予算を決める
土地の予算の決め方 ― 家づくりの総予算から逆算して、「土地に使える上限」を出す
2026年10月19日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
土地探しを始めたいけれど、土地にいくらまで使っていいのか決められない。物件を見るたびに「これは予算内なのかな」と迷ってしまう。そんな人に向けた記事です。
土地の予算は、家づくりの総予算から、建物・外構・諸費用を先に引いて、残りを土地にあてると決めやすくなります。この記事では、その手順を4つのステップに分けて、仮の数字で計算しながら説明します。
土地の予算は「逆算」で決める
土地の予算を、土地の広告を見ながら決めると、つい「もう少し出せば、もっといい土地が買える」と上がっていきがちです。そうすると、あとで建物に回せるお金が足りなくなることがあります。
そこでおすすめなのが、全体から逆算する方法です。
土地の予算の上限 = 総予算 − 建物 − 外構 − そのほかの費用 − 土地の諸費用
土地は、家づくりの中で値段の幅がいちばん大きいものです。だからこそ、ほかのものを先に決めて、土地の予算に「ふた」をしておくと、物件を見るときに迷いにくくなります。
なお、土地と建物の割合(何対何)の考え方は、土地と建物の予算配分の記事にまとめています。この記事では、具体的に「土地にいくら使えるか」を出す手順を説明します。
ステップ1:総予算を決める
最初に、家づくり全体に使えるお金(総予算)を決めます。総予算は、次の2つを足したものです。
- 無理なく返せる借入額:銀行が貸してくれる最大の額ではなく、毎月の家計で無理なく返していける額
- 自己資金:貯金のうち、家づくりに使える額(もしものときの生活費は残しておく)
借りられる額と、無理なく返せる額はちがうことがあります。借りられる額いっぱいで総予算を決めると、そのぶん土地の予算もふくらんでしまいます。無理なく返せる額は、住宅ローンはいくらまで?の記事や、「住宅ローン、いくらまで?」のページで目安を確かめられます。
ここでは仮に、総予算を4,500万円として進めます。
ステップ2:建物・外構・そのほかの費用を引く
次に、土地以外にかかるお金を引きます。
建物の費用
建物の費用は、家の広さ・性能・設備・住宅会社によって大きく変わります。インターネットの平均の数字よりも、住宅会社に「この広さで、こういう家を建てたら、全部でいくらくらいか」を聞くのがいちばん確かです。本体の工事だけでなく、地盤の工事や水道の引き込みなど、別にかかりやすい工事が入っているかも確かめておきましょう。
外構の費用
外構は、門・塀・駐車場の床・庭など、家の外まわりの工事です。見落としやすいので、建物とは別に見ておきます。
そのほかの費用
建物の登記、住宅ローンの手数料、火災保険、引っ越し、家具・家電なども、総予算の中から出すことになります。
ここでは仮に、建物を2,800万円、外構とそのほかの費用を合わせて400万円とします。
| 項目 | 金額(すべて仮の数字) |
|---|---|
| 総予算 | 4,500万円 |
| 建物 | − 2,800万円 |
| 外構・そのほかの費用 | − 400万円 |
| 土地と、土地の諸費用に使える額 | 1,300万円 |
ステップ3:土地の諸費用を引いて、上限を出す
土地を買うときには、土地の値段のほかにもお金がかかります。
- 仲介手数料(上限は、売買価格の3%+6万円に消費税。速算式)
- 登記の費用(登録免許税・司法書士への報酬)
- 不動産取得税
- 固定資産税の日割りの精算
- ローンを使うなら、その手数料など
これらを合わせて、土地の値段の数%〜1割くらいを見ておくことが多いです。ここでは余裕を持って1割で考えます。
土地の値段 ×(1 + 0.1)= 1,300万円 なので、土地の値段は 1,300 ÷ 1.1 = 約1,180万円。これが土地の予算の上限の目安です。
ちなみに、1,180万円の土地の仲介手数料の上限は、1,180万円 × 3% + 6万円 = 41.4万円に、消費税10%を足して約46万円です。残りが登記や税金などにあたります。くわしい額は、不動産会社に見積もりを出してもらうと確実です。
