資金計画とローン
注文住宅の資金計画書の見方 どこを見れば、総額と毎月の返済が分かる?
2026年10月12日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
見積書と一緒に「資金計画書」という紙をもらった。総額や毎月の返済額が書いてあるけれど、この数字をどこまで信じていいのか、何を確かめればいいのかが分からない。そんな人に向けた記事です。
結論を先に言うと、資金計画書は「数字」よりも「前提」を読む書類です。どこまでのお金が入っていて、どんな金利と年数で計算しているか。この2つを確かめると、資金計画書がぐっと読みやすくなります。
資金計画書とは
資金計画書は、家づくりにかかるお金の全体と、それをどうまかなうかを1枚にまとめた書類です。住宅会社が、見積もりと一緒に作ってくれることが多いです。
見積書との大きなちがいは、範囲の広さです。見積書は工事の中身と金額を示したものですが、資金計画書には、工事以外のお金(諸費用)や土地の代金、自己資金(手持ちのお金)、住宅ローンの借入額、毎月の返済額までが並びます。見積書の金額は、資金計画書の一部と考えると分かりやすいです。
形や項目の名前は、会社によってちがいます。同じ「総額」という言葉でも、どこまでを入れているかは会社ごとに異なるので、2社の資金計画書をくらべるときは特に注意が必要です。
資金計画書に並ぶ主な項目
会社によって書き方はちがいますが、よく出てくる項目はだいたい次のとおりです。
| 項目 | 中身 | 見るところ |
|---|---|---|
| 本体工事費 | 建物そのものの工事 | 見積書の金額と合っているか |
| 付帯工事費 | 給排水の引き込み・地盤改良・外構など、建物のまわりの工事 | 何が入っていて、何が別途か |
| 諸費用 | 登記・ローンの手数料や保証料・火災保険・税金・印紙など | どんな前提で置いた金額か |
| 土地の代金と土地の諸費用 | 土地を買う場合の代金や仲介の手数料など | 土地が決まっていないときは仮の金額か |
| 自己資金 | 手持ちのお金から出す分 | 実際に出せる金額と合っているか |
| 借入額・金利・年数・毎月の返済 | 住宅ローンの条件と返済額 | 金利と年数の前提 |
まずは、本体工事費が見積書の金額と同じかを見ます。資金計画書を作ったあとに見積もりが変わっていて、数字がずれていることもあるからです。本体工事費・付帯工事費・諸費用の分け方は、本体工事費・付帯工事費・諸費用の違いの記事でくわしく説明しています。
付帯工事費の欄で確かめたいこと
付帯工事費は、会社による入れ方のちがいがいちばん出やすい欄です。ある会社では本体工事費に入っている工事が、別の会社では付帯工事費や別途になっていることがあります。
- 地盤改良:地盤調査の前なら、概算か別途になっていることが多い
- 給排水やガスの引き込み:前の道路から敷地に引き込まれていない土地は工事が必要。水道の加入金がかかる市町村もある
- 外構:駐車場やフェンスなど。建物とは別の見積もりになっていることが多い
- 照明・カーテン・エアコン:本体に入っているか、別途か、施主支給か
「付帯工事費 一式」とだけ書かれているときは、中身を聞いてみましょう。何が入っていないかが分かれば、その分をどこで用意するかを考えられます。
諸費用の欄の見方
諸費用は、工事以外にかかるお金です。資金計画書では、まとめて1つの金額になっていることも、項目ごとに分かれていることもあります。
ここで大事なのは、諸費用の多くは住宅会社が決めるお金ではない、ということです。ローンの手数料や保証料は金融機関やプランによってちがいます。登記の費用は、表示登記を土地家屋調査士、保存登記や抵当権の設定を司法書士に頼むことが多く、それぞれの見積もりで決まります。火災保険は、補償の内容や保険会社で変わります。
つまり、資金計画書の諸費用は、住宅会社が目安として置いた金額であることが多いのです。金額が少なめに見えたら、「この数字は、どんな前提で入れていますか?」と聞いてみてください。諸費用の中身は注文住宅の諸費用の記事にまとめています。
