家づくりの進め方
間取りの決め方。要望の整理から決定まで、5つの手順でやること
2026年10月7日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
注文住宅の間取りは、決めることが多すぎて「どこから手をつければいいの?」となりがちです。部屋の数、広さ、収納、窓、コンセント……。順番を知らないまま進むと、細かいところを決めたあとで大きなところを直すことになり、何度もやり直しになってしまいます。
この記事では、間取りを決めるまでの流れを「要望の整理 → 提案 → 確かめる → 修正 → 決定」の5つの手順に分けて、それぞれでやることをまとめます。まだ会社を探している人も、提案を比べている人も、契約してくわしい打ち合わせをしている人も、いま自分がどの手順にいるかを確かめながら読んでみてください。
まずは全体の流れをつかむ
間取りの決め方は会社によって少しずつ違いますが、大きく見ると、だいたい次の流れになります。
| 手順 | やること | 決める細かさ |
|---|---|---|
| 1. 要望の整理 | 家族の暮らしと、外せない希望を書き出す | ざっくり |
| 2. 提案をもらう | 要望を伝えて、間取りの案を出してもらう | ざっくり |
| 3. 確かめる | 図面で暮らしをたどり、得意・苦手を見る | 大きなところ |
| 4. 修正する | 気になる点を伝えて、直してもらう | 大きい → 細かい |
| 5. 決定する | 最終の図面を確かめて、間取りを決める | 細かいところまで |
ポイントは、大きなところから細かいところへ進むことです。部屋の並びや階段・水まわりの位置のような「あとで変えにくいところ」を先に固め、コンセントや棚の高さのような細かいところは後半で決めます。
3と4は、1回で終わることはあまりありません。確かめて、直して、また確かめる。この往復を何回かくり返して、少しずつ形が決まっていきます。
手順1:要望を整理する
いちばん大事なのに、いちばん飛ばされやすいのがこの手順です。いきなり「4LDKで、リビングは20帖で」と部屋の話から始めると、家族の暮らしに合っているかどうかが分からないまま進んでしまいます。
まずは、次の3つを家族で書き出してみてください。
- いまの家で困っていること:朝の洗面所が混む、洗濯物を干す場所が遠い、物があふれている、など
- 新しい家でしたい暮らし:家族で夕ごはんを囲みたい、在宅で集中して働きたい、庭で遊ばせたい、など
- 家族の1日の流れ:誰が何時に起きて、どこで何をしているか。平日と休日の両方
書き出したら、その中から外せない希望を3つほどに絞ります。全部をかなえようとすると、どれも中途半端な間取りになりがちです。「これだけはゆずれない」が決まっていると、提案を見たときに良し悪しを判断しやすくなります。
要望は「部屋」ではなく「場面」で書くのがコツです。「パントリーがほしい」より「まとめ買いした物を、キッチンのすぐ近くにしまいたい」と書くと、担当の人もいろいろな形を考えやすくなります。
手順2:提案をもらう
整理した要望を担当の人に伝えて、間取りの案を出してもらいます。土地の形や向き、予算もあわせて伝えておくと、現実に近い案になりやすいです。
伝えるときは、外せない希望の3つと、その理由をセットにしてください。理由が伝わっていると、こちらが思いつかなかった形で希望をかなえてくれることもあります。打ち合わせで何を聞けばいいか迷ったら、打ち合わせで聞きたい質問の記事も参考にしてみてください。
契約前で、何社かから提案をもらっているなら、同じ要望を伝えておくと、あとで比べやすくなります。比べ方は間取り提案を比べる記事にまとめています。
手順3:図面で確かめる
提案が出てきたら、見た目の印象だけで「いいね」「なんか違う」と決めずに、図面の上で暮らしをたどってみます。
- 朝の流れ:起きてから家を出るまで、家族がどこで重なるか
- 家事の流れ:洗濯・料理・ゴミ出しで、どこを何回通るか
- 帰ってきてから:荷物や上着をどこに置き、どこで手を洗うか
- 夜の流れ:テレビの音や明かりが、寝ている家族にどう届くか
たどりながら、その間取りの得意なことと、ちょっと苦手なことをメモしていきます。どの間取りにも苦手なことはあるので、苦手が見つかること自体は悪いことではありません。大事なのは、その苦手が、手順1で決めた「外せない希望」とぶつかっていないかです。
