間取りの型
30坪の間取りで後悔しないコツ。広さを「足す」より「ムダを減らす」
2026年10月12日(2026年10月31日 更新) ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
「30坪」は、注文住宅で建てる人が多い広さのひとつです。広すぎず、狭すぎず。でも、実際に間取りを考えはじめると「部屋数を入れたらLDKが狭くなった」「収納が足りない気がする」と、思ったよりやりくりが大変なことに気づきます。
30坪の家は、同じ広さでも、配分しだいで暮らしやすさが大きく変わる広さです。この記事では、30坪の間取りで後悔しやすいポイントと、図面で確かめたいことをまとめます。
30坪って、どのくらいの広さ?
まずは広さの感覚をそろえておきます。1坪は畳2枚ほどなので、30坪はだいたい60畳分、100平方メートル弱です。これが1階と2階の合計(延べ床面積)の場合が多いです。
ただし、60畳分のすべてが部屋になるわけではありません。玄関、廊下、階段、トイレ、お風呂、洗面所、収納。こうした場所にも広さを使うので、部屋として使えるのは、そこから差し引いた分になります。
30坪の間取りを見るときは、「何LDKか」より先に、LDK・個室・水回り・廊下・収納に、それぞれどのくらい広さを使っているかを見てみてください。
同じ30坪でも、廊下が長い家と短い家では、部屋に使える広さがかなり違ってきます。図面の「○LDK」という表示だけでは、この差は見えません。
いちばんのムダになりやすいのは「廊下」
30坪の間取りでよく聞くのが、「廊下や階段まわりに思ったより広さを取られていた」という声です。
- 玄関からLDKまで、長い廊下がある
- 2階の廊下が、各部屋をつなぐためだけに長く伸びている
- 階段の上と下に、ただ通るだけのスペースがある
廊下は、通るためには必要ですが、そこで過ごすことはほとんどありません。図面で廊下を指でなぞってみて、「ここは毎日通る必要がある?」と考えてみると、削れる場所が見つかることがあります。
たとえば、リビングを通って2階へ上がる形にしたり、2階の廊下を短くして、その分をファミリークローゼットや子ども部屋に回したり。もちろん、廊下を減らすと音やにおいが伝わりやすくなるなど、別の注意点も出てくるので、どちらを優先するかは家族の暮らし方しだいです。
部屋数を増やすと、1部屋ずつが小さくなる
30坪で4LDKにするか、3LDKにするか。ここも悩みどころです。
| 考え方 | よいところ | 気をつけたいところ |
|---|---|---|
| 部屋数を多くする | 子ども部屋や仕事部屋を最初から分けられる | LDKや各部屋が小さくなりやすい |
| 部屋数を少なくする | LDKや収納に広さを回せる | 将来、個室が足りなくなることも |
| あとで仕切れる形にする | 小さいうちは広く使い、成長したら分けられる | ドア・窓・照明・コンセントを2部屋分用意しておく必要がある |
部屋数は「いま何部屋必要か」だけでなく、その部屋を何年くらい使うかで考えると決めやすくなります。子ども部屋は、使うのが10年ほどということもあります。その後どう使うかまで想像してみてください。
LDKは「畳数」より「家具を置いたあと」で見る
30坪の家では、LDKがいちばん広さを取りたい場所です。ただ、図面の畳数だけを見て判断すると、住んでから「意外と狭い」と感じることがあります。
- ソファ・ダイニングテーブル・テレビ台を置いたあと、通るスペースは残る?
- キッチンの通路と、ダイニングのいすを引くスペースが重なっていない?
- LDKの中に、階段や廊下の通り道が入りこんでいない?
同じ畳数でも、四角に近い形のLDKと、細長いLDKや凹凸の多いLDKでは、家具の置きやすさがかなり違います。図面に、手持ちの家具の大きさを書きこんでみるのがおすすめです。
畳数だけ見て「十分そう」と思っていても、ソファとダイニングテーブルを書きこんでみると、キッチンの後ろを通るのがやっと、と気づくことがあります。家具を描くのは手間ですが、いちばん確実な確かめ方です。
1階と2階、どちらに広さを使うか
2階建ての30坪なら、1階と2階でおよそ半分ずつになることが多いです。このとき、どちらの階に何を置くかで、毎日の動きが変わります。
- 1階:LDK・水回り・玄関が集まりやすく、広さが足りなくなりがち
- 2階:寝室と子ども部屋が中心で、部屋数を入れやすい
1階が窮屈なときは、洗面所や物干しの場所を2階に移すと、LDKを広くとれることがあります。ただ、そのぶん洗濯物を持って階段を上り下りすることになるので、洗濯動線とセットで考えておきたいところです。
反対に、2階に使わない部屋が残りそうなら、1階に家族の服をしまう場所をつくるなど、1階で暮らしが回る形にする考え方もあります。家族が1日の大半をどちらの階で過ごすかを思い浮かべてみてください。
収納は「量」より「場所」を優先する
30坪では、収納にたっぷり広さを取るのは難しいことが多いです。だからこそ、使う場所の近くに、必要な分だけ置けているかが大事になります。
- 玄関に、靴・傘・外遊びの道具をしまう場所はある?
