いくら借りる?
住宅ローンは年収の何倍まで借りる? 年収倍率の目安と、倍率だけで決めないほうがいい理由
2026年10月25日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
「住宅ローンは年収の5倍まで」「いまは7倍くらいが普通」。人によって言うことがちがって、どれを信じればいいのか迷いますよね。
この記事では、年収倍率の意味と、実際の倍率、倍率だけで決めないほうがいい理由をまとめます。結論を先に言うと、年収倍率は「だいたいの大きさ」をつかむには便利ですが、同じ倍率でも金利と返済の年数で毎月の返済が大きく変わります。最後は毎月の返済額と家計で確かめるのが安心です。
年収倍率とは
年収倍率は、住宅ローンの借入額が、額面の年収(税金などが引かれる前の年収)の何倍かを表したものです。
年収倍率 = 住宅ローンの借入額 ÷ 額面の年収
例えば年収500万円で3,500万円を借りると7倍です。計算がかんたんで、ほかの人とくらべやすいので、家づくりの雑誌や住宅会社の説明でもよく使われます。
ただし、年収倍率には毎月の返済額が出てきません。同じ3,500万円でも、金利や返済の年数がちがえば、毎月いくら返すかは変わります。そのため、年収倍率は「入口の物差し」と考えておくと使いやすくなります。
実際に借りている人の年収倍率
住宅金融支援機構の2024年度のフラット35利用者調査では、借入額の年収倍率は次のようになっていました。
| 建て方 | 年収倍率 |
|---|---|
| 注文住宅(土地はすでにある) | 約6.9倍 |
| 土地付き注文住宅(土地も買う) | 約7.5倍 |
土地も買う場合は、土地代のぶん借入額が大きくなりやすく、倍率も高めになります。昔からよく言われる「5倍」より、いまはかなり高い倍率で借りている人が多いことが分かります。
ただ、これは「借りた人の平均」です。その倍率が、どの家庭にも合うというわけではありません。家族の人数、車の台数、教育費の考え方、貯金の予定などで、合う倍率は変わります。
同じ倍率でも、金利で毎月の重さが変わる
年収倍率を、返済負担率(年収に対する、1年の返済の割合)に置きかえてみます。35年・元利均等返済(毎月の返済額が同じ返し方)・ボーナス払いなしで計算すると、次のようになります。
| 年収倍率 | 金利0.9%のとき | 金利1.9%のとき |
|---|---|---|
| 5倍 | 約16.7% | 約19.6% |
| 6倍 | 約20.0% | 約23.5% |
| 7倍 | 約23.3% | 約27.4% |
| 8倍 | 約26.7% | 約31.3% |
| 9倍 | 約30.0% | 約35.2% |
※金利は例です。返済負担率は、年収がいくらでも倍率が同じなら同じになります。
金利0.9%なら7倍でも返済負担率は23%くらいで、よく言われる目安(年収の20〜25%)に収まります。でも金利1.9%だと、7倍で27%をこえます。「7倍なら大丈夫」かどうかは、金利しだいで答えが変わるということです。
変動金利で借りた場合は、借りたあとに金利が見直されます。借りたときの倍率が同じでも、金利が上がると返済負担率も上がることは知っておくと安心です。
返済の年数でも倍率は変わる
逆に、返済負担率から年収倍率を出してみます。例えば「年収の25%までを返済にあてる」と決めた場合、借りられる倍率は年数と金利でこう変わります。
| 返済負担率25% | 金利0.9% | 金利1.9% |
|---|---|---|
| 35年で返す | 約7.5倍 | 約6.4倍 |
| 30年で返す | 約6.6倍 | 約5.7倍 |
※年収500万円で計算し、借入額を10万円単位で切り下げています(35年・0.9%で3,750万円、1.9%で3,190万円、30年・0.9%で3,280万円、1.9%で2,850万円)。
年数が短いと、同じ返済負担率でも借りられる倍率は小さくなります。そのかわり早く返し終わり、利息の合計も少なくなります。何年で返すかは、完済のときの年齢や家計の考え方によって決め方がちがいます。
年齢によっては35年で組めないことも
完済の年齢を80歳までにしている金融機関が多いので、借りるときの年齢によっては35年より短い年数になります。年齢が上がるほど、同じ倍率でも毎月の返済は重くなりやすい点も、頭に入れておくとよいです。
倍率は「入口」、決めるのは毎月の返済額
ここまでをまとめると、年収倍率は次のような使い方がしやすい物差しです。
- 住宅会社の提案や資金計画書の借入額が、ざっくり何倍かを見る
- 平均(注文住宅で約6.9倍、土地付きで約7.5倍)とくらべて、大きいか小さいかを知る
- 大きそうなら、毎月の返済額と返済負担率を計算して、くわしく確かめる
反対に、「7倍までならOK」と倍率だけで借入額を決めてしまうと、金利や年数、ほかのローンの返済が見えなくなります。車のローンや奨学金を返している家庭は、同じ倍率でも毎月の負担が大きくなります。
借入額の決め方は、住宅ローンはいくらまで借りていいかの記事で、毎月の返済額から出す手順をまとめています。返済負担率の考え方は返済負担率の目安の記事にあります。
借りる前に確かめたいこと
- いま考えている借入額が、年収の何倍か計算した?
- その倍率を、金利と年数を入れて毎月の返済額に直してみた?
- 金利が上がったときの返済負担率も見た?
- ほかのローンの返済も足して考えた?
- 共働きなら、片方の年収だけで見た倍率も確かめた?
- 完済のときの年齢を家族で話した?
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Q. 住宅ローンは年収の5倍までが安全と聞きました。本当ですか?
5倍なら毎月の返済が軽めになることが多いですが、金利や返済の年数、家族の事情によって変わるので、一律には言えません。倍率は入口の物差しとして使い、最後は毎月の返済額と家計で確かめるのがおすすめです。
Q. 実際には、年収の何倍くらい借りている人が多いですか?
住宅金融支援機構の2024年度のフラット35利用者調査では、注文住宅で約6.9倍、土地付き注文住宅で約7.5倍でした。ただ、これは借りた人の平均で、その倍率が家計に合うかどうかは家庭ごとにちがいます。
Q. 共働きの場合、年収倍率は夫婦の年収を合わせて計算しますか?
収入合算やペアローンで借りるなら、合わせた年収で見ることが多いです。ただ、産休・育休や働き方が変わると年収が下がることもあるので、片方の年収だけで見た倍率も確かめておくと安心です。
まとめ
- 年収倍率=借入額÷額面の年収。だいたいの大きさをつかむ物差し
- 2024年度の調査では、注文住宅で約6.9倍、土地付き注文住宅で約7.5倍
- 同じ倍率でも、金利と年数で毎月の返済の重さは大きく変わる
- 倍率は入口にして、最後は毎月の返済額と返済負担率で確かめる
- 合う倍率は家庭ごとにちがう。平均に合わせなくて大丈夫
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