会社選び
間取り提案の比較、どうすればいい? 何社かのプランを同じ物差しで見くらべるコツ
2026年10月5日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
何社かのハウスメーカーや工務店から間取りの提案をもらうと、うれしい反面、だんだん分からなくなってきませんか。
図面の描き方も、家の広さも、部屋の名前のつけ方も会社ごとにバラバラ。なんとなく「こっちが好き」はあっても、どこがどう違うのかを言葉にするのはむずかしいものです。提案をテーブルに並べて広げたまま、しばらく手が止まってしまうこともあります。
この記事では、契約前に何社かの間取り提案を比べるときに、同じ物差しで見くらべるコツをまとめます。
間取り提案が比べにくい3つの理由
比べにくいのは、見る側の力不足ではありません。そもそも、比べにくい理由があります。
- 前提がそろっていない:伝えた要望が会社ごとに少しずつ違っていたり、家の広さや予算の前提が違ったりする
- 図面の描き方が違う:縮尺、家具の描きこみ、部屋の名前、収納の描き方が会社ごとに違う
- 見た目の印象に引っぱられる:パースや色つきの図面、広く見える描き方に気持ちが動きやすい
比べる前に「前提をそろえる」、比べるときは「同じ物差しを使う」。この2つを意識するだけで、ずいぶん見くらべやすくなります。
比べる前に、そろえておきたいこと
提案をお願いする段階で、次のことをそろえておくと、あとで比べやすくなります。
- 要望を1枚の紙にまとめて、同じものを渡す:家族の人数・年齢、暮らし方、ほしい部屋、ゆずれないこと
- 家の広さの目安を伝える:広さがバラバラだと、間取りのよさなのか、広さのおかげなのか分からなくなる
- 敷地の情報を同じにする:土地が決まっているなら、同じ資料を渡す
- 「なぜそうしたか」を聞くつもりでいる:提案の理由は、あとで比べるときの大事な材料になる
すでに提案をもらっていて前提がそろっていない場合は、比べるときに「この案は少し広い」「この案は和室の要望が入っていない」とメモしておくだけでも十分です。打ち合わせで伝えることの整理は、打ち合わせで聞く質問の記事も参考にしてみてください。
同じ物差しで見くらべる
比べるときは、気になる点を思いつくままに見るより、決まった物差しで1つずつ見ていくほうが、あとで家族と話しやすくなります。たとえば、こんな6つの物差しです。
| 物差し | 図面で見ること |
|---|---|
| 家事ラク | 料理・洗濯・片づけで歩く距離。階段を何回通るか |
| 片づけ | 使う場所の近くに収納があるか。収納の量 |
| 家族時間 | 家族が集まる場所の広さ・居心地。顔を合わせやすいか |
| ひとり時間 | こもれる場所、音が気にならない場所があるか |
| 光と風 | 明るさ、風の通り、外からの視線 |
| 10年後 | 子どもの成長や、年を重ねたときに使い方を変えられるか |
物差しは、この6つでなくてもかまいません。「在宅ワークの場所」「将来の親との同居」など、わが家ならではの大事なことがあれば、1つ足してみてください。大切なのは、どの提案も同じ物差しで見ることです。
それぞれの提案に、物差しごとに「◎・○・△」をつけてみてください。全部◎の提案はなかなかありません。どの物差しを大事にするかが家族で見えてくると、選ぶ理由もはっきりしてきます。
図面を並べて比べる手順
実際に図面を並べるときは、次の順番で進めると迷いにくくなります。
- 縮尺をそろえて印刷する:同じ大きさで並べると、広さの違いが目で分かる
- 家族の1日を指でたどる:朝の支度・料理・洗濯・帰宅を、それぞれの図面で同じようにたどる
- 家具を描きこむ:ソファ・テレビ・ダイニングテーブル・ベッドを、今使っているものの大きさで描いてみる
- 気になった点をふせんで貼る:よい点は青、気になる点は赤など、色を分けておく
- 家族それぞれの「いちばん」を聞く:同じ図面でも、見る人によって気になる場所は違う
手順2の「1日をたどる」は、とくにおすすめです。図面の見た目ではなく、暮らしたときの動きで比べられるので、印象に引っぱられにくくなります。
広く見える図面に気をつける
同じ広さでも、家具が描かれていない図面や、部屋の名前が大きく書かれた図面は、広く感じやすいものです。逆に、家具がたくさん描きこまれている図面は、狭く見えることもあります。手順3で、どの図面にも同じ大きさの家具を描きこむと、見え方の差がそろってきます。
また、「LDK○畳」のような数字は、キッチンや通路を含むかどうかで実際の使える広さが変わります。数字だけで比べず、ソファとダイニングテーブルを置いたあとに、どれくらい余白が残るかで見てみてください。
家族で意見が分かれたら
「わたしはA案、あなたはB案」と分かれたら、どちらが好きかより、その案を選んだ理由を出し合ってみてください。家族の意見のまとめ方は、間取りが決まらないときの記事にくわしく書いています。
比べる社数は、どこで区切る?
