広さと寸法
延床面積・建築面積・施工面積の違い バルコニーや吹き抜けは入る? 建ぺい率・容積率との関係は?
2026年10月29日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
住宅会社の見積もりや資料を見ていると、「延床面積」「建築面積」「施工面積」と、似た言葉がいくつも出てきます。同じ家なのに数字がちがって、どれを見ればいいのか分からない。そんな人に向けた記事です。
結論を先に言うと、延床面積は各階の床面積の合計、建築面積は建物を真上から見た広さです。施工面積は、法律の決まりではなく、会社ごとに数え方がちがう広さです。家の広さをくらべるときは延床面積、敷地に建てられるかは建築面積で見ます。
3つの面積の違い(早見表)
| 面積 | どんな広さ? | 何に使う? | 数え方 |
|---|---|---|---|
| 延床面積 | 各階の床面積の合計 | 家の広さ・容積率 | 法律で決まっている |
| 建築面積 | 建物を真上から見た広さ | 建ぺい率 | 法律で決まっている |
| 施工面積 | 工事をする部分の広さ | 会社の見積もり・坪単価 | 会社ごとにちがう |
延床面積とは
延床面積は、1階・2階など各階の床面積を足したものです。2階建てなら「1階の床面積+2階の床面積」です。床面積は、壁の真ん中どうし(芯々)で囲まれた広さで計算します。
延床面積に、多くの場合入らないものは次のとおりです。
- バルコニー:外に出ているもの(ただし、奥行きが深い・まわりが囲まれているなどの条件で、一部が入ることがある)
- 吹き抜け:上の階に床がない部分
- 玄関ポーチ:屋根の下でも、外の部分
- ロフト(小屋裏収納):天井の高さが低いなどの条件を満たす場合
反対に、階段は1階・2階の両方の床面積に入れることが多いです。吹き抜けや階段の考え方は吹き抜けの記事や階段の種類と必要な広さも参考になります。
建築面積とは
建築面積は、建物を真上から見たときの広さです。2階建てで、1階より2階が小さい家なら、ふつうは1階の広さが建築面積になります。2階が1階より外に張り出していれば、その分も入ります。
- 軒やひさしは、外壁から1m以上出ていると、先から1mを引いた部分が建築面積に入ると決められています
- バルコニーも、出ている長さによって入ることがあります
建築面積は、敷地にどれだけの大きさの建物を建てられるか(建ぺい率)の計算に使います。
施工面積とは
施工面積は、法律で決まった言葉ではありません。住宅会社が工事をする部分の広さとして、延床面積にバルコニー・ポーチ・吹き抜け・ロフトなどを足して計算することがあります。何を足すかは、会社ごとにちがいます。
坪単価(1坪あたりの金額)は、何の面積で割ったかで大きく変わります。施工面積で割ると、延床面積で割るより坪単価が低く見えます。会社どうしをくらべるときは、同じ面積で割った数字かを確かめましょう。
計算の例
次のような2階建ての家で、3つの面積を計算してみます(数字は例です)。
| 部分 | 広さ | 延床面積 | 建築面積 | 施工面積(例) |
|---|---|---|---|---|
| 1階の床 | 60㎡ | 入る | 入る | 入る |
| 2階の床 | 48㎡ | 入る | (1階の上なので重なる) | 入る |
| 2階の吹き抜け | 6㎡ | 入らない | (1階の上なので重なる) | 入ることがある |
| バルコニー | 5㎡ | 入らないことが多い | 出方による | 入ることがある |
| 玄関ポーチ | 3㎡ | 入らない | 入らないことが多い | 入ることがある |
| 合計 | — | 108㎡(約32.7坪) | 60㎡(約18.2坪) | 122㎡(約36.9坪) |
同じ家でも、延床面積は108㎡、施工面積の数え方によっては122㎡と、1割以上ちがって見えることがあります。
迷いやすい部分の扱い
延床面積に入るかどうか、迷いやすい部分をまとめました。どれも条件や自治体の運用で変わることがあるので、最後は設計の担当者に確かめてください。
| 部分 | 延床面積 | よく言われる条件 |
|---|---|---|
| ロフト(小屋裏収納) | 入らないことが多い | 天井の高さ 1.4m 以下・広さは下の階の床面積の半分未満など |
| ビルトインガレージ | 入る | 容積率の計算では、延床面積の 1/5 までは外せる |
| 出窓 | 入らないことが多い | 床からの高さ・出ている長さなどの条件を満たす場合 |
| 階段 | 入る | 1階・2階の両方で数えることが多い |
| 吹き抜け | 入らない | 上の階に床がない部分 |
ロフトやガレージは、延床面積の数字には出にくい(または外せる)一方で、建物としては大きくなります。延床面積が同じでも、家の大きさや工事の量は同じとは限らないことを覚えておきましょう。
図面のどこに書いてある?
