相場を知る
公示地価・基準地価・路線価・実勢価格のちがい ― 土地を探すとき、どれを見ればいい?
2026年10月19日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
土地の値段を調べはじめると、「公示地価」「路線価」「実勢価格」と、似た言葉がたくさん出てきます。どれが本当の値段なの?と迷ってしまいますよね。
結論から言うと、どれも「本当の値段」ですが、出している人と目的がちがいます。この記事では、4つの物差し(+固定資産税評価額)のちがいと、土地探しのどの場面でどれを見るとよいかを整理します。
なぜ、土地の値段がいくつもあるの?
土地は、ひとつとして同じものがありません。広さも形も、道路とのつながりも、まわりの便利さも、1つずつちがいます。そのため、お店の商品のような「定価」がありません。
そこで国や都道府県、税務署、市区町村が、それぞれの目的のために「このくらい」という値段を出しています。目的がちがうので、同じ場所でも数字が少しずつちがいます。
- 売り買いの目安にするため(公示地価・基準地価)
- 相続税・贈与税を計算するため(路線価)
- 固定資産税などを計算するため(固定資産税評価額)
- 実際に売り買いされた結果(実勢価格・取引価格)
つまり、「どれが正しいか」ではなく、「いま知りたいことに合う物差しはどれか」で選ぶのがコツです。
4つの物差しを表でくらべる
よく出てくる物差しを、だれが・いつ・何のために出しているかで並べてみます。
| 物差し | 出しているところ | いつの値段・公表 | 主な目的 |
|---|---|---|---|
| 公示地価(地価公示) | 国土交通省 | 毎年1月1日時点を、3月ごろに公表 | ふつうの取引の目安 |
| 基準地価(都道府県地価調査) | 都道府県 | 毎年7月1日時点を、9月ごろに公表 | ふつうの取引の目安(公示地価をおぎなう) |
| 路線価(相続税路線価) | 国税庁 | 毎年7月ごろに公表 | 相続税・贈与税の計算 |
| 固定資産税評価額 | 市区町村 | 市区町村が決める | 固定資産税などの計算 |
| 実勢価格(取引価格) | だれかが出すものではなく、実際の売り買いの結果 | 取引ごと | — |
公示地価と基準地価
公示地価と基準地価は、どちらも「決まった地点の、ふつうの取引ならこのくらい」という目安です。調べる時期が半年ずれているので、2つを合わせて見ると、1年の中での動きもつかみやすくなります。地点は「1つの土地」なので、エリア全体の平均ではない点に気をつけましょう。
路線価と固定資産税評価額
路線価は、道路ごとに「この道に面した土地は1㎡あたりいくら」と決められた、税金の計算のための値段です。公示地価の8割くらいが目安と言われます。固定資産税評価額は、公示地価の7割くらいが目安と言われます。どちらも、売り買いの値段より低めに決められていることが多いです。
実勢価格
実勢価格は、実際に売り買いされた値段のことです。国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で、アンケートで集めた一部の取引の値段を見られます。いちばん「市場の手ざわり」に近いのですが、土地ごとの条件や売る人の事情がそのまま入っているので、ばらつきが大きいのが特徴です。くわしい見方は取引価格の見方の記事にまとめています。
公示地価・基準地価の地点の見つけ方
公示地価・基準地価の地点は、不動産情報ライブラリの地図の上でも見られます。気になる場所のまわりに、いくつかの地点が点で出てきます。点を選ぶと、その地点の1㎡あたりの値段や、住所、まわりの様子、前の道路などが分かります。
地点を選ぶときは、近さだけでなく「似ているか」も見ましょう。駅前のお店が多い場所の地点と、住宅地の中の地点では、同じ駅のまわりでも値段がちがいます。家を建てる土地を探しているなら、住宅地の地点を中心に見ると、水準をつかみやすくなります。
仮の数字で、物差しどうしの関係をつかむ
イメージしやすいように、仮の数字で考えてみます。ある地点の公示地価が「1㎡あたり10万円」だったとします(あくまで例です)。
| 物差し | 1㎡あたりの目安 | 150㎡(約45坪)の土地だと |
|---|---|---|
| 公示地価 | 10万円 | 1,500万円 |