諸費用は「誰が決めるお金か」で分けて見ると、確かめる先がはっきりします。
ローンの欄は「金利と年数の前提」を見る
資金計画書には、借入額と毎月の返済額が書かれていることが多いです。この返済額は、ある金利・年数・返済方法を前提にした計算です。前提が変われば、金額も変わります。
たとえば、元利均等返済(毎月の返済額が同じ返し方)でボーナス払いなしの場合、3,000万円を金利1%・35年で借りると、毎月の返済は約84,700円です。同じ3,000万円でも、金利が2%なら約99,400円、3%なら約115,500円になります。金利が少しちがうだけで、毎月の返済はかなり変わることが分かります。
資金計画書のローンの欄では、次のところを確かめましょう。
- 前提の金利は何%か。実際に借りる予定の金融機関の条件に近いか
- 返済の年数は何年か。完済するときの年齢は何歳か
- ボーナス払いが入っているか
- 変動金利の場合、金利が上がったときの返済額も見ているか
金利の種類や条件は、金融機関ごとにちがいます。どれがよいかは家計や考え方で変わるので、くわしくは金融機関に相談してください。毎月の返済が家計に対してどれくらいの重さかは、返済負担率の記事で考え方を紹介しています。
資金計画書に入っていないことが多いお金
資金計画書は「家を建てて住みはじめるまで」のお金をまとめたものですが、次のようなお金は入っていないことがよくあります。
- 家具・家電の買い替え
- 引っ越しの費用
- 建てているあいだの仮住まいの家賃(建て替えの場合)
- つなぎ融資の利息や手数料
- 外構のうち、あとから足したくなる工事
これらは、住宅会社が金額を決められないお金です。入っていないのは、よくあることです。自分たちで書き足して、本当の総額をつかんでおきましょう。
契約の前に確かめたいこと
- 資金計画書の本体工事費が、最新の見積書と同じか確かめた?
- 付帯工事費に、何が入っていて何が別途かを聞いた?
- 諸費用が、どんな前提で置かれた金額かを聞いた?
- ローンの手数料や保証料、火災保険を、金融機関や保険会社に確かめた?
- 前提の金利と年数が、借りる予定の条件に近いか確かめた?
- 金利が上がったときの毎月の返済額も見た?
- 家具・家電や引っ越しなど、入っていないお金を書き足した?
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Q. 資金計画書と見積書は、何がちがいますか?
見積書は、工事の中身と金額を示した書類です。資金計画書は、工事のお金に諸費用や土地代などを足した総額と、それを自己資金とローンでどうまかなうか、毎月いくら返すかをまとめた書類です。見積書の金額が、資金計画書の一部になっていると考えると分かりやすいです。
Q. 資金計画書の諸費用は、その金額で確定ですか?
多くの場合は、目安として置かれた金額です。ローンの手数料や保証料は金融機関、登記の費用は司法書士、火災保険は保険会社によって変わります。気になる項目は、それぞれの相手に見積もりを頼んで確かめると安心です。
Q. 資金計画書の毎月の返済額は、そのまま信じていいですか?
計算そのものは正しくても、どんな金利・年数・返済方法で出したかで金額は大きく変わります。前提の金利が、実際に借りる予定の金融機関の条件に近いかを確かめてください。金利が上がったときの金額も、あわせて見ておくと安心です。
まとめ
- 資金計画書は、総額とそのまかない方、毎月の返済をまとめた書類。数字より前提を読む
- 本体工事費が見積書と合っているか、付帯工事費に何が入っているかを確かめる
- 諸費用は目安のことが多い。金融機関・司法書士・保険会社に確かめる
- 毎月の返済は、金利・年数・ボーナス払いの前提で大きく変わる
- 家具・家電や引っ越しなど、入っていないお金を書き足して総額をつかむ
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