家族と進め方
要望の伝え方。ヒアリングシートの書き方と、最初の打ち合わせに持っていくもの
2026年11月1日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
住宅会社との最初の打ち合わせでは、多くの場合「ヒアリングシート」と呼ばれる用紙を渡されます。家族構成、予算、ほしい部屋、好きなデザイン…。項目は多いのに、いざ書こうとすると、何をどこまで書けばいいのか迷ってしまいます。
この記事では、ヒアリングシートのよくある項目ごとの書き方と、要望がきちんと伝わるコツをまとめます。どこかの会社をすすめる記事ではなく、どの会社にも自分たちのことを伝えられるようにするための記事です。要望を整理してから間取りを決めるまでの全体の流れは、間取りの決め方の記事にまとめています。
ヒアリングシートは、提案の「材料」
ヒアリングシートは、担当の人が間取りやプランを考えるための材料です。ここに書かれたことをもとに、最初の提案がつくられます。
つまり、シートに書いたことが少ないと、担当の人は「よくある家族」を想像して提案するしかありません。反対に、暮らしの様子が伝わると、自分たちに合わせた提案が返ってきやすくなります。
上手に書く必要はありません。大事なのは、家族の暮らしが目に浮かぶように書くことです。
よくある項目と、書き方のコツ
会社によって形は違いますが、よくある項目と書き方の例です。
| 項目 | 書き方のコツ |
|---|---|
| 家族構成 | 人数と年齢に加えて、この先の変化(子どもが増えるかも、親と暮らすかも)も一言 |
| いまの住まい | 広さや間取りだけでなく、困っていること・気に入っていることを書く |
| 暮らし方 | 起きる時間、帰る時間、在宅の仕事、休日の過ごし方。平日と休日の両方 |
| ほしい部屋・設備 | 部屋の名前だけでなく、「なぜほしいか」を一言添える |
| 好きなデザイン | テイストの名前より、写真と「どこが好きか」。苦手なものも |
| 予算 | おおよその総額と、何を含めた金額か。月々の支払いの目安があれば、それも |
| 時期 | いつごろ住みたいか、その理由(入学、更新など) |
| 土地 | あるか、探しているか。あれば場所や広さが分かるもの |
書くのが難しい項目は、空けておいて打ち合わせの場で話しても大丈夫です。「ここはまだ迷っています」と書いておくと、担当の人も一緒に考えてくれます。
要望が伝わる3つのコツ
1. 「部屋」ではなく「場面」で書く
「パントリーがほしい」より「まとめ買いした物を、キッチンのすぐ近くにしまいたい」。「書斎がほしい」より「週2日、家でオンライン会議をする。子どもの声が入らない場所がほしい」。場面で書くと、担当の人は部屋をつくる以外の方法も含めて考えられます。
2. 「なぜ」を一言添える
「リビング階段にしたい」だけだと、理由が分かりません。「子どもが帰ってきたとき、顔を見られるようにしたい」と添えると、リビング階段以外の答えが出てくることもあります。理由が伝わると、提案の幅が広がります。
3. 優先順位をつける
要望を全部同じ重さで並べると、どれも少しずつかなえた、中途半端な提案になりがちです。「絶対にほしい」「できればほしい」「なくてもいい」の3つに分けて書いておきましょう。家族で優先順位を決める方法は、優先順位の決め方の記事にまとめています。
予算と好みの伝え方
予算は「何を含めた金額か」まで
同じ「予算」でも、建物の本体だけなのか、外構や照明・カーテン、諸費用、土地まで含めた総額なのかで、話がまったく変わります。分かる範囲で、何を含めた金額なのかを書いておくと、あとで「思っていたのと違う」となりにくくなります。
予算を少なめに伝えたほうがいい、多めに伝えたほうがいい、という話を聞くこともありますが、おおよそ正直に伝えるのがいちばん提案が合いやすいです。どこまでかなえられるかは会社や仕様で大きく変わるので、提案と見積もりを見ながら調整していきましょう。
好みは写真で
デザインの好みは、言葉だけでは伝わりにくいものです。好きな外観や内装の写真を、場所ごとに何枚か用意しておくと、話が早く進みます。好きなデザインの言葉にし方は、デザインを重視するときの会社の選び方の記事でふれています。
