売るとき
ローンが残ったマンション、残債割れでも売れる?
2026年10月11日 ・ 中古マンション相場チェック(マドリセカンド運営事務局)
マンションを売ろうと考えたとき、いちばん気になるのが「ローンがまだ残っているけど、売れるの?」ということ。とくに、買ってから年数が浅い人や、頭金が少なかった人は不安になりやすいところです。
ローンが残っていても、マンションは売れます。ただし、売ったお金でローンを返しきれるかどうかで、進め方が変わります。この記事では、返しきれない状態の「残債割れ(オーバーローン)」とは何か、どう確かめるか、足りないときにどんな道があるかをまとめます。
残債割れは「手取り」がローンの残りに届かない状態
残債(ざんさい)は、ローンの残りのこと。残債割れ、またはオーバーローンは、マンションを売った価格から、仲介手数料などの費用を引いた手取りが、ローンの残りに届かない状態をいいます。
ローンを借りてマンションを買うと、銀行はそのマンションに抵当権(返せなくなったときに売って回収できる権利)をつけます。抵当権がついたままでは、ふつう買う人は見つかりません。そこで、売るときは売ったお金でローンを一括で返し、抵当権を外してから引き渡すのが一般的な流れです。
手取りでローンを返しきれれば、そのまま売れます。届かないときは、足りない分を手持ちのお金で払わないと、ふつうは抵当権を外せず売れません。
「売れた価格」ではなく「手取り」でくらべる
よくある見落としが、売れた価格とローンの残りをそのままくらべてしまうことです。実際には、売るときにも費用がかかります。
- 仲介手数料:上限は「売買価格の3%+6万円」に消費税(価格が400万円を超えるとき)
- ローンを一括で返す手数料:銀行や返し方で変わります
- 抵当権を外す登記の費用:登録免許税と、頼むなら司法書士への報酬
- 売買契約書の印紙代、引っ越し代など
たとえば、売れそうな価格が3,200万円、ローンの残りが3,150万円だとします。仲介手数料が上限いっぱいなら(3,200万円×3%+6万円)×1.1で112万2,000円。そのほかの費用を仮に20万円とすると、手取りは約3,068万円です。
| 項目 | 金額(例) |
|---|---|
| 売れそうな価格 | 3,200万円 |
| 仲介手数料(上限) | −112.2万円 |
| そのほかの費用(仮) | −20万円 |
| 手取り | 約3,068万円 |
| ローンの残り | 3,150万円 |
| 差し引き | 約82万円たりない |
価格だけ見ると「50万円上回っている」のに、手取りで見ると約82万円足りない。これが残債割れです。数字はあくまで例なので、実際の費用は不動産会社や銀行に確かめてください。
どうして残債割れが起きるのか
残債割れは、だれかが失敗したから起きるわけではありません。よくある理由は次のようなものです。
- 買ってからの年数が浅い:元利均等返済では、はじめのうちは返済のうち利息の割合が大きく、ローンの残りがなかなか減りません
- 頭金が少なかった・諸費用もローンに入れた:はじめから、物件の値段に近い額か、それ以上を借りている
- 買ったときの値段が相場より高めだった:新築や、人気で高めに買った物件は、売るときの相場との差が出やすい
- まわりの相場が下がった:地域や時期によっては、値段が下がることもあります
反対に、相場が上がっている地域では、買って数年でも残債割れにならないこともあります。築年数による値段の動き方は築年数と価格の下がり方にまとめています。
まずは2つの数字を確かめる
残債割れかどうかは、次の2つが分かれば見当がつきます。
- ローンの残り:銀行から届く返済予定表や、ネットの会員ページで確かめられます。売る予定の月の時点の残りを見ます
- 売れそうな価格:ポータルサイトの売り出し価格ではなく、同じ駅・近い広さと築年で実際に売れた価格を見ます
売り出し価格は「売りたい人の希望」なので、それをもとにすると手取りを高く見積もってしまいがちです。ちがいは売り出し価格と成約価格のちがいでくわしく書いています。国土交通省の不動産情報ライブラリなら、実際の取引の価格を無料で調べられます。
足りないときに考える道
手取りがローンの残りに届かないと分かったら、次のような道があります。どれがいいかは家計や事情しだいで、ひとつの正解はありません。
手持ちのお金で足りない分を払う
いちばんシンプルな方法です。引き渡しの日に、売ったお金と手持ちのお金をあわせてローンを返します。足りない額が貯金で払える範囲なら、まずこれを考える人が多いです。
住み替えなら、新しいローンに上乗せする
新しい家を買うときに、足りない分を新しい家のローンにまとめて借りられる商品(住み替えローンなどと呼ばれます)を扱う銀行もあります。ただ、借りる額が家の値段より大きくなるので、審査はきびしめで、毎月の返済も増えます。借りられる額と、無理なく返せる額はちがうので、返済の割合はよく確かめてください。くわしくは住み替えでローンが残っているときに書いています。
売る時期を見直す
急いで売る理由がないなら、返済を続けてローンの残りが減るのを待つのも一つの道です。ただし、そのあいだに築年数は進みますし、相場が上がるとは限りません。待つ場合も、ときどき相場とローンの残りをくらべ直すのがおすすめです。
返済が苦しいときは、早めに銀行へ
返済そのものが難しくなっていて売りたい、という場合は、ひとりで抱えずに早めに銀行に相談してください。銀行の同意を得て売る方法(任意売却と呼ばれます)もありますが、信用情報への影響などもあるので、くわしい人に話を聞いてから決めるのが安心です。
手早く知りたいときは
実際に売れた取引を探して、手数料を引いて、ローンの残りとくらべる。手計算でもできますが、条件をそろえるのはけっこう手間です。
中古マンション相場チェックでは、マンション名・駅・ローンの残高を入れるだけで、国の取引データをもとにした「いま売れたら」の相場と、手元に残る金額(残債割れしないか)の目安を出します。この先10年の見通しも見られるので、「いつごろなら届きそうか」の見当もつけやすくなります。あくまで目安で、査定ではありません。
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Q. ローンが残っていても、マンションは売れますか?
売れます。ふつうは、売ったお金でローンを一括で返し、抵当権(銀行がつけている担保の権利)を外してから買う人に引き渡します。売ったお金だけで返しきれるかどうかが、まず確かめるところです。
Q. 残債割れのとき、足りない分はどうすればいいですか?
多いのは、貯金などの手持ちのお金で足りない分を払う方法です。住み替えなら、足りない分を新しい家のローンに上乗せできる商品を扱う銀行もあります。どれが合うかは、家計と銀行の条件しだいなので、早めに銀行に相談してみてください。
Q. 残債割れかどうかは、どうやって分かりますか?
銀行から届く返済予定表などでローンの残りを確かめ、近い条件の取引から売れそうな価格の見当をつけて、そこから仲介手数料などを引いた手取りとくらべます。売り出し価格ではなく、実際に売れた価格で見積もるのがポイントです。
まとめ
- ローンが残っていても売れる。ふつうは売ったお金で一括返済し、抵当権を外して引き渡す
- くらべるのは「売れた価格」ではなく、費用を引いた「手取り」とローンの残り
- 売れそうな価格は、売り出し価格ではなく実際に売れた価格で見積もる
- 足りないときは、手持ちのお金・住み替えローン・時期の見直しなどから選ぶ。ローンのことは銀行に早めに相談する
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