間取りのこと
間取り図の見方。はじめてでも「ここで暮らす自分」が想像できる5つの読み方
2026年10月5日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
はじめて間取り図を渡されたとき、「部屋の名前と数は分かるけど、ここで暮らすイメージがわかない」と感じる人は多いと思います。
最初はLDKの広さと部屋数ばかりに目が行って、ドアの開く向きや窓の位置までは見落としがちです。でも、住んでから気づくのは、むしろそういう細かいところです。
この記事では、間取り図を「暮らしの地図」として読むための見方を、5つのステップに分けてまとめます。むずかしい知識はいりません。図面とペンを用意して、順番に見ていきましょう。
ステップ1:まず方位マークを見る
図面のすみにある、矢印や「N」の印が方位マークです。Nの向きが北。図面は「上が北」とは限らず、土地の形に合わせて斜めや横向きに描かれていることもよくあります。
方位マークと一緒に、道路がどちら側にあるか、となりの家がどのくらい近いかも見ておきましょう。どの方角の部屋に、いつ光が入るかの考え方は、方角と間取りの記事にまとめています。
ステップ2:広さは「帖」と寸法の両方で見る
部屋の中に書いてある「8帖」「LDK 18帖」などは、畳の枚数で表した広さです。ただ、同じ「6帖」でも、正方形に近い部屋と細長い部屋では、家具の置きやすさがまったく変わります。
- 形を見る:細長い部屋は、家具を置くと通路が残りにくいことがある
- 壁の長さを見る:ドアや窓が多いと、家具を置ける壁が少なくなる
- 寸法線を見る:図面の外側にある数字は、壁や柱の中心から中心までの長さで、mmで書かれていることが多い
LDKの「帖数」は、キッチンや通路も含めた広さです。数字だけで「広い」と思っていたら、ソファを置いたら思ったより狭かった、ということもあります。帖数は「だいたいの目安」くらいに考えて、次のステップで家具を置いてみるのがおすすめです。
1帖の広さは、会社や地域によって少しずつ違うことがあります。ぴったりの広さが気になるときは、面積(㎡)の表示や寸法を確かめましょう。
広さの感覚は、いまの家と比べてつかむ
「12帖」と言われても、どのくらいの広さかピンとこないことも多いと思います。そんなときは、いま住んでいる家の部屋と比べるのがいちばん分かりやすいです。
- いまのリビングや寝室は何帖か(賃貸の契約書や募集の図面に書いてあることが多い)
- いまの部屋で「狭い」「ちょうどいい」と感じているのはどこか
- いまの廊下や洗面所の幅を、メジャーで測ってみる
「いまの寝室より2帖広い」「いまの洗面所と同じくらい」と置きかえると、図面の数字が体の感覚に近づきます。住宅展示場やモデルハウスは、家具が少なく天井も高めなことがあるので、広さの基準にするときは少し割り引いて見るのがおすすめです。
ステップ3:ドアの開く向きと、窓の高さを見る
間取り図でいちばん見落としやすいのが、ドアと窓です。でも、住んでからの「ちょっと不便」はここから生まれることが多いです。
ドア
- 扇形の線:開き戸。扇の向きに開くので、開いたときにぶつかる物がないか見る
- 壁に沿った二重線:引き戸。開け閉めのスペースがいらない代わりに、引きこむ側の壁に物を置けない
- 小さな山形の線:折れ戸。クローゼットに多い。開けたときに前に少し出てくる
開き戸どうしがぶつからないか、トイレのドアが廊下を通る人に当たらないか、なども図面で見られます。
窓
窓は壁の上に細い線で描かれていることが多いですが、図面によって描き方が違います。高さや大きさは平面図だけでは分かりにくいので、立面図(家を横から見た図)や、窓の一覧表があればあわせて見ておくと安心です。「この窓の前にベッドやテレビを置けるか」を考えながら見てみてください。
よく出てくる記号と略語
間取り図には、アルファベットの略語がよく出てきます。よく見かけるものをまとめておきます。
| 記号 | 意味 | 見るときのポイント |
|---|---|---|
| LDK | リビング・ダイニング・キッチン | 帖数はキッチンや通路も含む |
| WIC | ウォークインクローゼット | 中を歩く通路のぶん、しまえる量は見た目より少なめ |
| SIC | シューズインクローゼット | 土間のまま入れるか、靴以外も置けるか |
| CL | クローゼット | 扉の種類と奥行き |
| PS | パイプスペース(配管の通り道) | 動かせないので、近くの家具の置き方に影響する |
| UB | ユニットバス(お風呂) | 洗面所とのつながり方 |
※記号の書き方は会社によって違うことがあります。図面に凡例(記号の説明)があれば、そちらを優先してください。
ほかにも、冷蔵庫や洗濯機の置き場所が「冷」「洗」などの文字や四角で描かれていることがあります。分からない記号は、遠慮せず担当の人に聞いて大丈夫です。
ステップ4:家具を置いて、通路が残るか見る
図面の部屋は、何も置いていない状態です。でも実際の暮らしでは、家具を置いた残りの部分が「歩ける場所」になります。
- いま使っている家具や、買う予定の家具の大きさを測る
- 図面と同じ縮尺で紙を切る(手描きでも十分)
- ソファ・テーブル・ベッド・冷蔵庫など、大きい物から置いてみる
- 残った通路を、人がすれ違えるか、椅子を引けるか確かめる
ダイニングテーブルは、椅子を引いて座るスペースまで考えると、思ったより場所をとります。冷蔵庫や食器棚は、扉を開けたときの前のスペースもいります。
コンセントやテレビの配線位置が図面に描いてあれば、家具の置き場所と合っているかも見ておきましょう。
ステップ5:朝と夜の1日を、指でたどる
最後に、図面の上で1日を過ごしてみます。家族それぞれになったつもりで、指で動きをたどってみてください。
