026年10月19日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
家づくりを考え始めると、まず気になるのが「うちは住宅ローンをいくらまで借りていいんだろう」ということ。銀行に聞けば借りられる額は分かりますが、それを全部借りていいのかは、なかなか分かりませんよね。
この記事では、無理なく返せる借入額を、自分で出す手順をまとめます。結論を先に言うと、出発点は「借りられる額」ではなく「毎月いくらなら払っていけるか」です。そこから金利と年数で借入額を出し、最後に年収との割合で確かめると、家計に合った金額が見えてきます。
「借りられる額」と「借りていい額」はちがう
住宅ローンの金額には、2つの見方があります。1つは、金融機関が「ここまでなら貸せる」と考える額。もう1つは、家族が毎月の暮らしを続けながら「ここまでなら返していける」と考える額です。
金融機関の審査では、返済負担率(年収に対する、1年の返済の割合)の上限を30〜35%くらいにしているところが多いです。一方で、無理のない目安としてよく言われるのは年収の20〜25%。実際に借りている人も、15〜20%くらいの人がいちばん多いという調査があります(住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」)。
つまり、上限まで借りられたとしても、上限まで借りる人ばかりではない、ということです。借りられる額と返せる額のちがいは、借りられる額と返せる額の違いの記事でくわしく書いています。
無理なく返せる額を出す4つの手順
借りていい額は、次の順番で考えると出しやすくなります。
- 毎月の返済にあてられる額を決める:手取りから、いまの生活費と、これからのための貯金を引いて残る額
- 金利と返済の年数を仮に決める:例えば変動0.9%・固定1.9%のように、2つくらいの金利で見ておく
- 毎月の返済額から借入額を出す:下の表や「住宅ローン、いくらまで?」で計算できる
- 年収との割合で確かめる:返済負担率が20〜25%くらいに収まっているかを見る
手順1がいちばん大事で、いちばん時間がかかるところです。いまの家賃をそのまま「払える額」とする人も多いのですが、家を持つと固定資産税や火災保険、将来の修繕のための積み立てが増えます。家賃と同じ額をローンにあてると、家計の中では少し重くなることがあります。
手順1で迷ったら、いまの家賃から「家を持つと増えるお金」の分を引いた額を、ひとまずの返済額にしてみるのも1つの方法です。
毎月の返済額から、借入額を出してみる
毎月の返済額が決まると、金利と年数で借入額が決まります。元利均等返済(毎月の返済額が同じ返し方)・ボーナス払いなしで計算すると、次のようになります。
| 毎月の返済 | 0.9%・35年 | 1.9%・35年 | 0.9%・30年 | 1.9%・30年 |
|---|---|---|---|---|
| 6万円 | 約2,160万円 | 約1,830万円 | 約1,890万円 | 約1,640万円 |
| 8万円 | 約2,880万円 | 約2,450万円 | 約2,520万円 | 約2,190万円 |
| 10万円 | 約3,600万円 | 約3,060万円 | 約3,150万円 | 約2,740万円 |
| 12万円 | 約4,320万円 | 約3,670万円 | 約3,780万円 | 約3,290万円 |
| 14万円 | 約5,040万円 | 約4,290万円 | 約4,410万円 | 約3,830万円 |
※金利は例です。借入額は10万円単位で切り下げています。
表を見ると、同じ毎月10万円でも、金利が1%ちがうだけで借りられる額が500万円以上変わることが分かります。年数を35年から30年にすると、毎月の額が同じなら借入額は小さくなりますが、そのぶん早く返し終わり、利息の合計も少なくなります。
金利の種類や年数は、どれがよいというものではなく、家計や考え方によって選び方がちがいます。ここでは「条件で借入額がこれだけ動く」ことを知っておくのが目的です。
年収との割合で確かめる
手順3で出た借入額が、年収に対して重すぎないかを確かめます。使うのは返済負担率です。
