借りる前に
住宅ローンの借り換え・住み替えの考え方 「あとで変えればいい」と考える前に知っておきたいこと
2026年11月2日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
住宅ローンを借りる前に、「金利が上がったら借り換えればいい」「合わなくなったら住み替えればいい」と聞いて、少し安心した人もいると思います。でも、借り換えや住み替えは、いつでも思いどおりにできるとは限りません。
この記事では、借り換えと住み替えの仕組みと、借りる前に知っておきたい考え方をまとめます。結論を先に言うと、どちらも「そのときの金利・年齢・収入・家の価値」で条件が決まるものです。あとで変えられることをあてにしすぎず、いま借りる額は、いまの家計で無理なく返せる額で考えておくと安心です。
借り換えと住み替えのちがい
似た言葉ですが、していることはちがいます。
| 借り換え | 住み替え | |
|---|---|---|
| していること | いまのローンを、別の住宅ローンで借りなおす | いまの家を売ったり貸したりして、別の家に移る |
| 家 | 同じ家に住みつづける | 別の家に移る |
| 主な目的 | 金利や返し方を見直す | 暮らし方の変化に家を合わせる |
借り換えは、別の金融機関で新しく住宅ローンを借りて、そのお金でいまのローンを返す方法です。同じ金融機関の中で、金利の種類を変える方法もあります。住み替えは、家そのものを変えることです。
借り換えると、返済はどれくらい変わる?
借り換えでよく考えられるのは、金利を下げて返済を軽くすることです。計算の例で見てみましょう。借入の残りが2,500万円・残りの年数が25年、元利均等返済(毎月の返済額が同じ返し方)でボーナス払いなしの場合です。
| 金利(例) | 毎月の返済 | 25年間の返済の合計 |
|---|---|---|
| 1.5%のまま | 約10.0万円 | 約3,000万円 |
| 1.0%に借り換えた場合 | 約9.4万円 | 約2,827万円 |
金利が0.5%下がると、毎月の返済は約5,800円、25年間の合計では約173万円小さくなる計算です。ただし、これは借り換えにかかる費用を引く前の数字です。
借り換えでは、新しくローンを借りるための手数料や保証料、登記の費用などがかかります。どれくらいかかるかは、金融機関や借り方によってちがいます。減る返済の合計から、かかる費用を引いて考えることが大切です。
借り換えで気をつけたいこと
借り換えは、新しい金融機関で住宅ローンを借りなおすことです。そのため、借りたときと同じように、あらためて審査があります。
- そのときの年収や働き方:収入が減っていると、借りられる額が小さくなることがある
- そのときの年齢:完済は80歳までとする金融機関が多いので、選べる年数が短くなることがある
- 健康状態:団信(団体信用生命保険)に入りなおすので、告知があることが多い
- 家の評価:建物は年数がたつと評価が下がることが多い
- 金利の動き:借り換えたい時期に、金利が下がっているとは限らない
つまり、「金利が上がったら借り換えればいい」と考えていても、そのときに条件が合うかは分かりません。金利が上がる局面では、借り換え先の金利も上がっていることが多いです。
借り換えは「いざというときの逃げ道」より「条件が合えば使える選択肢」と考えておくと、借りるときの判断がぶれにくくなります。
金利の種類の考え方は、変動金利と固定金利のちがいの記事にまとめています。
住み替えで考えておきたいこと
住み替えでいちばん大事なのは、いまの家のローンの残りをどうするかです。家を売るときは、売ったお金でローンの残りを返すのが一般的です。
例えば、3,500万円を金利0.9%・35年で借りた場合、金利が変わらないとすると、借入の残りは次のように減っていきます。
- 5年後:約3,065万円
- 10年後:約2,610万円
- 15年後:約2,134万円
元利均等返済では、はじめのうちは返済のうち利息の割合が大きいので、残りはゆっくり減っていきます。売ったお金がこの残りより少ないと、差額を手元のお金で用意するなどの方法を考える必要があります。
家がいくらで売れるかは、場所や建物の状態、そのときの市場によって変わり、前もっては分かりません。住み替えの可能性がある家庭は、売りやすさや貸しやすさも、土地や間取りを選ぶときの見方の1つになります。土地探しの進め方は、土地探しの進め方の記事にまとめています。
借りる前にできること
借り換えや住み替えは、借りたあとの話です。でも、借りる前に考えておけることもあります。
- いまの家計で無理なく返せる額で借りる:あとで条件を変えられなくても返せる額にしておく
- 金利が上がった場合の返済額も見ておく:変動金利の場合は、上がったときの数字を手元に置いておく
- 手元のお金を残しておく:借り換えの費用や、住み替えの差額に備えられる
- 繰り上げ返済の予定も考える:残りを早めに減らしておくと、借り換えや住み替えの選択肢が広がりやすい
- 借りるローンの決まりを確かめる:途中で金利の種類を変えられるか、返済の途中で一部を返す手数料はどうか
借りる前に確かめたいこと
- 「あとで借り換えればいい」をあてにしない借入額にした?
- 借り換えるときも審査や費用があることを、家族で話した?
- 途中で金利の種類を変えられるか、金融機関に聞いた?
- 年数ごとにローンの残りがどう減るか、見てみた?
- 住み替えの可能性があるか、家族で話した?
- 借り換えの費用や住み替えの差額に備える、手元のお金を考えた?
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Q. 金利がどれくらい下がれば、借り換えたほうが得ですか?
残りの借入額や年数、借り換えにかかる費用によって変わるので、一律には言えません。借り換えたあとに減る返済の合計と、借り換えにかかる費用の両方を金融機関に出してもらい、差し引きで考えるのが確実です。
Q. 借り換えのときも、審査はありますか?
借り換えは、新しい金融機関で住宅ローンを借りなおすことなので、あらためて審査があります。そのときの年収や年齢、健康状態(団信の告知)、家の評価などが見られることが多いので、借りたときと同じように借りられるとは限りません。
Q. 家を売るとき、ローンが残っていても売れますか?
ローンが残っていても、売ったお金で残りを返せれば、売ることはできることが多いです。売ったお金が残りより少ないときは、差額を手元のお金で用意するなどの方法を考える必要があります。くわしくは金融機関や、売るときに相談する会社で確かめてください。
まとめ
- 借り換えはローンの借りなおし、住み替えは家そのものを変えること
- 金利が0.5%下がると返済は軽くなるが、借り換えの費用を引いて考える
- 借り換えにも審査があり、そのときの年齢・収入・健康・家の評価で条件が決まる
- 住み替えでは、ローンの残りと売れる額の差をどうするかが大事
- あとで変えられることをあてにしすぎず、いまの家計で無理なく返せる額で借りる
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