相場・価格
売り出し価格と成約価格は何がちがう? 中古マンションの値段が決まる流れ
2026年10月25日 ・ 中古マンション相場チェック(マドリセカンド運営事務局)
中古マンションの値段には、じつは2種類あります。ポータルサイトやチラシにのっている「売り出し価格」と、実際に売買が決まったときの「成約価格」です。
ふだん目にするのはほとんどが売り出し価格なので、「相場はこのくらい」と思っていた値段が、実は売れた値段とずれていた、ということが起こります。この記事では、2つの価格のちがいと、売り出しから成約までに値段がどう動くのかを、買う人・売る人の両方の目線でまとめます。
2つの価格は、だれが決めた値段か
| 売り出し価格 | 成約価格 | |
|---|---|---|
| どんな値段 | 「この値段で売りたい」という希望 | 売る人と買う人が合意した、実際の値段 |
| だれが決める | 売る人(不動産会社と相談して) | 売る人と買う人の話し合いで決まる |
| どこで見られる | ポータルサイト、チラシ、不動産会社 | 国土交通省の不動産情報ライブラリなど |
| いつの値段 | いま売りに出ている値段 | すでに終わった取引の値段 |
売り出し価格は、いわば交渉のスタート地点です。成約価格は、その交渉が終わったあとの結果です。相場を知りたいときに見るべきなのは、結果のほうです。
売り出しから成約まで、値段はこう動く
中古マンションの値段は、だいたい次のような流れで決まっていきます。
- 売り出し価格を決める:売る人が、不動産会社から近くの取引の値段などを聞いて決めます。少し下げられる余地を見込んで、高めにつけることもあります
- 反応を見る:問い合わせや内見の数で、値段が合っているかが分かってきます
- 値下げ:しばらく反応が少ないと、売り出し価格そのものを下げることがあります
- 値引きの相談:買いたい人が見つかると、その人から「この値段なら買いたい」という申し込みが来ることがあります
- 成約:おたがいが合意した値段で売買契約を結びます。これが成約価格です
つまり、売り出し価格と成約価格のあいだには、値下げ(売る人が自分から下げる)と値引き(買う人との話し合いで下げる)の2つが入りえます。どちらもなく、売り出し価格のまま決まることもあります。
差が大きくなりやすいとき、小さくなりやすいとき
売り出し価格と成約価格の差は、物件や時期によってかなりちがいます。決まった割合はありませんが、次のような傾向はあります。
差が大きくなりやすい
- はじめの売り出し価格が、まわりの成約価格より高めにつけられている
- 長く売れ残っていて、何度か値下げしている
- 売る人が住み替えなどで、売る時期を急いでいる
- 相場が下がりはじめている地域
差が小さくなりやすい
- はじめから成約価格に近い値段で売り出している
- 駅から近い・人気のマンションなど、買いたい人が多い
- 相場が上がっている地域で、すぐに申し込みが入る
売り出し価格は「最初の言い値」。成約価格とのあいだにどれだけ差があるかは、その物件がどれだけ売れ残っているかでも変わります。
買う人は、成約価格をどう使うか
買う人にとって、成約価格は「この値段が妥当か」を考える物差しです。同じ駅で、築年数や広さが近い部屋がいくらで売れたかを調べて、1㎡あたりの価格でくらべます。調べ方は中古マンションの相場の調べ方にまとめています。
売り出し価格が成約価格の集まりより高めなら、値引きの相談の余地があるかもしれません。ただし、人気の物件では値引きを言い出すと、ほかの人に先に決まってしまうこともあります。値引きの考え方は値引き交渉の記事で書いています。
もうひとつ、ポータルサイトで「値下げしました」と出ている物件を見かけたら、いつから売りに出ているかを不動産会社に聞いてみてください。長く売れ残っているなら、まだ相談の余地があることもありますし、何か理由があって売れていないこともあります。
売る人は、成約価格をどう使うか
売る人にとっては、成約価格が「いくらで出せば売れそうか」の目安になります。まわりの売り出し価格だけを見て値段を決めると、高めの物件どうしをくらべることになり、売れ残りやすくなります。
高めに出して様子を見るのも一つのやり方ですが、反応がないまま時間がたつと、値下げを何度か重ねることになり、「売れ残っている物件」と見られやすくなります。どのくらい余裕を持たせるかは、売る時期の都合とあわせて考えます。売るタイミングの考え方は売りどきの記事も参考にしてください。
成約価格を見るときの注意
不動産情報ライブラリの取引価格は、とても役に立つデータですが、見るときに知っておきたいことがあります。
- 時期は四半期ごと:何月何日に売れたかまでは分かりません
- 場所は町名まで:マンション名や部屋番号は出ないので、どのマンションの取引かは、駅・広さ・建てた年などから推しはかります
- すべての取引がのっているわけではない:買った人へのアンケートなどをもとにしているので、取引の一部です
- 少し前の値段:のるまでに時間がかかるので、相場が動いている地域では、いまとずれることがあります
1件だけで判断せず、何件かの取引を並べて「だいたいこのあたり」と幅で見るのが、まちがえにくい見方です。
手早く知りたいときは
気になる物件の売り出し価格が、まわりの成約価格とくらべてどうなのか。自分で取引を集めてくらべる時間がないときは、中古マンション相場チェックを使ってみてください。物件ページのスクショを貼るだけで、同じ駅で実際に売れた取引と、築年や時期の差を直してくらべ、「割安め・相場なみ・やや割高・割高」で出します。売る人向けには、マンション名・駅・ローンの残高から、いま売れたらの相場の目安を出すページもあります。どちらも国の取引データからの目安で、査定ではありません。
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Q. 売り出し価格と成約価格は、どのくらい差がありますか?
物件や地域、時期によってちがうので、決まった差はありません。売り出してすぐ売れる物件はほとんど差がなく、長く売れ残った物件は値下げを重ねて差が大きくなることがあります。気になる地域で調べるなら、売り出し価格と、不動産情報ライブラリの取引価格をくらべてみるのが近道です。
Q. 成約価格はどこで見られますか?
国土交通省の不動産情報ライブラリで、だれでも無料で見られます。不動産を買った人へのアンケートなどをもとにした取引の価格で、時期は四半期ごと、所在地は町名までです。マンション名や部屋番号はのっていません。
Q. 売り出し価格を高めにつけると、高く売れますか?
高く売れることもありますが、相場から離れすぎると問い合わせが少なくなり、売れ残って値下げを重ねることもあります。結果として、はじめから相場に近い値段で出したときより安くなる場合もあります。値段の決め方は、成約価格をもとに不動産会社とよく相談するのがおすすめです。
まとめ
- 売り出し価格は売る人の希望、成約価格は実際に売れた値段
- そのあいだには、値下げと値引きが入ることがある
- 差の大きさは、はじめの値付けや売れ残りの期間、相場の動きで変わる
- 買う人も売る人も、物差しにするのは成約価格
- 成約価格は四半期ごと・町名までのデータなので、何件か並べて幅で見る
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