提案を比べていると、「もう1社見たら、もっといい案があるかも」と思いはじめることがあります。でも、提案が増えるほど、1つひとつを同じ物差しで見る手間も増え、打ち合わせの時間も家族の気力も消えていきます。
決まった数はありませんが、次のどれかに当てはまったら、新しい会社を足すより、いま手もとにある提案を深めるほうが近道になることが多いと思います。
- どの提案にも、大事な物差しで「◎」がつく場所がある
- 気になる点を伝えたら、直してくれそうな会社がある
- 新しく見る提案の、どこを比べたいのかを言葉にできない
反対に、どの提案も大事な物差しで「△」ばかり、という場合は、要望の伝え方を見直すか、ほかの会社の提案ももらってみる、という判断もあると思います。社数そのものより、比べたいことがはっきりしているかを区切りの目安にしてみてください。
図面の外でも、比べておきたいこと
間取りの提案は、図面だけでなく「どう考えてこの間取りにしたか」も一緒に届きます。そこも比べる材料になります。
- 伝えた要望のうち、どれが入っていて、どれが入っていないか。入っていないものには理由があるか
- こちらが気づいていなかった提案(「こうするともっと楽です」)があるか
- 気になる点を伝えたとき、どう直してくれたか
要望をいちばん多く入れてくれた案より、入れなかった要望について「こういう理由で、こちらをおすすめします」と説明してくれた案のほうが、あとで納得して話を進めやすいこともあります。要望が全部入っているかどうかだけでなく、理由の説明にも目を向けてみてください。
見積もりの金額も大事な材料ですが、含まれているものは会社によって違うことが多いです。間取りと金額は分けて比べ、何が含まれているかは書面で確かめて担当の人に聞くのが安心です。
比べたあとの進め方
比べてみると、「A社の洗面所と、B社のリビングがいい」のように、いいとこ取りをしたくなることがあります。
- 気に入った点は、ほかの会社の図面を渡すのではなく、言葉で伝える(「洗面所と脱衣所が分かれているのがいいと思いました」)
- 直してもらった案を、もう一度同じ物差しで比べる
- 直しても大事な物差しで納得できないときは、ほかの会社の提案と比べ続けるのも、ふつうのこと
会社を決めたら、選ばなかった会社には、提案へのお礼を伝えて丁寧にお断りしましょう。時間をかけて考えてもらった提案なので、感謝をひと言そえると、気持ちよく区切りをつけられます。まだ会社選びそのものに迷っているなら、ハウスメーカーが決められないときの記事もどうぞ。
図面で確かめたいチェックリスト
- 提案ごとに、家の広さ・前提の違いをメモした?
- 縮尺をそろえて、並べて見た?
- 朝の支度・料理・洗濯・帰宅を、すべての図面でたどった?
- 今の家具を描きこんで、置けるか確かめた?
- 6つの物差しで、◎・○・△をつけた?
- 伝えた要望のうち、入っていないものと、その理由を確かめた?
- 家族それぞれの「いちばん気になる場所」を聞いた?
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よくある質問
Q. 間取りの提案は、何社くらい比べるのがいい?
決まった数はありません。1社だけだと比べる相手がなく、多すぎると打ち合わせの負担が大きくなって決めにくくなります。2〜3社ほどで比べる人が多いようですが、家族が無理なく打ち合わせに通える数を目安にするのがおすすめです。
Q. ほかの会社の図面を、担当の人に見せてもいい?
図面には、その会社が考えた工夫がつまっているので、そのまま渡すのは控えたほうが気持ちよく進みやすいです。「ほかの提案では、洗面所と脱衣所が分かれていて良かった」のように、気に入った点を言葉で伝えるのがおすすめです。
Q. 提案の比較で、価格も一緒に比べたほうがいい?
比べたほうがいいですが、見積もりに含まれているものは会社によって違うことが多いです。間取りと金額を別々に比べたうえで、何が含まれているかを書面で確かめて、担当の人に聞いてみてください。
まとめ
- 間取り提案が比べにくいのは、前提・描き方・見た目の印象がそろっていないから
- 比べる前に、要望と広さの前提をそろえる
- 家事ラク・片づけ・家族時間・ひとり時間・光と風・10年後の、同じ物差しで見くらべる
- 縮尺をそろえて並べ、家族の1日を指でたどる
- いいとこ取りは言葉で伝え、選ばなかった会社には丁寧にお礼を
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図面は診断のためだけに使い、保存しません。結果を見て、もっと聞いてみたくなったら、くわしい人に見てもらうこともできます。
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