共働き・家族
産休・育休や働き方が変わっても返せる? 共働きで住宅ローンを組む前に考えておきたいこと
2026年10月31日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
共働きで住宅ローンを考えていると、「2人の年収なら借りられるけれど、産休や育休のあいだはどうなるんだろう」と気になります。これから子どもを考えている夫婦にとっては、大事な心配ごとです。
この記事では、収入が減る時期があっても返していけるかを、借りる前に確かめる方法をまとめます。結論を先に言うと、2人の年収で借りる額を決めるときは、片方の年収だけで返済の割合を計算してみることと、収入が減る時期の家計を先に書き出しておくことが大切です。
共働きの収入は、ずっと同じとは限らない
住宅ローンは、長い年数をかけて返していくものです。その間に、夫婦の働き方は何度か変わることがあります。
- 産休・育休で、一定の期間、給料が出なくなる・減る
- 復帰したあと、時短勤務で収入が減る
- 保育園の送り迎えや子どもの体調で、働く時間を調整する
- 転職・転勤・介護などで、どちらかが働き方を変える
育休のあいだは、給付を受けられるしくみがあります。ただ、受けられる金額や期間は条件によってちがいます。くわしくは勤め先や、国・ハローワークのページで確かめてください。
大事なのは、住宅ローンの返済は、収入が減っても同じ金額で続くということです。借りるときの2人の年収がずっと続く前提で借りる額を決めると、収入が減った時期に家計が苦しくなりやすくなります。
2人の年収で借りた額を、1人の年収で見ると
計算の例で見てみましょう。夫の年収400万円・妻の年収300万円、2人で700万円の夫婦が、元利均等返済(毎月の返済額が同じ返し方)でボーナス払いなし、例えば金利0.9%・35年で借りる場合です。
年収の25%(無理なく返せる目安としてよく使われる割合)で考えると、2人の年収で借りられるのは約5,250万円、毎月の返済は約14.6万円です。この返済を、それぞれの年収で見ると次のようになります。
| 年収の見方 | 年収 | 返済負担率 |
|---|---|---|
| 2人とも働いているとき | 700万円 | 約25% |
| 妻が時短勤務で200万円になったとき | 600万円 | 約29% |
| 夫の年収だけで見たとき | 400万円 | 約44% |
返済負担率(年収に対する、1年の返済の割合)は、片方の年収だけで見ると約44%になります。これは、金融機関の審査の上限としてよく使われる30〜35%もこえる数字です。
反対に、夫の年収400万円だけで25%に収めると、借りられるのは約3,000万円、毎月の返済は約8.3万円です。妻の年収が200万円になっても25%に収めるなら、2人で約4,500万円が目安になります。
2人の年収で借りるときは、「片方の年収だけになったら、返済の割合は何%か」を一度計算しておくと、収入が減る時期の重さが見えてきます。
収入が減る時期を書き出してみる
産休・育休や時短勤務は、ずっと続くものではありません。だからこそ、いつ・どのくらいの期間、収入が減りそうかを書き出しておくと、備え方が考えやすくなります。
- 子どもを考えている時期を話す:はっきり決まっていなくても「このくらい」で大丈夫
- 産休・育休の期間を考える:どちらが、どのくらい休むか
- 復帰後の働き方を考える:時短勤務の期間、保育園に入れる時期など
- その期間の手取りを見積もる:給付のしくみも含めて、勤め先などで確かめる
- その手取りで、毎月の返済と生活費が回るかを見る
子どもが2人、3人と考えている場合は、収入が減る時期が何度か来ることになります。1回分だけでなく、全部の時期を並べて見ておくと安心です。
また、子どもが生まれると、収入が減るのと同じ時期に、出ていくお金も増えます。おむつやミルク、保育料など、家族が増えたあとの生活費も、ざっくりでよいので足して考えておきましょう。
収入が減る時期への備え方
収入が減る時期を乗りこえる方法は、1つではありません。家庭ごとに、組み合わせて考えることが多いです。
- 借りる額を、片方の収入が減っても回る額にする:毎月の返済そのものを小さくしておく
- 手元のお金を厚めに残す:頭金に全部入れず、収入が減る期間の不足分をまかなえるお金を残しておく
- 家計の固定費を見直しておく:通信費や保険など、毎月必ず出ていくお金を小さくしておく
- 建てる時期を考える:収入が減る時期の前に建てるか、後に建てるかで、手元のお金の動きが変わる
生活防衛資金(急な出費に備えるお金)は、生活費の半年分くらいを手元に残しておくのがよいと言われます。収入が減る時期がありそうな家庭は、その期間に足りなくなるお金も足して考えておくと安心です。手元に残すお金の考え方は、頭金の決め方とあわせて考えると整理しやすくなります。
2人で借りるときの借り方も確かめる
2人の年収を合わせて借りる方法には、ペアローン(2人がそれぞれ住宅ローンを借りる)や収入合算(1人が借りて、もう1人の収入を合わせて計算する)などがあります。借り方によって、次のようなことが変わります。
- どちらが、どこまで返す義務を負うか
- 団信(団体信用生命保険)が、どちらにつくか
- 片方の収入が減ったときに、どちらの返済が重くなるか
例えばペアローンでは、2人それぞれに毎月の返済があります。育休中の人も、自分の分の返済は続きます。2人の口座のお金の流れを、収入が減る時期も含めて決めておくと、あとで慌てずにすみます。借り方のちがいは、ペアローン・収入合算のちがいの記事にまとめています。
無理なく返せる額の出し方そのものは、住宅ローンはいくらまで借りていい?の記事をどうぞ。
借りる前に確かめたいこと
- 片方の年収だけで、返済負担率を計算してみた?
- 産休・育休や時短勤務の時期と期間を、夫婦で話した?
- 収入が減る時期の手取りで、毎月の返済と生活費が回るか見た?
- 子どもが増えたあとの生活費も、ざっくり足して考えた?
- 収入が減る期間の不足分も入れて、手元に残すお金を決めた?
- 借り方によって、返す義務や団信がどう変わるか確かめた?
- 収入が減ったときに相談できることがあるか、金融機関に聞いた?
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Q. 育休中も、住宅ローンの返済は止められますか?
育休だからといって、返済が自動で止まったり減ったりするわけではありません。返済の方法を一時的に変える相談ができる金融機関もありますが、条件はそれぞれちがいます。借りる前に、収入が減ったときに相談できることがあるかを聞いておくと安心です。
Q. これから子どもを考えている場合、借りる額は減らしたほうがいいですか?
どのくらいにするかは、家計や働き方の予定によってちがうので、一律には言えません。収入が減る期間がありそうなら、その期間の手取りで毎月の返済が払えるかを一度計算しておくと、借りる額を決めやすくなります。
Q. 2人の年収を合わせて借りるときに、気をつけることは何ですか?
借り方によって、どちらが返す義務を負うか、団信(団体信用生命保険)がどちらにつくかが変わります。産休・育休や時短勤務で片方の収入が減ったときにも返せるかを、片方の年収だけで計算して見ておくと安心です。
まとめ
- 住宅ローンの返済は、産休・育休や時短勤務で収入が減っても同じ金額で続く
- 2人の年収で借りた額を、片方の年収だけで見ると返済の割合が大きく上がる
- 収入が減る時期と期間を書き出して、その期間の家計を確かめておく
- 借りる額・手元に残すお金・固定費・建てる時期を組み合わせて備える
- 借り方で返す義務や団信が変わるので、夫婦で確かめてから決める
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