共働き・家族
教育費と住宅ローン、両立できる? 子どもの進学と返済が重なる時期の考え方
2026年11月1日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
家を建てたい。でも、子どもの教育費もこれからかかる。「住宅ローンを返しながら、教育費まで払っていけるのかな」と不安になる人は多いと思います。
この記事では、教育費と住宅ローンを両立させるための考え方をまとめます。結論を先に言うと、教育費は後になるほど重くなりやすいお金です。借りる額を決める前に、教育費の積み立てを毎月の家計に入れておき、その残りから返済を考えると、両立の見通しが立てやすくなります。
教育費と住宅ローンは、お金の出方がちがう
住宅ローンと教育費は、どちらも長い期間かかるお金です。でも、お金の出方はかなりちがいます。
| 住宅ローン | 教育費 | |
|---|---|---|
| 出ていく形 | 毎月ほぼ同じ金額 | 年齢や進路で大きく変わる |
| 重くなりやすい時期 | 金利が上がったとき(変動金利の場合) | 子どもが大きくなってから |
| 決め方 | 借りるときに、毎月の金額がほぼ決まる | 進路や住む地域で、家庭ごとにちがう |
元利均等返済(毎月の返済額が同じ返し方)の住宅ローンは、金利が変わらなければ、毎月同じ金額を返していきます。一方で、教育費は子どもの年齢が上がるにつれて増えやすく、進学のときにはまとまったお金が必要になることもあります。
つまり、借りるときにちょうどよかった返済が、教育費がふくらむ時期には重く感じられることがあります。両立を考えるときは、いまの家計だけでなく、その時期の家計を見ておくことが大切です。
返済と教育費が重なる時期を並べてみる
まずは、家族の年齢を年ごとに並べてみましょう。紙やメモに、次のような表を作るだけでも、重なる時期が見えてきます。
- 返済を始める年と、完済する年を書く:例えば33歳で35年のローンなら、完済は68歳
- 子どもの年齢を並べる:小学校・中学校・高校・大学などの入学の年に印をつける
- 働き方の予定を書く:産休・育休、時短勤務、定年の年など
- 大きな出費を書く:車の買い替え、家の手入れなど
例えば、親が33歳のときに子どもが生まれた場合、子どもが18〜22歳になるのは親が51〜55歳のころです。33歳で35年のローンを組むと、この時期はまだ返済の途中です。子どもが2人以上いると、重なる時期はもっと長くなります。
こうして並べると、「この数年は出ていくお金が多くなりそうだ」という時期が見えてきます。その時期の家計を先に考えておくと、借りる額も決めやすくなります。
教育費の積み立てを先に決めると、借入額はこう変わる
教育費を両立させる考え方の1つが、教育費のための積み立てを先に決めて、その残りから返済にあてる額を考える方法です。
計算の例で見てみましょう。年収600万円の家庭が、年収の25%(無理なく返せる目安としてよく使われる割合)を返済にあてるとします。例えば金利0.9%・35年、ボーナス払いなしで計算した場合です。
| 返済にあてる額(毎月) | 借りられる額の目安 |
|---|---|
| 12.5万円(年収の25%) | 約4,500万円 |
| 10.5万円(教育費の積み立てに2万円まわす) | 約3,780万円 |
| 9.5万円(教育費の積み立てに3万円まわす) | 約3,420万円 |
毎月2万円を教育費の積み立てにまわすと、借りる額の目安は約720万円小さくなります。数字だけ見ると大きな差に感じるかもしれません。でも、この差は「教育費がふくらむ時期に、家計に余裕を残しておくための差」と考えることもできます。
積み立ての金額は、家族の考え方で決めるものです。大事なのは、返済の割合を決める前に、教育費をどう準備するかを決めておくことです。
家計で確かめておきたいこと
教育費と住宅ローンを両立させるには、毎月のお金の流れを、手取りで見ておくことが大切です。年収で計算した返済の割合より、手取りで見たほうが、家計で感じる重さに近くなります。
- 毎月の手取り:ボーナスはあてにせず、毎月の分で考える
- いまの生活費:食費・光熱費・通信費・保険など
- 教育費の積み立て:毎月いくら、いつまで積み立てるか
- 家を持つと増えるお金:固定資産税などの税金、火災保険、修繕のための積み立て
- 住宅ローンの返済:残りの中で、無理なく払える金額か
習いごとや塾など、教育費の中には毎月出ていくものもあります。子どもが小さいうちは少なくても、年齢が上がると増えることが多いので、ざっくりでよいので見込んでおきましょう。
家計から返せる額を考える手順は、借りられる額と返せる額の違いの記事でくわしく書いています。
完済の年齢と、教育費が終わる年齢
教育費と住宅ローンのほかに、もう1つ考えておきたいのが老後のお金です。子どもの教育費が終わるころから、老後のための貯金を増やしていく家庭も多いです。
完済の年齢が遅いと、教育費が終わったあとも返済が続き、老後のための貯金をする期間が短くなります。例えば、40歳で35年のローンを組むと、完済は75歳です。定年のあとも返済が続くので、退職金や年金から返すことも考えておく必要があります。
返済の年数を短くすると、完済は早くなりますが、毎月の返済は大きくなります。どちらにするかは家計によってちがいます。年齢と返済の年数の考え方は、完済年齢の記事にまとめています。
借りる前に確かめたいこと
- 返済の期間と、子どもの進学の時期を並べてみた?
- 教育費がふくらみそうな時期の家計を考えた?
- 教育費の積み立てを、毎月いくらにするか家族で話した?
- 積み立てを引いた残りで、返済にあてる額を考えた?
- 習いごとや塾など、毎月出ていく教育費も見込んだ?
- 教育費が終わったあとの、老後のための貯金の期間を確かめた?
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Q. 教育費はいくら準備しておけばいいですか?
公立か私立か、進学の道、住んでいる地域などで大きく変わるので、一律には言えません。まずは家族で、子どもの進路について「このくらいは考えておきたい」という形を話し、そのために毎月いくら積み立てるかを決めるところから始めると考えやすくなります。
Q. 子どもがまだ小さいうちに家を建てても大丈夫ですか?
建てる時期に正解はなく、家計や考え方によってちがいます。子どもが小さいうちは教育費が比較的少ないことが多い一方、大きくなるにつれて増えていきます。返済が続く間に教育費がふくらむ時期が来ることを前提に、その時期の家計を見ておくと安心です。
Q. 教育費が足りなくなったら、住宅ローンの返済を減らせますか?
返済の方法を変える相談ができる金融機関もありますが、条件はそれぞれちがい、必ず減らせるとは限りません。あとから調整するより、借りる前に教育費の積み立てを家計に入れておくほうが、見通しを立てやすくなります。
まとめ
- 住宅ローンは毎月ほぼ同じ、教育費は子どもが大きくなるにつれて増えやすい
- 返済の期間と進学の時期を並べると、出ていくお金が多い時期が見える
- 教育費の積み立てを先に決めて、その残りから返済にあてる額を考える
- 手取りで家計を見て、家を持つと増えるお金も入れておく
- 完済の年齢と、老後のための貯金の期間もあわせて考える
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