延床面積・建築面積は、図面の「面積表」や「求積表(面積の計算の表)」に書かれていることが多いです。各階の床面積を、四角に分けて「縦×横」で計算した内訳が載っていることもあります。
- 面積表に「施工面積」があれば、何を足した数字かを聞いておく
- 打ち合わせで間取りが変わったら、面積表の数字も新しくなっているか確かめる
- ㎡と坪の両方が書いてあれば、坪の数字は㎡から計算したもの(1坪=約3.31㎡)
単位の換算は、帖・坪・㎡の換算の早見表が便利です。
建ぺい率・容積率との関係
建ぺい率と容積率は、敷地に建てられる建物の大きさの上限です。用途地域などで決められています。
- 建ぺい率=建築面積÷敷地面積
- 容積率=延床面積÷敷地面積(車庫・地下室などは、条件によって延床面積から外せる部分がある)
たとえば、敷地 150㎡・建ぺい率 60%・容積率 200% なら、建築面積は 90㎡ まで、延床面積は 300㎡ までです(前面の道路の幅などで、容積率が小さくなることもあります)。上の例の家(建築面積 60㎡・延床面積 108㎡)なら、どちらにも収まります。
土地に合わせた間取りの考え方は、土地と間取りの記事も参考にしてください。
会社どうしで広さをくらべるときのコツ
何社かの間取りや見積もりをくらべるときは、面積の数字をそろえることが大切です。
- 延床面積どうしでくらべる。施工面積しか書いていなければ、延床面積も聞く
- 吹き抜け・バルコニー・ロフト・ガレージの有無と広さを、それぞれ書き出す
- 同じ延床面積でも、部屋の数・収納の広さ・廊下の長さはちがうので、間取り図も並べて見る
延床面積が少し大きい案でも、廊下が長いだけで部屋は狭い、ということもあります。数字と間取り図の両方で見くらべましょう。
自分の間取りで確かめる
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- 土地の大きさから始めると、敷地の枠の中に部屋を並べられます
- 部屋のブロックを置くと、延床面積と建築面積が㎡と坪で出ます
- 2階に吹き抜けを置いたり、バルコニーを足したりして、延床面積の変わり方を見ます
- 出てきた建築面積を敷地面積で割ると、建ぺい率のだいたいの見当がつきます(法律の確認は設計の担当者に)
間取りを決める前に確かめたいこと
- 資料の面積が、延床面積・建築面積・施工面積のどれか確かめた?
- 坪単価が、何の面積で割った数字か聞いた?
- バルコニー・吹き抜け・ロフトが、どの面積に入っているか確かめた?
- 敷地の建ぺい率・容積率を確かめた?
- 前面の道路の幅などで、容積率が小さくならないか聞いた?
- 会社どうしをくらべるとき、同じ面積でそろえた?
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Q. 延床面積と施工面積、どちらで家の広さをくらべればいいですか?
家の広さをくらべるなら、延床面積でくらべるのがおすすめです。延床面積は法律で数え方が決まっているからです。施工面積は会社ごとに数え方がちがい、バルコニーやポーチなどを入れることがあるので、同じ家でも大きく出ることがあります。
Q. 吹き抜けは延床面積に入りますか?
吹き抜けの部分は床がないので、多くの場合、延床面積には入りません。ただ、建物の大きさや工事の量は変わらないので、延床面積が小さくても、家が小さいとは限りません。
Q. 建ぺい率と容積率は、どの面積で計算しますか?
建ぺい率は建築面積を敷地面積で割ったもの、容積率は延床面積を敷地面積で割ったものです。ただし容積率の計算では、車庫や地下室など、条件によって延床面積から外してよい部分があります。くわしくは設計の担当者に確かめましょう。
まとめ
- 延床面積は各階の床面積の合計。バルコニー・吹き抜け・ポーチは多くの場合入らない
- 建築面積は真上から見た広さで、建ぺい率の計算に使う
- 施工面積は会社ごとに数え方がちがい、延床面積より大きく出ることがある
- 坪単価は、何の面積で割ったかをそろえてくらべる
- 建ぺい率は建築面積、容積率は延床面積で計算する
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