返済負担率(%)= 1年間の返済額(毎月の返済×12)÷ 額面の年収 × 100
例えば年収480万円で、毎月10万円を返すとします。1年で120万円なので、120÷480で25%です。目安の範囲に収まっています。同じ毎月10万円でも、年収が400万円なら30%になり、少し余裕が小さくなります。
ここで大事なのは、車のローンや奨学金など、ほかの返済も足して計算することです。金融機関の審査でも、ほかの返済を入れて計算するところが多くあります。返済負担率の考え方は、返済負担率の目安の記事にまとめています。
手取りでも見ておく
返済負担率は額面の年収で計算しますが、実際に返済にあてるのは手取りです。手取りで割り算しなおすと、割合はもっと大きく出ます。その数字のほうが、毎月の家計で感じる重さに近いと考えておくと安心です。
借入額から、家にかけられる総額を出す
借入額が決まったら、家にかけられる総額を考えます。総額は「借入額+家に使える自己資金」から、諸費用(登記・ローンの手数料・保険など)を引いたものです。諸費用は物件価格の数%〜1割くらいかかることが多いので、少し多めに見ておきます。
「住宅ローン、いくらまで?」では、諸費用を総額の8%として、次の式で総額の目安を出しています。
家にかけられる総額 ≒(借入額+自己資金)÷ 1.08
例えば借入額3,600万円・自己資金300万円なら、(3,600+300)÷1.08で約3,610万円です。このうち8%(約280万円)くらいを諸費用と見て、残りが土地や建物、外構などにかけられるお金です。注文住宅では、本体の工事費のほかにもかかるお金があるので、見積もりを見るときにも、この総額を物差しにしておくと話がぶれにくくなります。
自己資金は、貯金をすべて入れるのではなく、急な出費に備えるお金(生活費の半年分くらい)を残した額で考えるのがよいと言われます。
借りる前に確かめたいこと
- 毎月の返済額を、手取りと家計の支出から決めた?
- 固定資産税・火災保険・修繕の積み立てなど、家を持つと増えるお金を入れた?
- 金利が上がったときや、別の金利の種類のときの返済額も見た?
- 車のローンや奨学金など、ほかの返済も足して返済負担率を出した?
- 完済のときの年齢を確かめた?
- 手元に残す貯金の額を、家族で話した?
- 教育費や車の買い替えなど、これからのお金も話した?
うちは、いくらまでなら無理なく返せる?年収と貯金を入れるだけで、無理なく返せる借入額と、家にかけられる総額の目安が分かります。無料・登録不要。
無理なく返せる額を出してみる →よくある質問
Q. 住宅ローンは、年収の何倍まで借りても大丈夫ですか?
年収の何倍まで、という決まりはありません。同じ倍率でも、金利や返済の年数で毎月の返済は大きく変わります。まずは毎月いくらなら払っていけるかを決めて、そこから借入額を出すのがおすすめです。
Q. 銀行の事前審査で出た金額を借りてもいいですか?
事前審査の金額は「ここまでなら貸せる」という目安で、無理なく返せる額とは別のものです。審査に通った額より少なく借りる家庭も多くあります。家計の数字と見くらべて、自分たちで決めて大丈夫です。
Q. 無理なく返せる額を出すのに、何を準備すればいいですか?
毎月の手取り、いまの毎月の支出、これから増えそうな出費(教育費・車の買い替えなど)、家に使える貯金の4つがあると計算しやすいです。源泉徴収票や給与明細、家計簿アプリの記録などが役に立ちます。
まとめ
- 借りていい額は「借りられる額」ではなく「毎月いくらなら払えるか」から出す
- 毎月の返済額が決まれば、金利と年数で借入額が決まる。条件で数百万円単位で変わる
- 返済負担率(ほかの返済も含む)で、年収に対して重すぎないかを確かめる
- 借入額と自己資金から諸費用を引いた額が、家にかけられる総額
- 手元に残す貯金と、家を持つと増えるお金も入れて考えると安心
借りられる額じゃなく、無理なく返せる額を出してみる
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入れた数字は保存しません。計算は目安です。実際に借りられる額や金利は、金融機関の審査で決まります。
無理なく返せる額を出してみる