災害とハザードマップ
浸水想定区域に家を建てるときに知っておきたいこと 確かめることと、できる備え
2026年10月25日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
ハザードマップを見たら、気になる土地に色がついていた。「浸水想定区域」と書かれていて、ここに家を建てても大丈夫なのかと不安になっている人もいると思います。
この記事の結論は、浸水想定区域に入っていることだけで、あきらめる必要はないということです。ただし、想定の中身を確かめて、建て方と暮らしの両方で備えを考えておくことが大切です。その順番をまとめます。
浸水想定区域とは
浸水想定区域は、大雨で川があふれたときなどに、水につかることが想定されている範囲です。洪水のハザードマップで、色をつけて示されています。
ここで知っておきたいのは、次の3つです。
- 「必ず水につかる場所」ではなく、「想定した雨のときに、水につかるおそれがある場所」
- 色の濃さで、想定される深さが分かれていることが多い
- 想定のもとになった川や雨によって、地図が分かれていることがある
また、川があふれる洪水とは別に、大雨で下水や水路があふれる内水氾濫もあります。内水氾濫は市区町村のハザードマップにしか載っていないこともあるので、あわせて確かめましょう。くわしくは内水氾濫の記事にまとめています。地図の探し方はハザードマップの見方の記事をどうぞ。
まず確かめたい4つのこと
色がついていると分かったら、次の4つを確かめます。
| 確かめること | 見るところ・聞く先 |
|---|---|
| 想定される深さ | ハザードマップの凡例(色の説明)。土地の色がどの深さか |
| どんな想定か | 地図の説明。どの川の、どんな雨を想定しているか |
| 水が引くまでの時間 | 地図によっては載っている。分からなければ自治体の窓口へ |
| 土地のまわりの高さ | 現地で見る。道路やとなりより低くないか、水が集まりやすい地形か |
同じ浸水想定区域でも、深さや、水が引くまでの時間によって、必要な備えは大きく変わります。「色がついているかどうか」より「どれくらいか」を見るのがポイントです。地図の読み方で分からないことは、市区町村の防災の窓口で教えてもらえます。
自治体によっては、浸水が想定される地域での建て方について、独自の決まりや考え方を持っていることもあります。自治体の建築の窓口でも確かめておくと安心です。
建て方でできる備え
浸水が想定される土地でも、建て方を工夫することで、被害を小さくする備えができます。どれが合うかは、想定される深さや土地の条件、予算で変わるので、住宅会社や建築士と相談して決めてください。
家を高くする
- 基礎を高くする:床の高さを上げて、水が床の上まで来にくくする
- 土地をかさ上げする:土を盛って、敷地そのものを高くする。まわりの土地や道路との段差、工事のお金も考える
大事なものを高い場所に
- 寝室や、生活の中心を2階にする
- エアコンの室外機や給湯器などの設備を、高い位置に置く
- コンセントや分電盤の位置を高めにする
- 2階に、水や食べ物を置いておける収納をつくる
平屋は、上の階に逃げる場所がないので、想定される深さによっては特に建て方の工夫が大切になります。平屋の考え方は平屋の間取りの記事も参考にしてください。
こうした工夫には、追加のお金がかかることがあります。金額は土地や建て方で大きく変わるので、土地を決める前に、住宅会社に備えの案とお金の目安を聞いておくと、土地の値段とあわせて比べられます。
暮らしでできる備え
建て方だけでなく、住んでからの備えも大切です。土地を決める前に、次のことを確かめておきましょう。
- 避難する場所と道:避難所までの道を実際に歩く。その道も水につかりやすくないか
- 逃げるタイミング:自治体が出す避難の情報と、家族の動き方を決めておく
- 保険:火災保険で、水の被害がどこまで補償されるか。くわしくは保険会社や代理店に確かめる
- 車の置き場所:大雨のときに、高い場所へ移せる場所があるか
