災害とハザードマップ
ハザードマップの見方 土地を買う前に、どこを見て何を確かめればいい?
2026年10月11日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
気になる土地が見つかったら、ハザードマップを見ておいたほうがいい。そう聞いたけれど、開いてみると色や記号がたくさんあって、どこを見ればいいのか分からない。そんな人は多いと思います。
この記事では、土地を買う前にハザードマップで確かめたいことを、地図の探し方から順番にまとめます。結論を先に言うと、国と市区町村の両方の地図で、災害の種類ごとに「その土地はどうか」を見ていくのが基本です。
ハザードマップとは
ハザードマップは、洪水や土砂災害などが起きたときに、どこで、どんな被害が想定されるかを示した地図です。色がついている場所は、「その地図で想定した災害のときに、被害が出るおそれがある場所」という意味です。
大事なのは、ハザードマップは「想定」をもとに作られているということです。色がついている土地に住めないわけではありませんし、色がついていない土地で何も起きないわけでもありません。その土地の「くせ」を知って、建て方や備えを考える材料として使います。
ハザードマップの探し方
ハザードマップは、主に2つの場所で見られます。
| どこで見るか | 特徴 |
|---|---|
| 国の「ハザードマップポータルサイト」の「重ねるハザードマップ」 | 住所を入れると、洪水・土砂災害・津波などを地図に重ねて見られる。地形の情報も見られる |
| 同じサイトの「わがまちハザードマップ」 | 全国の市区町村が作ったハザードマップを探せる |
| 市区町村のホームページや窓口 | その地域のハザードマップ。紙で配っていることもある |
国の地図だけで済ませず、市区町村のハザードマップも必ず見るのがおすすめです。内水氾濫(大雨で下水や水路があふれること)や、小さな川の情報、避難所の場所などは、市区町村のものにしか載っていないこともあるからです。
災害の種類ごとの見方
ハザードマップは、災害の種類ごとに分かれています。土地を買う前は、次の5つを順番に見ていきましょう。
1. 洪水(川があふれる)
大きな川や中小の川があふれたときに、どこまで、どれくらいの深さまで水が来るかの想定です。色の濃さで深さが分かれていることが多いので、凡例(色の説明)を見て、その土地がどの色かを確かめます。浸水が想定される土地で家を建てるときの考え方は、浸水想定区域に家を建てる記事にまとめています。
2. 内水氾濫(まちの中で水があふれる)
川から離れていても、大雨で下水や水路があふれて、低い場所に水がたまることがあります。市区町村のハザードマップに載っていることが多いです。くわしくは内水氾濫の記事をどうぞ。
3. 土砂災害
がけや斜面の近くでは、土砂災害警戒区域(イエローゾーン)と土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)を確かめます。特別警戒区域では、建物の構造に決まりがあるなど、建てるときの制限があります。土地の一部だけがかかっていることもあるので、境目をよく見ましょう。
4. 津波・高潮
海に近い地域では、津波や高潮で水が来る範囲の想定も見ておきます。避難する場所や道も、あわせて確かめておくと安心です。
5. 地盤(液状化・盛土)
液状化や盛土は、いわゆるハザードマップとは別の地図で見ることが多いです。国土交通省の「液状化の発生傾向図」や自治体の液状化マップ、国や自治体の「大規模盛土造成地マップ」で目安が分かります。マップに載っていること=危険、ではありません。
色がついていたときに確かめたいこと
候補の土地に色がついていても、それだけで決める必要はありません。次のことを確かめて、自分たちで判断できる材料をそろえましょう。
- どんな想定か:地図の説明に、どんな雨や災害を想定しているかが書かれている
- どれくらいか:浸水ならどれくらいの深さか。土砂災害ならイエローかレッドか
- 土地のどこにかかっているか:全部か、一部か
- 建て方で備えられるか:基礎を高くする、生活の中心を2階にするなど。住宅会社や建築士に聞く
- 逃げられるか:避難所までの道、夜や雨の日でも歩けるか
地図の読み方で分からないことは、市区町村の防災の窓口で教えてもらえます。建て方での備えは、住宅会社や建築士に相談してください。
ハザードマップは「この土地はだめ」と決めるためではなく、「この土地なら、こう備えればいい」を考えるための地図です。
地図だけで分からないことは、現地で見る
ハザードマップは広い範囲を示した地図なので、1つ1つの土地の細かい高さまでは分からないこともあります。地図とあわせて、現地でも次のところを見ておきましょう。
- まわりより低くないか:道路やとなりの土地と比べて、土地が下がっていないか
- 坂の下や、くぼんだ場所ではないか:雨水が集まりやすい地形か
- 近くの川や水路:水面と土地の高さの差、側溝の大きさ
- 地名や昔の土地の使われ方:昔の川や池の跡は、液状化が起きやすいことがある
昔の土地の様子は、「重ねるハザードマップ」で地形の情報を見たり、自治体の窓口で聞いたりして調べられます。雨の日やその翌日に見に行くと、水たまりのでき方や、側溝の流れが分かることもあります。
土砂災害の区域がかかっている土地や、がけの近くの土地は、地図に加えて自治体の建築の窓口で建てるときの決まりを確かめておきましょう。くわしくは土砂災害警戒区域の記事にまとめています。
重要事項説明との関係
不動産の取引では、重要事項説明のときに、水害ハザードマップでの土地の位置を説明することになっています(2020年8月から)。ただ、重要事項説明は契約の直前に行われることが多く、そこで初めて知ると、落ち着いて考える時間がとれません。
気になる土地が出てきたら、申し込む前に自分でハザードマップを見ておくのがおすすめです。分からないところは、不動産会社に「この色はどういう意味ですか」と聞いてかまいません。
買う前のチェックリスト
- 「重ねるハザードマップ」で、土地の住所を調べた?
- 市区町村のハザードマップも見た?
- 洪水・内水・土砂災害・津波や高潮を、それぞれ確かめた?
- 液状化や盛土の地図も見た?
- 色がついていたら、どんな想定で、どれくらいかを確かめた?
- 建て方でできる備えを、住宅会社に聞いた?
- 避難所までの道を、実際に歩いてみた?
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Q. ハザードマップで色がついていない土地なら、安心ですか?
色がついていないのは、その地図で想定した災害では被害の想定がない、という意味です。地図にない種類の災害や、想定をこえる災害が起きないとは言い切れません。ほかの種類の地図や、まわりの地形もあわせて見ておくと安心です。
Q. ハザードマップは、不動産会社から説明してもらえますか?
不動産の取引では、重要事項説明のときに、水害ハザードマップでの土地の位置を説明することになっています(2020年8月から)。ただ、説明は契約の直前なので、気になる土地は自分でも早めに見ておくのがおすすめです。
Q. ハザードマップの見方で分からないことは、どこに聞けばいいですか?
地図を作っている市区町村の防災の窓口に聞くのが確実です。その土地でどんな想定になっているか、地図の色や記号の意味を教えてもらえます。建て方での備えは、住宅会社や建築士に相談してください。
まとめ
- ハザードマップは「想定」の地図。土地のくせを知り、備えを考える材料にする
- 国の「重ねるハザードマップ」と、市区町村のハザードマップの両方を見る
- 洪水・内水・土砂災害・津波や高潮・地盤(液状化・盛土)を順番に確かめる
- 色がついていたら、想定・程度・かかる範囲・建て方・避難を確かめる
- 重要事項説明を待たず、申し込む前に自分で見ておく
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