借りる前に
家賃と住宅ローン、毎月の支払いはどうくらべる? 「いまの家賃と同じなら大丈夫」の前に足しておきたいお金
2026年11月3日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
「いまの家賃と同じくらいの返済で、家が持てますよ」と聞くと、それなら大丈夫そうだと感じます。でも、家賃と住宅ローンの返済は、そのままくらべてよいものなのでしょうか。
この記事では、家賃と住宅ローンの毎月の支払いを、正しくくらべる方法をまとめます。結論を先に言うと、家を持つとローンの返済のほかにもお金がかかります。くらべるときは、返済額にそのお金を足してから、いまの家賃と見くらべるのがポイントです。
家賃と同じ返済なら、いくら借りられる?
まずは、いまの家賃と同じ金額を返済にあてた場合、いくら借りられるかを計算してみましょう。元利均等返済(毎月の返済額が同じ返し方)でボーナス払いなし、35年で借りる場合です。
| 毎月の返済 | 金利0.9%(例) | 金利1.9%(例) |
|---|---|---|
| 8万円 | 約2,880万円 | 約2,450万円 |
| 9万円 | 約3,240万円 | 約2,750万円 |
| 10万円 | 約3,600万円 | 約3,060万円 |
家賃10万円と同じ返済なら、金利0.9%で約3,600万円、金利1.9%で約3,060万円を借りられる計算です。金利によって、同じ返済額でも借りられる額は500万円以上ちがいます。
ただ、この計算は「家賃と同じ金額を、ローンの返済だけにあてる」場合です。家を持つと、ローンの返済のほかにもお金がかかるので、このままでは家賃とくらべたことになりません。
家を持つと増えるお金
賃貸では、建物の税金や修繕のお金は、基本的に大家さんが払っています。家を持つと、こうしたお金を自分で払うことになります。
- 固定資産税・都市計画税:土地と建物の評価額によってちがう。新築の建物は一定の期間軽くなるしくみがある
- 火災保険(地震保険):何年分かをまとめて払うことが多い
- 修繕のための積み立て:外壁や屋根、給湯器などの設備の交換に備える
どれも毎月払うものではないことが多いので、家賃とくらべるときは「1か月あたりにするといくらか」に直して考えます。固定資産税の金額は、市区町村で確かめてください。くわしくは、家を持つと毎月かかるお金の記事にまとめています。
反対に、家を持つと払わなくてよくなるお金もあります。例えば、賃貸の更新料や、管理費(共益費)、別に借りている駐車場代などです。いまの支払いに含まれているものを書き出しておきましょう。
増えるお金を足してくらべる
家を持つと増えるお金を、仮に毎月2万円として計算してみます(実際の金額は、家や地域によって変わります)。いまの家賃10万円と同じ負担にするなら、ローンの返済にあてられるのは8万円です。
| くらべ方 | 返済にあてる額 | 借りられる額(金利0.9%の例) |
|---|---|---|
| 家賃10万円=返済10万円 | 10万円 | 約3,600万円 |
| 家賃10万円=返済+増えるお金2万円 | 8万円 | 約2,880万円 |
増えるお金を足すだけで、同じ負担で借りられる額は約720万円ちがってきます。反対に、3,500万円を借りた場合で見ると、毎月の返済は金利0.9%で約9.7万円、金利1.9%で約11.4万円です。ここに増えるお金を足すと、いまの家賃10万円よりは多くなる計算です。
家賃とくらべるときは、「返済+家を持つと増えるお金」と「いまの家賃-払わなくてよくなるお金」をくらべると、実感に近くなります。
家賃にはなくて、ローンにはあること
毎月の金額のほかにも、家賃と住宅ローンにはちがいがあります。
| 家賃 | 住宅ローン | |
|---|---|---|
| 終わり | 住んでいる間はずっと続く | 返し終えれば、返済はなくなる |
| 金額の変わり方 | 引っ越しや更新で変わることがある | 変動金利なら、金利の見直しで変わることがある |
| 住み替え | 比較的しやすい | 売る・貸すなどの手続きが必要 |
| はじめのお金 | 敷金・礼金など | 頭金・諸費用など |
住宅ローンは返し終えれば返済がなくなりますが、税金や修繕のお金はその後もかかります。一方、家賃は住んでいる間ずっと続きます。どちらがよいかは、住む年数や暮らし方によってちがいます。
また、家を建てるときは、諸費用(登記・ローンの手数料・保険など)として、物件価格の数%〜1割くらいのお金がかかることが多いです。毎月の支払いだけでなく、はじめに出ていくお金もくらべておきましょう。
くらべるときの手順
いまの家賃と住宅ローンをくらべるときは、次の順番で書き出すと整理しやすくなります。
- いまの住まいの支払いを全部書く:家賃・管理費・駐車場代・更新料(1か月あたり)
- 家を建てたあとの支払いを全部書く:ローンの返済・税金・保険・修繕の積み立て(1か月あたり)
- 金利が上がった場合も書く:変動金利なら、上がったときの返済額も見ておく
- 2つをくらべて、差額が家計で払えるかを見る:手取りで考える
返せる額そのものは、家賃からではなく、年収や家計から考えるのが基本です。いまの家賃がたまたま家計に合っていない場合もあるからです。無理なく返せる額の出し方は、住宅ローンはいくらまで借りていい?の記事をどうぞ。
借りる前に確かめたいこと
- いまの家賃に、管理費や駐車場代が含まれているか確かめた?
- 家を持つと増えるお金を、1か月あたりにして足した?
- 固定資産税の目安を、住宅会社や市区町村に聞いた?
- 金利が上がった場合の返済額でもくらべた?
- 頭金や諸費用など、はじめに出ていくお金もくらべた?
- 家賃からではなく、家計から返せる額も考えた?
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Q. いまの家賃と同じ返済額なら、無理なく返せますか?
家を持つと、ローンの返済のほかに固定資産税などの税金や保険、修繕のための積み立てがかかるので、同じ返済額でも毎月の負担は家賃より大きくなりやすいです。返済額に、家を持つと増えるお金を足してから、いまの家賃とくらべると実感に近くなります。
Q. 賃貸と持ち家、どちらがお得ですか?
住む年数や暮らし方、金利や家の価値の変わり方によってちがうので、どちらがお得とは言えません。毎月の支払いだけでなく、まとまって出ていくお金や、暮らし方の変えやすさなども含めて、家族に合うほうを考えるのがおすすめです。
Q. 家賃と住宅ローンをくらべるとき、管理費や駐車場代はどうすればいいですか?
いまの家賃に管理費(共益費)や駐車場代が含まれているなら、家を建てたあとにかからなくなる分として、くらべるときに分けておくと分かりやすくなります。反対に、家を建てると新しくかかるお金もあるので、両方を書き出してくらべましょう。
まとめ
- 家賃と同じ返済額でも、家を持つと税金・保険・修繕のお金が増える
- くらべるときは「返済+増えるお金」と「家賃-払わなくてよくなるお金」で見る
- 増えるお金を仮に月2万円とすると、同じ負担で借りられる額は約720万円ちがう
- 毎月の支払いだけでなく、はじめのお金や住み替えのしやすさもちがう
- 返せる額は、家賃ではなく年収や家計から考えるのが基本
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