浸水への備えは、「家で守る」と「早めに逃げる」の両方で考えると、気持ちにゆとりが生まれます。
決めるときの考え方
浸水想定区域の土地を選ぶかどうかは、家族の考え方によって答えが変わります。次のような点を家族で話してみてください。
- 想定される深さに対して、建て方で備えられそうか
- 備えにかかるお金をふくめても、ほかの候補と比べて納得できるか
- その土地を選ぶ理由(通勤・学区・実家との距離など)が、家族にとってどれくらい大事か
- いざというときに、家族全員が無理なく避難できるか
候補がほかにもあるなら、浸水の想定がない土地と比べてみるのもひとつの方法です。そのときは、土地の値段だけでなく、備えにかかるお金と、暮らしやすさまでふくめて並べると、判断しやすくなります。反対に、浸水の想定がない土地でも、土砂災害や地盤など別の点で確かめたいことがあるかもしれません。どの土地も、同じ目線で見比べることが大切です。
家を建てる前には地盤調査をするのが一般的です。川の近くや低い土地は、地盤もあわせて気になることがあるので、地盤調査や地盤改良の考え方は地盤調査と地盤改良の記事も参考にしてください。
不動産の取引では、重要事項説明のときに、水害ハザードマップでの土地の位置を説明することになっています(2020年8月から)。ただ、契約の直前に初めて聞くのではなく、申し込む前に自分たちで確かめておくと、落ち着いて判断できます。
買う前のチェックリスト
- 国と市区町村、両方のハザードマップで浸水の想定を確かめた?
- 想定される深さと、どんな雨の想定かを確かめた?
- 内水氾濫の想定も確かめた?
- 現地で、道路やとなりより低くないか見た?
- 自治体の窓口で、独自の決まりがないか聞いた?
- 建て方の備えと、そのお金の目安を住宅会社に聞いた?
- 避難所までの道を、実際に歩いてみた?
- 火災保険で水の被害がどこまで補償されるか確かめた?
この土地、AIにも見てもらえます。物件ページのスクショを貼るだけで、災害・高低差・相場・建てられる家の大きさまでまとめてチェック。無料・登録不要。
土地をチェックしてみる →よくある質問
Q. 浸水想定区域に家を建てることはできますか?
浸水が想定されていることだけで、家が建てられないわけではありません。ただ、自治体によっては独自の決まりがあることもあるので、自治体の窓口で確かめてください。建て方の備えは住宅会社や建築士に相談すると安心です。
Q. 土地をかさ上げすれば、浸水の心配はなくなりますか?
かさ上げで、想定される深さに対して備えやすくなることはあります。ただ、想定をこえる水が来ないとは言い切れず、まわりの土地や道路との関係、工事のお金も考える必要があります。どこまで上げるかは、住宅会社や建築士と相談して決めてください。
Q. 浸水想定区域の土地は、値段が安いのですか?
値段は、場所や広さ、道路、まわりの環境など、いろいろなことで決まるので、一概には言えません。まわりの実際の取引価格は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で調べられます。気になるときは、不動産会社に値段の理由を聞いてみてください。
まとめ
- 浸水想定区域は「想定した雨のときに、水につかるおそれがある範囲」。それだけであきらめる必要はない
- 色の有無より、想定される深さ・想定の中身・水が引くまでの時間を見る
- 基礎を高くする、生活の中心や設備を高い場所にするなど、建て方で備えられる
- 避難の道・逃げるタイミング・保険など、暮らしの備えもあわせて考える
- 備えのお金もふくめて、家族で納得できるかで決める
物件ページのスクショを貼るだけで、AIがこの土地をチェックします
土地のセカンドオピニオンは、マドリセカンドの中の人が作った無料・登録不要の土地チェックです。気になる土地のスクショを貼って地図で場所を合わせると、国のハザードマップ・液状化・高低差・相場・建てられる家の大きさまでまとめて調べ、AIが「いいところ」と「気をつけたいところ」を返します。
画像・住所は保存しません。気になるところは、家づくりのプロにそのまま聞くこともできます。
土地をチェックしてみる