地盤と高低差
盛土の造成地を買う前に。大規模盛土造成地マップの見方と、土地ごとに確かめること
2026年10月26日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
きれいに区画された分譲地。気に入って調べてみたら「造成地」「盛土」という言葉が出てきて、少し心配になった人もいると思います。
山や丘を切り開いた住宅地では、土を盛って平らにした場所があるのはめずらしくありません。大切なのは、その土地が盛土か切土か、どのように造られたかを順番に確かめることです。この記事では、大規模盛土造成地マップの見方と、買う前に確かめたいことをまとめます。
盛土と切土の違い
斜面や谷のある場所を平らな宅地にすることを「造成」と言います。造成には、大きく2つのやり方があります。
| やり方 | どんなもの | 確かめたいこと |
|---|---|---|
| 切土(きりど) | 高いところの土を削って平らにする | まわりの斜面や、削った面の様子 |
| 盛土(もりど) | 低いところに土を盛って平らにする | 盛った土がしっかり締め固められているか。盛った厚さや年数 |
1つの分譲地の中で、ある区画は切土、となりは盛土、ということもあります。さらに1つの区画の中で、切土と盛土がまたがっていることもあります。こうした土地は、地面のかたさが場所で違うことがあるので、地盤調査のときにていねいに見てもらうと安心です。
大規模盛土造成地とは?
盛土の中でも、とくに大きなものは「大規模盛土造成地」と呼ばれます。次のようなもので造った宅地です。
- 谷埋め型:谷を埋めた盛土で、面積が3,000㎡以上のもの
- 腹付け型:斜面に土を盛った盛土で、高さが5m以上などのもの
こうした場所は、国や自治体が「大規模盛土造成地マップ」として公開しています。国のハザードマップポータルサイト(重ねるハザードマップ)や、自治体のホームページで見られます。
大規模盛土造成地マップは、大きな盛土で造られた場所がどこにあるかを知らせる地図です。マップに載っていること=危険、ではありません。「どう造られたか、いまどうなっているかを確かめるきっかけ」として使いましょう。
マップに載っていたら確かめること
気になる土地がマップに載っていた、または近くに盛土の範囲があったときは、次のことを確かめてみましょう。
- 範囲のどこにあるか:盛土の範囲のまんなかか、はしか。地図の縮尺で線がずれて見えることもあるので、詳しい図面を見る
- 自治体の調査の状況:自治体によっては、盛土の安全性を調べる取り組みを進めています。どこまで調べたかは、自治体によって違います
- 造成した時期:いつごろ造られた土地か。古い地図や航空写真で、造成前の地形と比べられることがあります
- 造成のときの図面:盛土の厚さや範囲が分かる図面が残っていないか
自治体の調査の状況や図面のことは、市区町村や都道府県の、宅地や開発を担当する窓口に聞くと教えてもらえることがあります。窓口の名前は自治体によって違うので、まずは代表の窓口に「大規模盛土造成地のことを聞きたい」と伝えると早いです。
現地で見ておきたいこと
地図や図面に加えて、現地の様子も見ておきましょう。専門家でなくても気づけることがあります。
- 擁壁(土を支える壁):ひび割れ・ふくらみ・傾き・水がしみ出ていないか
- 道路や駐車場:大きなひび割れや、波打っているところがないか
- まわりの家の外まわり:塀やブロックの傾き、すき間
- 雨のあとの水の流れ:斜面や擁壁の下に、水がたまったり流れ出たりしていないか
気になるところを見つけたら、写真を撮って、不動産会社や住宅会社に見せて聞いてみましょう。擁壁の見方は擁壁のある土地の記事にくわしくまとめています。
地盤調査と、お金の見通し
盛土の土地かどうかに関わらず、家を建てる前には地盤調査をすることが一般的です。結果によっては地盤改良の工事が必要になります。
盛土の土地では、盛った土の厚さや締め固めの具合によって、地盤改良が必要になるかどうか、どんな工事になるかが変わることがあります。費用は土地や家によって大きく違うので、住宅会社に「この土地で地盤の工事が増える可能性」と、その場合の考え方を聞いておくと、予算を立てやすくなります。地盤調査の流れは地盤調査・地盤改良の記事に、液状化の調べ方は液状化の記事にまとめています。
買う前のチェックリスト
- 大規模盛土造成地マップで、土地の場所を確かめた?
- その土地が盛土か切土か、またがっていないか聞いた?
- 造成した時期と、造成のときの図面があるか確かめた?
- 自治体の窓口で、盛土の調査の状況を聞いた?
- 擁壁や道路に、ひび割れや傾きがないか現地で見た?
- 地盤調査をいつ行うか、住宅会社に確かめた?
- 地盤の工事が増えるかもしれない分を、予算の中で考えた?
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Q. 大規模盛土造成地マップに載っている土地は、買わないほうがいいですか?
マップに載っていることは、危険という意味ではありません。大きな盛土で造られた場所を知らせるための地図です。気になる場合は、自治体の窓口で調査の状況を聞いたり、住宅会社に地盤のことを相談したりしてみてください。
Q. 自分の土地が盛土か切土か、どうやって分かりますか?
造成したときの図面(造成計画図など)で分かることがあります。不動産会社や売主、分譲地なら造成した会社に、図面が残っていないか聞いてみてください。古い地図や航空写真で、造成前の地形を見るのも手がかりになります。
Q. 盛土の土地では、地盤改良が必要になりますか?
必ず必要になるわけではありません。盛土のしかたや年数、建てる家によって変わります。家を建てる前の地盤調査の結果で判断することが一般的なので、住宅会社に調査の進め方と、工事が必要になったときの費用の考え方を聞いておくと安心です。
まとめ
- 造成には切土と盛土がある。1つの区画でまたがっていることもある
- 大規模盛土造成地は、谷を埋めた大きな盛土や、斜面に盛った高い盛土で造った宅地
- 国や自治体がマップを公開している。マップに載っていること=危険、ではない
- 造成の時期・図面・自治体の調査の状況を、窓口や不動産会社に確かめる
- 地盤調査の結果で地盤改良が必要になることもあるので、予算に余裕を持たせる
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