ステップ4:坪単価の上限に直して、地域を比べる
土地の予算の上限が出たら、それを「1坪あたりいくらまでか」に直してみます。必要な土地の広さで割るだけです。
例えば、4人家族・2階建て・車1台・ちょっとした庭なら、必要な土地は約44坪が目安です(家の1階の広さ・駐車場・庭・家のまわりのすき間を足して出した広さです)。
1,180万円 ÷ 44坪 = 約27万円。つまり、坪単価が約27万円までの地域なら、44坪の土地が予算内で探せる計算です。
| 地域の坪単価(仮) | 1,180万円で買える広さ | 44坪に対して |
|---|---|---|
| 20万円 | 約59坪 | 広さに余裕がある |
| 27万円 | 約44坪 | ちょうど |
| 35万円 | 約34坪 | 約10坪足りない |
坪単価の上限が分かると、「この地域なら必要な広さが買える」「この地域だと広さを見直す必要がある」と、地域どうしを同じ物差しで比べられます。㎡単価で書かれている資料なら、㎡単価 × 3.3 = 坪単価で直して比べてください。
土地相場チェックでは、必要な広さを出したうえで、気になる駅のまわりで実際に売れた土地の値段から、その広さの土地がいくらくらいかの目安を出せます。上限の坪単価と並べて見ると、探す地域を考える手がかりになります。
上限と「目標」は分けておく
ステップ3で出したのは、あくまで「これ以上は出さない」という上限です。実際に探すときは、上限より少し下を目標にしておくと安心です。
- 土地を買ったあとに、地盤の工事や水道の引き込みなど、思わぬ費用が分かることがある
- 建物の打ち合わせを進めるうちに、やりたいことが増えることがある
- 上限ちょうどだと、条件のよい土地が出てきたときに比べにくい
予算内で見つからないときの考え方は、土地が予算オーバーのときの見直し方の記事にまとめています。
土地を探す前に確かめたいこと
- 総予算を、無理なく返せる借入額+自己資金で決めた?
- 住宅会社に、建てたい家のおおよその総額を聞いた?
- 外構や、引っ越し・家具などの費用も引いた?
- 土地の諸費用(数%〜1割くらい)を見込んだ?
- 土地の予算の上限を、坪単価に直してみた?
- 上限とは別に、目標の額を家族で決めた?
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Q. 土地の予算は、建物より先に決めてもいいですか?
先に決めることもできますが、建物に回せるお金が思ったより少なくなることがあります。土地の予算を決める前に、住宅会社に建てたい家のおおよその総額を聞いておくと、土地の予算の上限が出しやすくなります。住みたい地域が決まっているなら、土地の値段を先に調べて、建物を合わせる考え方もあります。
Q. 土地の諸費用は、どのくらい見ておけばいいですか?
仲介手数料・登記の費用・不動産取得税・固定資産税の精算などで、土地の値段の数%〜1割くらいを見ておくことが多いです。仲介手数料の上限は、売買価格の3%+6万円に消費税を足した額が目安です。くわしい額は、不動産会社に見積もりを出してもらうと確実です。
Q. 土地の予算いっぱいの土地を買ってもいいですか?
予算の上限ちょうどの土地を買うと、地盤の工事や水道の引き込みなど、あとから分かる費用に対応しにくくなります。上限より少し下を目標にして、余裕を残しておく家庭が多いです。どのくらい余裕を残すかは、家族で話して決めてください。
まとめ
- 土地の予算は、総予算から建物・外構・そのほかの費用・土地の諸費用を引いて逆算する
- 総予算は、借りられる額ではなく、無理なく返せる借入額+自己資金で考える
- 土地の諸費用は、土地の値段の数%〜1割くらいを見ておくことが多い
- 上限を必要な坪数で割って坪単価に直すと、地域どうしを比べやすい
- 上限より少し下を目標にして、余裕を残しておくと安心
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