売るとき
ローンが残ったまま住み替える。売り先行と買い先行、どう選ぶ?
2026年10月13日 ・ 中古マンション相場チェック(マドリセカンド運営事務局)
家族が増えた、通勤が変わった、もう少し広い家に。住み替えを考えはじめたとき、多くの人が引っかかるのが「いまのマンションのローンが、まだ残っている」ということです。
ローンが残っていても、住み替えはできます。ただ、先に売るか、先に買うかで、お金の流れも、気をつけることも大きく変わります。この記事では、「売り先行」と「買い先行」のちがいと、それぞれの進め方、お金の面で確かめておきたいことをまとめます。
最初に確かめたいのは「手取り」と「ローンの残り」
どちらで進めるにしても、最初に知っておきたいのは、いまの家を売ったら、ローンを返して手元にいくら残るかです。
- 売れそうな価格:同じ駅・近い広さと築年で、実際に売れた価格から見当をつける
- 売るための費用:仲介手数料(上限は売買価格の3%+6万円に消費税)、ローンを一括で返す手数料、抵当権を外す登記の費用など
- ローンの残り:売る予定の時期の残りを、返済予定表で確かめる
たとえば、売れそうな価格が3,800万円なら、仲介手数料の上限は(3,800万円×3%+6万円)×1.1で132万円。そのほかの費用を仮に20万円、ローンの残りを2,900万円とすると、手元に残るのは約748万円です。これが新しい家の頭金や諸費用にあてられるお金になります。
反対に、手取りがローンの残りに届かない「残債割れ」なら、足りない分をどうするかを先に考える必要があります。くわしくは残債割れ・オーバーローンでも売れる?にまとめています。
売り先行と買い先行、ちがいをひと目で
| 売り先行(先に売る) | 買い先行(先に買う) | |
|---|---|---|
| お金の見通し | 売れた価格が決まってから買うので、予算が立てやすい | 売れる価格が決まる前に買うので、見込みがずれることがある |
| ローンの重なり | ふつうは重ならない | 売れるまで、いまのローンと新しいローンが重なることがある |
| 住まい | 次の家が決まらないと仮住まいが必要になることがある | 次の家に移ってから売れるので、仮住まいはいらない |
| 家の選び方 | 期限があるので、じっくり選びにくいことも | 気に入った家をじっくり選びやすい |
| 売るときの値段 | 急ぐと値下げしやすいことも | 住みながら売るより、空き部屋のほうが内見しやすい面も |
ローンが残っている住み替えでは、お金の見通しを優先するなら売り先行、家選びや暮らしやすさを優先するなら買い先行、というのがおおまかな分かれ目です。
売り先行で進めるときのポイント
売り先行は、いまの家の売れる値段が決まってから次の家を買うので、「いくらまでなら買えるか」がはっきりするのがいちばんの利点です。ローンが二重になる心配も、ふつうはありません。
気をつけたいのは、売れたあと、次の家が見つかるまでの住まいです。
- 引き渡しの日を少し先にしてもらう:買う人と相談して、売買契約から引き渡しまでの期間を長めにとる方法があります
- 仮住まいを用意する:賃貸に一度移ると、引っ越しが2回になり、敷金・礼金や家賃もかかります。その分も予算に入れておきます
また、期限が迫ると値下げを急ぎがちです。売り出す前に、実際に売れた価格から相場をつかんでおくと、値段を決めるときに迷いにくくなります。
買い先行で進めるときのポイント
買い先行は、次の家にゆっくり移れて、仮住まいもいりません。ただ、ローンが残っている場合は、お金の面で気をつけることが増えます。
新しいローンの審査は、いまのローンも含めて見られる
いまのローンを返している途中で新しいローンを申し込むと、多くの場合、両方の返済をあわせて審査されます。年収に対する年間返済の割合(返済負担率)が大きくなるので、借りられる額が小さくなりがちです。返済負担率の考え方は年収に対するローン・返済負担率にまとめています。
売れるまで、ローンが重なることがある
いまの家がなかなか売れないと、そのあいだは2つのローンの返済に、管理費・修繕積立金、固定資産税も2軒分かかります。何か月までなら払い続けられるかを、先に計算しておくと安心です。
銀行の住み替え向けの商品も
銀行によっては、住み替えのための商品(いまの家のローンの残りを新しいローンにまとめるもの、売れるまでのあいだだけ借りるものなど)を扱っています。条件や金利は銀行ごとにちがうので、くわしくは銀行に確かめてください。どの方法でも、借りられる額と、無理なく返せる額はちがうことは頭に置いておきたいところです。
税金のことも、先に確かめておく
住み替えでは、売る家と買う家の両方で税金の特例がかかわります。
- 売る家:住んでいた家なら、利益から最大3,000万円を差し引ける特別控除があります。住まなくなった日から3年たつ年の12月31日までに売ることなどが条件です
- 買う家:住宅ローン控除が受けられることがあります。控除率は0.7%で、借入限度額や期間は年や住宅の性能で変わるので、国税庁のページで確かめてください
注意したいのは、新しい家に住んだ年の前後の年に3,000万円控除を使うと、新しい家の住宅ローン控除が受けられないことがある点です。どちらを使うのがいいかは家ごとに変わるので、税務署や税理士に相談してから決めてください。3,000万円控除については3,000万円の特別控除でくわしく書いています。
手早く知りたいときは
売り先行か買い先行かを決めるにも、まずは「いまの家を売ったら、手元にいくら残るか」が分からないと始まりません。
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Q. 住み替えは、売り先行と買い先行のどちらが多いですか?
どちらが正解ということはなく、家計と事情で選びます。いまの家のローンが残っていて、新しい家のローンと重なると返済が苦しい場合は、売り先行のほうがお金の見通しは立てやすくなります。住みたい家が決まっている、仮住まいを避けたいといった場合は、買い先行を考える人もいます。
Q. ローンが残っていても、新しい家のローンは借りられますか?
借りられることはありますが、いまのローンの返済も含めて審査されることが多く、借りられる額は小さくなりがちです。いまの家を売る前提で審査する扱いがあるかどうかなど、条件は銀行によってちがうので、早めに相談してみてください。
Q. 住み替えで3,000万円控除と住宅ローン控除は両方使えますか?
新しい家に住んだ年の前後の年に3,000万円控除を使うと、新しい家の住宅ローン控除が受けられないことがあります。どちらを使うほうがいいかは、売ったときの利益とローンの額で変わるので、税務署や税理士に相談してから決めると安心です。
まとめ
- まずは、いまの家を売ったときの手取りとローンの残りをくらべる
- 売り先行は予算が立てやすく、二重ローンになりにくい。仮住まいの費用は見ておく
- 買い先行は家を選びやすいが、審査は両方のローンで見られ、売れるまで支払いが重なることも
- 3,000万円控除と住宅ローン控除の関係は、税務署・税理士に先に確かめる
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