予算を決める
土地と建物の予算配分は何対何? ― 「正しい割合」がない理由と、わが家の配分の決め方
2026年10月19日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
家づくりの予算は決めたけれど、土地と建物にどう分ければいいのか分からない。「土地は3割くらい」「半々くらい」など、いろいろな話を聞いて迷っている人も多いと思います。
結論から言うと、土地と建物の予算配分に、決まった「正しい割合」はありません。割合は、建てたい地域の土地の値段で大きく変わるからです。この記事では、仮の数字で割合がどう変わるかを見たうえで、わが家の配分を決める考え方をまとめます。
割合は、地域の土地の値段で大きく変わる
同じ家族が、同じ予算で、同じ広さの土地を買う場合でも、地域が変わると土地と建物の割合はまったくちがってきます。仮の数字で比べてみましょう。
条件は、4人家族・2階建て・車1台・ちょっとした庭で、必要な土地は約44坪(約145㎡)。家づくり全体の予算を4,500万円とします(どれも仮の数字です)。
| 坪単価(仮) | 土地44坪の値段 | 仲介手数料の上限 | 全体に占める土地の割合 | 建物・外構・そのほかに回せる額 |
|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 約880万円 | 約36万円 | 約20% | 約3,584万円 |
| 40万円 | 約1,760万円 | 約65万円 | 約41% | 約2,675万円 |
| 60万円 | 約2,640万円 | 約94万円 | 約61% | 約1,766万円 |
※ 仲介手数料の上限は「売買価格の3%+6万円」に消費税10%を足した速算式で計算しています。土地の割合は、土地の値段と仲介手数料を足して全体の予算で割ったものです。
同じ4,500万円でも、土地の割合は約2割から約6割まで変わります。坪単価60万円のエリアで「土地は3割」に合わせようとすると、土地に使えるのは約1,350万円で、44坪にはとどきません。
割合は「目標」ではなく、地域と、建てたい家から決まる「結果」と考えると分かりやすくなります。
よく聞く「何対何」が当てはまらない理由
「土地と建物は何対何がよい」という話は、ある地域や、ある条件での平均のような数字であることが多いです。そのまま自分の家に当てはめると、ずれが出やすくなります。
- 土地の値段は地域で何倍もちがう:同じ広さでも、駅に近い地域と郊外では値段が大きくちがう
- 必要な広さが家庭でちがう:平屋か2階建てか、車の台数、庭の有無で、土地の広さが変わる
- 建物への希望が家庭でちがう:家の広さ、性能、設備、デザインで、建物の費用は大きく変わる
- 「全体の予算」の中身がちがう:外構や諸費用を入れているかどうかで、割合の見え方が変わる
例えば、ある家庭では土地が3割でちょうどよくても、別の地域で同じ割合にすると、必要な広さの土地が買えないことがあります。逆に、土地が手ごろな地域では、土地が2割以下になっても、まったくおかしくありません。
配分を決める2つの順番
割合ではなく、「何を先に決めるか」で考えると、配分を決めやすくなります。大きく分けて、2つの順番があります。
① 建物を先に決めて、残りを土地にする
建てたい家のイメージ(広さ・性能・間取り)がはっきりしている家庭に向いている順番です。
- 全体の予算を決める(無理なく返せる借入額+自己資金)
- 住宅会社に、建てたい家のおおよその総額を聞く
- 外構や、そのほかの費用の目安も引く
- 残った額が、土地(とその諸費用)に使える上限になる
この順番だと、建物の希望を守りやすいのがよいところです。そのかわり、土地の予算が足りず、探す地域を広げる必要が出ることもあります。くわしい手順は、土地の予算の決め方の記事にまとめています。
② 地域を先に決めて、残りを建物にする
通勤・通学や、親の家の近くなど、住みたい地域がはっきりしている家庭に向いている順番です。
- 全体の予算を決める
- 住みたい地域で、必要な広さの土地がいくらくらいかを調べる
- 土地の値段と、土地の諸費用を引く
- 残った額で、建物・外構・そのほかの費用をまかなう
この順番だと、住む場所の希望を守りやすくなります。そのかわり、建物の広さや仕様を調整することになる場合があります。