- 朝:起きる → トイレ → 洗面 → 着替え → 朝ごはん → 出かける
- 帰宅:玄関で靴を脱ぐ → 荷物を置く → 手を洗う → 着替える
- 夜:ごはん → お風呂 → 洗濯 → 寝る
たどり方の手順
- 図面をコピーして、家族の人数ぶんの色ペンを用意する:元の図面はきれいなまま残しておく
- 1人ずつ、同じ時間帯の動きを線で描く:まず平日の朝7時ごろ、次に夕方6時ごろ、のように時間を決める
- ドアを開ける、明かりをつける、物を取り出す場面で止まる:ドアの開く向き、スイッチの場所、収納の扉がじゃまにならないかを、その場で確かめる
- 荷物や洗濯かごを「持っているつもり」でたどる:両手がふさがったときに、ドアや階段が負担にならないか
- 描き終わったら、線の重なりと往復を見る:色がいくつも重なる場所は混みやすく、同じ線を行ったり来たりしている場所は遠回りになっている
たどってみると、「朝、洗面所に家族が集まって渋滞しそう」「帰ってきてから手を洗うまでに、リビングを通る」など、図面を眺めているだけでは気づかないことが見えてきます。見つけたことは、図面のその場所に書きこんで、打ち合わせに持っていきましょう。
平面図だけでは分からないことも、知っておく
ふだん「間取り図」と呼んでいるのは、家を真上から見た平面図です。とても便利ですが、平面図だけでは分かりにくいこともあります。
- 天井の高さ:同じ帖数でも、天井が高いと広く感じる。勾配天井や下がり天井は平面図に出にくい
- 窓の高さと大きさ:腰の高さの窓か、床までの窓かで、家具の置き方も明るさも変わる
- まわりの建物:となりの家の窓の位置や、高さによる影は、配置図や現地で確かめる
打ち合わせが進むと、立面図・配置図・展開図(部屋の壁を正面から見た図)なども出てくることがあります。平面図で気になったところは、ほかの図面や現地でも確かめると、思っていたのとちがった、を減らせます。
何社かの図面を比べるときは、記号より中身で
会社ごとに図面の描き方や記号はちがうので、帖数や名前より、寸法・形・収納の中身で比べるのがコツです。比べ方の手順は、間取り提案の比べ方の記事にまとめています。
契約後の打ち合わせ中なら、着工前に読み直す
すでに契約して、詳細の打ち合わせをしている人は、図面が少しずつ更新されていきます。そのたびに、前の図面と何が変わったかを確かめておくのがおすすめです。
- 前回の図面と並べて、ドアの向き・窓・収納の中身が変わっていないか
- お願いしたことが、新しい図面に入っているか
- 寸法や記号で分からないところが、そのままになっていないか
工事が始まってからの変更は、むずかしくなったり費用がかかったりしやすいです。どこまで、いつまで変えられるかは会社や契約によって違うので、着工前の、まだ変えられるうちに担当の人に確かめておきましょう。打ち合わせを重ねても間取りがしっくりこないときの考え方は、間取りが決まらないときの記事にまとめています。
図面で確かめたいチェックリスト
- 方位マークはどこ? 図面の上は北とは限らない
- 道路やとなりの家は、どちら側にある?
- 部屋の形は、家具を置きやすい形? 置ける壁は残っている?
- 開き戸どうし、開き戸と家具がぶつからない?
- 引き戸を引きこむ側の壁に、物を置く予定はない?
- WIC・SIC・CLなど、収納の中身と広さは合っている?
- PSなど、動かせない部分の近くに大きな家具を置く予定はない?
- 家具を置いたあと、人がすれ違える通路は残る?
- 朝と夜の動きを指でたどって、渋滞や遠回りはない?
- 分からない記号や線は、メモして担当の人に聞いた?
- ほかの会社の図面と比べるときは、帖数ではなく寸法・形・中身で比べている?
- 打ち合わせ中なら、前回の図面から何が変わったか確かめた? 変更はいつまでできる?
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よくある質問
Q. 「帖」と「畳」は同じ意味ですか?
どちらも広さを畳の枚数で表したもので、間取り図ではほぼ同じ意味で使われます。ただ、1枚あたりの広さは図面を描く会社や地域によって少しずつ違うことがあります。正確な広さが気になるときは、寸法や面積(㎡)の表示を確かめるか、担当の人に聞くのが確実です。
Q. 間取り図に家具が描かれていないときは、どうすればいい?
いま使っている家具や買う予定の家具の大きさを測って、図面と同じ縮尺で紙を切って置いてみる方法があります。手描きでも十分です。ソファ・ダイニングテーブル・ベッド・冷蔵庫・洗濯機など、大きい物から置くと、通路の広さが見えてきます。
Q. 図面の記号の意味が分からないときは?
WIC(ウォークインクローゼット)やPS(パイプスペース)など、よく使われる記号はありますが、会社によって表記がちがうこともあります。分からない記号は遠慮せず担当の人に聞いて大丈夫です。聞いておくと、思っていた使い方とちがった、を防げます。
まとめ
- 間取り図は「部屋の数」より「暮らしの地図」として読む
- 方位 → 広さ → ドアと窓 → 家具 → 動線、の順に見ると迷わない
- 帖数は目安。部屋の形と、家具を置ける壁の長さも見る
- 記号の書き方は会社で違うことがある。分からなければ担当の人に聞く
- 最後に、朝と夜の1日を指でたどって、気づいたことをメモする
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図面は診断のためだけに使い、保存しません。結果を見て、もっと聞いてみたくなったら、くわしい人に見てもらうこともできます。
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