地盤と高低差
擁壁のある土地の注意点。買う前に現地で見るところと、確かめておきたい書類
2026年10月11日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
見に行った土地が道路より高くて、コンクリートや石積みの壁で支えられていた。「この壁、大丈夫なのかな」と気になった人は多いと思います。
その壁は「擁壁(ようへき)」です。擁壁のある土地は、高さ・造られた時期・書類の3つを確かめると、買ったあとに困ることを減らせます。この記事では、擁壁の基本と、買う前に見ておきたいところ、誰に聞けばいいかをまとめます。
擁壁とは?
擁壁は、高さの違う土地の境目で、土がくずれないように支える壁です。道路より高い土地や、ひな壇のように段々になった分譲地でよく見かけます。
擁壁には、いろいろな造り方があります。
- 鉄筋の入ったコンクリートで造ったもの
- 四角い石やコンクリートのブロックを、斜めに積み上げたもの
- 自然の石を積んだもの
- 古い擁壁の上に、ブロックを積み足したもの
見た目が立派でも、中の造りや造られたときの手続きは、外からは分からないことが多いです。見た目だけで判断せず、書類と専門家の目で確かめるのが基本です。
高さ2mを超える擁壁は「確認申請」が必要
擁壁のうち、高さが2mを超えるものは、工作物として確認申請が必要です。確認申請は、造る前に「決まりに合っているか」を役所などに確かめてもらう手続きです。
ここで気にしたいのが、古い擁壁や、確認を受けていない擁壁です。こうした擁壁は、上や下に家を建てるときに、作り直しが必要になることがあります。作り直しになると、工事の費用や期間が大きく変わります。
擁壁のある土地は、土地の値段に、擁壁の工事が増えるかもしれない分を足して考えるのが大切です。作り直しが必要かどうかを、買う前に見てもらいましょう。
がけ条例も関係することがある
高さのある擁壁やがけの近くに家を建てるときは、自治体の決まり(がけ条例)が関係することがあります。がけからどれだけ離して建てるか、どんな基礎にするかなど、内容は自治体によって違います。市区町村の建築の窓口で確かめておくと安心です。
現地で見ておきたいところ
専門家でなくても、現地で気づけることがあります。見に行ったら、次のところを見てみましょう。
| 見るところ | 気にしたい様子 |
|---|---|
| 壁の表面 | 大きなひび割れ、欠け、表面がはがれている |
| 壁の形 | 前にふくらんでいる、傾いている |
| つなぎ目 | すき間が広がっている、ずれている |
| 水抜き穴 | 壁にある小さな穴がない・つまっている。下が常にぬれている |
| 壁の上の部分 | ブロックが積み足されている、上の地面が下がっている |
水抜き穴は、壁の裏にたまった水を外に出すための穴です。水がうまく抜けないと、壁に力がかかりやすくなります。気になるところは写真を撮っておき、住宅会社や建築士に見せて聞いてみましょう。
自分の土地の擁壁か、となりの擁壁か
擁壁は、自分の土地にあるとは限りません。となりの土地の擁壁や、道路との境目の擁壁もあります。誰の持ち物か、境界がどこかによって、直すときに誰が工事をするかの話が変わるので、不動産会社に確かめておきましょう。
確かめておきたい書類と、聞く先
擁壁が確認を受けたものかどうかは、書類で確かめます。
- 擁壁の確認や検査の書類:売主が持っていないか、不動産会社に聞く
- 役所の記録:自治体によっては、過去の確認や検査の記録を調べられることがあります
- 造成のときの図面:分譲地なら、造成した会社や自治体に残っていることがあります
| 聞く先 | 聞くこと |
|---|---|
| 不動産会社・売主 | 擁壁の書類があるか。いつごろ造られたか。持ち主と境界 |
| 市区町村の建築の窓口 | 確認や検査の記録。がけ条例の内容 |
| 住宅会社・建築士 | そのまま使えそうか。作り直しが必要か。建てる家への影響と費用の見通し |
土砂災害の区域にもかかっている土地は土砂災害警戒区域の記事も、盛土の分譲地なら盛土・造成地の記事もあわせて読んでみてください。気になる土地の資料を見ながら、確かめることを整理したいときは、土地のセカンドオピニオン(無料)も使えます。
建てるときに変わりやすいこと
擁壁のある土地では、家の建て方にも影響が出ることがあります。
- 家を置く位置:擁壁から離して建てる必要があり、使える広さが小さくなることがある
- 基礎:擁壁に力をかけないよう、基礎を深くするなどの工夫が必要になることがある
- 工事のしかた:重機が入りにくく、工事に手間がかかることがある
こうした点で、間取りや費用が変わることもあります。道路との高低差そのものによる費用の考え方は、高低差のある土地の記事にまとめています。
買う前のチェックリスト
- 擁壁の高さが2mを超えるか、確かめた?
- 擁壁の確認や検査の書類があるか、不動産会社に聞いた?
- ひび割れ・ふくらみ・傾き・水抜き穴の様子を現地で見た?
- 古い擁壁の上に、ブロックが積み足されていないか見た?
- 擁壁の持ち主と、境界の位置を確かめた?
- がけ条例の内容を、自治体の窓口で確かめた?
- 作り直しが必要かどうか、住宅会社や建築士に見てもらった?
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Q. 擁壁が古いと、必ず作り直しになりますか?
必ずではありません。造られたときの書類が残っているか、いまの状態がどうか、その上や下にどんな家を建てるかなどで変わります。買う前に、住宅会社や建築士に擁壁を見てもらい、作り直しが必要になりそうかを聞いておくと安心です。
Q. となりの土地の擁壁が、自分の土地の近くにある場合は?
となりの擁壁でも、高さや状態によっては、家を建てる位置や建て方に関係することがあります。擁壁が誰の持ち物か、境界はどこかを不動産会社に確かめたうえで、住宅会社に見てもらってください。
Q. 擁壁の作り直しの費用は、どれくらいかかりますか?
擁壁の高さや長さ、工事の重機が入れるか、まわりの状況などで大きく変わるので、一概には言えません。必要になりそうなときは、買う前に住宅会社や外構・土木の工事会社に見積もりを頼むのがおすすめです。
まとめ
- 擁壁は、高さの違う土地の境目で土を支える壁。見た目だけでは判断しない
- 高さが2mを超える擁壁は、工作物として確認申請が必要
- 古い擁壁や、確認を受けていない擁壁は、作り直しが必要になることがある
- がけ条例の内容は自治体によって違うので、窓口で確かめる
- 書類・現地の様子・専門家の目で確かめ、工事が増える分も予算に入れて考える
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