- リビングに、書類や日用品をしまう場所はある?
- キッチンの近くに、食品のストックを置く場所はある?
大きな納戸を1つ作るより、小さな収納を使う場所ごとに分けたほうが、散らかりにくいこともあります。くわしくは収納が多いのに散らかる家の記事にまとめています。
広く感じさせる工夫は、図面でも分かる
同じ30坪でも、広く感じる家と、狭く感じる家があります。その差は、図面の段階でもある程度は見えます。
- 視線が奥まで抜ける:LDKに入ったとき、奥の窓や庭まで見通せる
- 窓の先に何があるか:窓の外がすぐ隣の家の壁だと、広がりを感じにくい
- 部屋どうしのつながり:リビングと和室や畳コーナーをつなげると、ひと続きの空間として広く感じやすい
- ドアの数:引き戸にしたり、ドアをなくしたりすると、ドアを開ける場所の分だけ家具を置きやすくなる
ただし、つなげて広く見せるほど、冷暖房の効き方や音の伝わり方は変わります。広さの感じ方と、住みごこちのバランスを見ながら決めてみてください。
図面で確かめたいチェックリスト
- 廊下・階段まわりだけの場所は、どのくらいある? 短くできる場所はない?
- LDKに家具を置いたあと、通路は残る?
- LDKの中を、階段や廊下への通り道が横切っていない?
- 子ども部屋などの個室は、何年くらい使う予定? その後の使い道は?
- 玄関・リビング・キッチンに、それぞれ収納はある?
- LDKに入ったとき、奥の窓や庭まで視線が抜ける?
- 窓の外は、隣の家の壁になっていない?
- 洗濯物を干す場所と、たたんでしまう場所は確保できている?
担当の人への伝え方
「30坪で4LDKにしたいです」だけだと、どこに広さを使いたいのかが伝わりにくいことがあります。家族が広さを使いたい場所と、削ってもいい場所を、そのまま伝えるのがおすすめです。
- 「LDKはできるだけ広くしたいので、廊下は短くていいです」
- 「子ども部屋は小さくてもいいので、あとで仕切れる形にしたいです」
- 「納戸は大きくなくていいので、玄関とリビングに収納がほしいです」
優先順位が伝わると、限られた広さの中でも、家族に合った配分を一緒に考えてもらいやすくなります。
着工前の、まだ変えられるうちに
くわしい打ち合わせが進むと、コンセントや床の色など細かい話が中心になり、広さの配分を見直す機会は少なくなりがちです。着工の前に、もう一度図面の中で廊下・収納・LDKにそれぞれどのくらい広さを使っているかを確かめ、気になるところは「ここを削ってLDKに回せますか」と聞いてみてください。間取りをいつまで変えられるかは、会社や契約によって違うので、早めに確認しておくと安心です。
何度か直してもらっても「狭い」が解消しないときは、間取りが決まらないときの記事も参考にしてみてください。
実際の形を見たいときは、30坪4LDKの間取り図の例も見てください。図を開いて、そのまま部屋を動かせます。
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よくある質問
Q. 30坪で4LDKはつくれますか?
つくれることが多いです。ただ、部屋数を増やすと、それぞれの部屋やLDKが小さくなりやすいので、何畳ずつになるかを確かめておきたいところです。子ども部屋をあとから仕切れる形にするなど、部屋数の決め方にも工夫の余地があります。
Q. 30坪は、何人家族に向いていますか?
3〜4人家族で建てる人が多い広さです。ただ、暮らしやすさは人数よりも、在宅ワークの有無や持ち物の量、来客の多さで変わります。いまの家で狭く感じているのはどこかを書き出してみると、必要な広さが見えてきます。
Q. 30坪の家で、広く感じる工夫はありますか?
廊下を短くしてその分を部屋に回す、LDKから庭や外への視線が抜けるように窓を置く、天井の高さや床の色をそろえる、などがあります。図面では、LDKに入ったときに奥まで見通せるかを確かめてみてください。
まとめ
- 30坪は、だいたい60畳分。配分しだいで暮らしやすさが大きく変わる
- いちばんのムダになりやすいのは廊下。毎日通る必要があるかを確かめる
- 部屋数は、その部屋を何年使うかで考える。あとで仕切れる形も選択肢に
- LDKは畳数より、家具を置いたあとの通路で見る
- 収納は量より場所。視線の抜けや窓の先も、広さの感じ方を左右する
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