配分の前に、「全体の予算」を正しくつかむ
どちらの順番でも、出発点は「全体の予算」です。ここがあいまいだと、配分を考えても意味がなくなってしまいます。
全体の予算は、銀行が貸してくれる額ではなく、無理なく返せる借入額+自己資金で考えるのがおすすめです。借りられる額いっぱいで考えると、毎月の返済が家計を圧迫することがあります。無理なく返せる額の考え方は、住宅ローンはいくらまで?の記事や、「住宅ローン、いくらまで?」のページで確かめられます。
そして、全体の予算には、土地と建物の本体だけでなく、次のようなお金も入ります。
- 土地の諸費用(仲介手数料・登記の費用・税金など。土地の値段の数%〜1割くらいを見ておくことが多い)
- 外構(門・塀・駐車場の床・庭など、家の外まわりの工事)
- 建物にかかわる諸費用(登記・ローンの手数料・保険など)
- 引っ越し・家具・家電など
これらを入れずに「土地と建物で何対何」と考えると、あとで足りなくなりやすいので気をつけましょう。総額のつかみ方は、土地+建物の総額の目安のつかみ方の記事で説明しています。
配分がうまくいかないときの調整のしかた
計算してみると、「この地域では、建物に回せるお金が足りない」となることもあります。そんなときは、次のような調整のしかたがあります。
| 調整するところ | 例 |
|---|---|
| 土地の広さ | 車の台数や庭を見直して、必要な坪数を小さくする |
| 土地の場所 | となりの駅や、駅から少し離れた地域まで探す範囲を広げる |
| 建物 | 家の広さを少しコンパクトにする、こだわるところとおさえるところを分ける |
| 全体の予算 | 自己資金を見直す。ただし、無理な借入はしない |
どこを調整するかに正解はありません。土地と建物のどちらを大事にしたいか、家族で話して決めることが、いちばんの近道です。
土地相場チェックでは、気になる駅のまわりで必要な広さの土地がいくらくらいかを出し、全体の予算を入れると、土地と仲介手数料の上限を引いた「建物・外構・そのほかに回せる額」の目安を見られます。地域を変えて比べると、配分のちがいが分かりやすくなります。
土地を探す前に確かめたいこと
- 全体の予算を、無理なく返せる額+自己資金で決めた?
- 全体の予算に、諸費用・外構・引っ越しなども入れた?
- 建物と地域、どちらを先に決めるか家族で話した?
- 住宅会社に、建てたい家のおおよその総額を聞いた?
- 住みたい地域で、必要な広さの土地がいくらくらいか調べた?
- 予算が合わないとき、どこを調整するか話した?
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Q. 土地と建物は「3対7」や「5対5」がよいと聞きました。本当ですか?
そういう言い方を目にすることはありますが、決まった正しい割合はありません。同じ家を建てても、土地の値段が高い地域では土地の割合が大きくなり、手ごろな地域では小さくなります。割合は、地域と希望の家から結果として決まるものと考えると分かりやすいです。
Q. 土地と建物、どちらにお金をかけたほうがいいですか?
家族が何を大事にしたいかによります。通勤や通学の便利さ、まわりの環境を大事にするなら土地に、家の広さや性能、間取りを大事にするなら建物に、と考える家庭が多いです。どちらを優先するかは、家族で話して決めてください。
Q. 予算の配分は、いつ決めればいいですか?
土地を探し始める前に、だいたいの配分を決めておくと探しやすくなります。土地を先に決めてしまうと、建物に回せるお金が思ったより少なくなることもあるためです。住宅会社に建物のおおよその総額を聞いてから、土地の予算を決める方法もあります。
まとめ
- 土地と建物の予算配分に、決まった「正しい割合」はない
- 同じ家・同じ予算でも、地域の土地の値段で土地の割合は2割〜6割くらいまで変わる
- 「建物を先に決める」か「地域を先に決める」か、順番で考えると決めやすい
- 出発点は、無理なく返せる借入額+自己資金の全体の予算。諸費用や外構も入れる
- 合わないときは、広さ・場所・建物・予算のどこを調整するか、家族で決める
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