| 路線価(公示地価の8割くらい) | 8万円くらい | 1,200万円くらい |
| 固定資産税評価額(公示地価の7割くらい) | 7万円くらい | 1,050万円くらい |
1㎡あたり10万円は、坪単価にすると約33万円(10万円 × 3.3)です。実際の売り買いの値段は、この1,500万円を中心に、土地の条件によって上にも下にもふれます。
路線価や固定資産税評価額をそのまま相場と思うと、実際より低く見積もってしまうことがあります。8割・7割は「目安と言われる」数字で、地域や土地によってちがいます。
土地探しでの使い分け
土地探しの段階ごとに、見る物差しを変えると迷いにくくなります。
- エリアを考えはじめたとき:公示地価・基準地価で、エリアごとのおおまかな値段の水準をつかむ。いくつかの地点をくらべると、駅の近さなどによる差も見えてきます
- 予算と広さを考えるとき:実際に売れた値段(取引価格)で、「必要な広さの土地が、だいたいいくらで売れているか」を見る
- 候補の土地が見つかったとき:まわりの取引価格・近くの公示地価の地点とくらべて、高め・低めの理由を不動産会社に聞く
- 買ったあとのお金を考えるとき:固定資産税評価額から、毎年の税金の目安を考える
路線価は、土地探しでは「公示地価の地点が近くにないときに、水準をざっくりつかむ」くらいの使い方が多いです。相続や贈与で親から援助を受ける話がある場合は、税理士などに確かめてください。
土地の値段を坪単価・㎡単価にそろえて比べる方法は、土地の相場の調べ方の記事にまとめています。
物差しを見るときに気をつけたいこと
- 公表の時期と、値段の時点はちがう:公示地価は1月1日時点の値段が3月ごろに出ます。見ている数字が「いつの値段か」を確かめましょう
- 地点は1つの土地:駅前の地点と、住宅地の中の地点では値段が大きくちがいます。気になる場所に近く、条件が似た地点を選びます
- 単位をそろえる:公示地価や路線価は1㎡あたりで出ています。坪単価とくらべるときは3.3倍にします
- 実勢価格はばらつく:1件だけで判断せず、何件か見て幅でつかみます
- どの物差しも「目安」:その土地をその値段で買える、という意味ではありません
土地を探す前に確かめたいこと
- 見ている数字が、公示地価・路線価・取引価格のどれか、分かってる?
- その数字が「いつ時点」の値段か確かめた?
- 1㎡あたりか、1坪あたりか、単位をそろえた?
- 公示地価の地点が、気になる場所と条件が似ているか見た?
- 実際に売れた値段も、何件か合わせて見た?
- 路線価や評価額を、そのまま相場だと思っていない?
- 買ったあとの固定資産税の目安も、家族で話した?
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Q. 公示地価で土地が買えるのですか?
公示地価は、決まった地点の「ふつうの取引ならこのくらい」という国の目安です。実際に売り買いされる値段(実勢価格)は、土地の形や道路、売る人の事情などで上にも下にも動きます。公示地価は、そのあたりの値段の水準をつかむ物差しとして使うのがおすすめです。
Q. 路線価を見れば、だいたいの相場が分かりますか?
路線価は、相続税や贈与税を計算するための値段で、公示地価の8割くらいが目安と言われます。ですので、路線価をそのまま相場と考えると、低めに見積もってしまうことがあります。使うなら「路線価 ÷ 0.8」くらいで、ざっくりの水準をつかむ程度にしておきましょう。
Q. 固定資産税評価額はどこで分かりますか?
固定資産税評価額は市区町村が決めていて、持ち主に届く固定資産税の通知書などに書かれています。まだ買っていない土地の評価額は、売る人や不動産会社を通して確かめることが多いです。公示地価の7割くらいが目安と言われますが、地域によってちがいます。
まとめ
- 土地の値段の物差しは、出しているところと目的がちがう。どれも「目安」
- 公示地価(1月1日時点)と基準地価(7月1日時点)は、ふつうの取引の目安
- 路線価は公示地価の8割くらい、固定資産税評価額は7割くらいが目安と言われる
- 実際の売り買いの値段(実勢価格)は、取引価格のデータで幅としてつかむ
- エリアの水準は公示地価、予算と広さは取引価格、と段階で使い分ける
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