家族の意見がそろわないときは
夫婦や家族で要望が違うのは、ごく自然なことです。無理にひとつにまとめなくても大丈夫です。
- 一人ずつ書いてから見せ合う:最初から一緒に書くと、声の大きい人の意見に寄りがちです
- 違うところは、違うまま伝える:「夫は書斎がほしい、妻はその分リビングを広くしたい」と書いておけば、両方をかなえる工夫を提案してもらえることもあります
- 「なぜ」を話し合う:意見が違っても、理由を話すと、実は同じことを心配していた、ということもあります
家族で考えがぶつかるときの話し合い方は、夫婦で意見が合わないときの記事も参考にしてください。
最初の打ち合わせに、持っていくと伝わりやすいもの
- 家族で書いた要望のメモ:シートとは別に、自分たちの言葉でまとめたもの
- 好きな写真:スマホのアルバムにまとめておくだけでも十分です
- いまの家の間取り:賃貸の募集図面などがあれば、「ここが不便」を説明しやすくなります
- 持っていく家具や家電の大きさ:大きなソファやピアノ、冷蔵庫など
- 土地の資料:土地がある場合は、場所や広さ、形が分かるもの
「自分たちはどんな暮らしをしたいのか」をうまく言葉にできないときは、ハウスメーカー相性診断の暮らしの質問に答えてみるのもひとつの方法です。答えをもとに「あなたはこういう人」と「合いそうな間取り」のまとめが出て、「ヒアリング結果をコピー」のボタンでそのまま書き写せます。メモアプリなどに貼っておき、最初の打ち合わせで見せたり、ヒアリングシートを書くときの下書きにしたりできます。
打ち合わせで聞いておきたいことは、打ち合わせの質問リストの記事にまとめています。
伝えたことが、提案にどう表れたかを見る
要望を伝えたら、それで終わりではありません。最初の提案が届いたら、伝えたことがどう表れているかを見てみてください。
- 「絶対にほしい」と書いたことは、入っている?
- 場面で伝えたことが、暮らしやすい形で入っている?
- 入っていないことには、理由や代わりの案がある?
伝わっていないと感じたら、伝え方を変えてもう一度伝えれば大丈夫です。提案の見方は、提案力のある会社の見分け方の記事でくわしくふれています。
ヒアリングシートを書く前のチェックリスト
- 家族それぞれが、自分の要望を書き出した?
- 要望を「部屋」ではなく「場面」で書いた?
- それぞれの要望に「なぜ」を添えた?
- 「絶対」「できれば」「なくてもいい」に分けた?
- 予算は、何を含めた金額かまで書いた?
- 好きな写真・苦手なものを用意した?
- いまの家の困りごとと、気に入っていることを書いた?
- 何社かに話を聞くなら、同じ内容を伝える準備をした?
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Q. ヒアリングシートは、全部埋めないといけませんか?
全部埋めなくても大丈夫です。決まっていないことは「未定」「迷っている」と書いておけば、担当の人も一緒に考えやすくなります。無理に埋めるより、大事なことをはっきり書くほうが伝わります。
Q. 予算は正直に書いたほうがいいですか?
おおよそでいいので、正直に伝えるほうが、予算に合った提案をもらいやすくなります。建物だけなのか、土地や外構、諸費用も含めた総額なのかを分けて書いておくと、行き違いが起きにくくなります。
Q. 何社かに同じ要望を伝えてもいいですか?
大丈夫です。むしろ、同じ内容を伝えたほうが提案を比べやすくなります。家族で一度まとめた要望を、どの会社にも同じように渡すのがおすすめです。
まとめ
- ヒアリングシートは提案の材料。家族の暮らしが目に浮かぶように書く
- 要望は「部屋」より「場面」で、「なぜ」を添えて、優先順位をつけて
- 予算は何を含めた金額かまで、好みは写真で伝える
- 家族の意見が違うところは、違うまま伝えてもいい
- 提案が届いたら、伝えたことがどう表れたかを見る。伝わっていなければ伝え方を変えて
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