記号や広さの読み方に自信がないときは、間取り図の見方の記事から読むと、たどりやすくなります。自分たちだけで見るのが不安なら、間取り診断のように外の目を借りて、得意・苦手を確かめる方法もあります。
手順4:修正をお願いする
確かめて気になったところを、担当の人に伝えて直してもらいます。ここで意識したいのは、次の2つです。
大きなところから先に直す
部屋の並び、階段の位置、水まわりの位置といった大きなところが動くと、細かいところは全部やり直しになります。コンセントや収納の中の棚は、大きなところが固まってからで十分です。
「直してほしい形」より「困る場面」を伝える
「洗面所を広くしてください」より、「朝、2人が同時に使うとぶつかりそうです」と伝えるほうが、担当の人は別の解決のしかたも考えられます。広くするより、洗面台と脱衣所を分けるほうがいい、という答えが出てくるかもしれません。
修正を何度くり返してもしっくりこない、家族の意見がまとまらない、というときは、進め方を少し変えてみるのも手です。考え方は間取りが決まらないときの記事にまとめています。
手順5:間取りを決定する
修正を重ねて形が見えてきたら、最終の図面で決定します。決める前に、もう一度だけ手順3と同じように家族の1日を通してたどってみてください。何度も直しているうちに、最初に大事にしていたことが抜け落ちていることがあります。
あわせて、お願いした変更がきちんと図面に入っているかも確かめます。口で伝えただけのことは、図面に残っていないこともあります。
契約後の打ち合わせの場合は、間取りをいつまで変えられるか、変えたときに費用がかかるかを確かめておくことも大切です。期限や費用は会社や契約によって違います。着工前に見ておきたいことは着工前に間取りで確かめることの記事にまとめています。
手順を飛ばすと、つまずきやすい
間取りで迷う人の多くは、どこかの手順を飛ばしたり、順番が入れかわったりしています。
- 要望の整理を飛ばす:提案を見ても、良いのか悪いのか判断できない
- 確かめるを飛ばす:見た目の印象で決めて、住んでから不便に気づく
- 細かいところから決める:大きなところを直すたびに、決めたことがやり直しになる
「なんだか決まらない」と感じたら、いまどの手順にいるのか、前の手順でやり残したことはないかを振り返ってみてください。たいていは、手順1の「外せない希望」があいまいなままになっています。
図面で確かめたいチェックリスト
- いまの家で困っていることと、新しい家でしたい暮らしを書き出した?
- 外せない希望を3つほどに絞って、家族でそろえた?
- 要望を「部屋」ではなく「場面」と理由で伝えた?
- 図面の上で、朝・家事・帰宅・夜の流れをたどってみた?
- その間取りの得意なことと苦手なことを、言葉にできる?
- 大きなところ(部屋の並び・階段・水まわり)を、細かいところより先に固めた?
- お願いした変更が、最終の図面に入っているか確かめた?
- 契約後なら、間取りをいつまで変えられるか担当の人に確かめた?
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よくある質問
Q. 間取りは、何から決めればいいですか?
部屋の数や広さより先に、「家族がいまの家で困っていること」と「新しい家でしたい暮らし」を書き出すのがおすすめです。そこから、外せない希望を3つほどに絞っておくと、提案をもらったときに良し悪しを判断しやすくなります。
Q. 間取りが決まるまで、どのくらいかかりますか?
会社や家族の状況によってかなり違います。何回かの打ち合わせで決まる家もあれば、何か月もかけて決める家もあります。契約後の場合は、着工の前に間取りを決める期限があることが多いので、早めに担当の人に確かめておくと安心です。
Q. 家族で意見が分かれて、なかなか決められません。
どちらの案がいいかを先に決めるより、「なぜそうしたいのか」の理由を出し合ってみてください。理由が分かると、両方をかなえる別の形が見つかることもあります。くわしくは間取りが決まらないときの記事にまとめています。
まとめ
- 間取りは「要望の整理 → 提案 → 確かめる → 修正 → 決定」の順で進める
- 最初に、家族の暮らしと外せない希望を3つほどに絞っておく
- 大きなところから細かいところへ。あとで変えにくい場所を先に固める
- 決まらないときは、前の手順でやり残したことがないかを振り返る
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