建てられる家のきまり
建ぺい率・容積率とは? 土地に建てられる家の大きさを、計算の例でやさしく解説
2026年10月29日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
土地の資料に「建ぺい率60%・容積率200%」のように書いてあるけれど、それで何が分かるのかピンとこない。そんな人は多いと思います。
この2つの数字は、その土地に建てられる家の大きさの上限を決めるものです。この記事では、意味と計算のしかたを、150㎡の土地を例にやさしく説明します。計算どおりに建たないことがある理由と、確かめる先もまとめます。
建ぺい率と容積率の意味
まず、2つの言葉の意味を整理しましょう。
| 言葉 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| 建ぺい率 | 敷地の広さに対する、建築面積(建物を真上から見た広さ)の割合 | 家の「足元」をどこまで広げられるか |
| 容積率 | 敷地の広さに対する、延べ床面積(各階の床の広さの合計)の割合 | 家の「床の広さの合計」をどこまで増やせるか |
建ぺい率は、土地いっぱいに建物が建たないようにするための決まりです。家のまわりにすき間を残すことで、日当たりや風通し、火事のときの燃え広がりにくさを守る目的があります。
容積率は、建物全体のボリュームの上限です。同じ足元の広さでも、階を重ねるほど延べ床面積は増えるので、何階建てまで建てられるかの目安にもなります。
建ぺい率は「横の広がり」、容積率は「全体の大きさ」。2つの両方を守った大きさが、その土地に建てられる家の上限です。
150㎡の土地で計算してみる
ここでは、分かりやすいように丸い数字で計算してみます。広さ150㎡の土地で、建ぺい率60%・容積率200%の場合です。
建てられる足元の広さ(建築面積)
150㎡ × 60% = 90㎡
家を真上から見たとき、90㎡までの広さに収める必要があります。残りの60㎡は、庭や駐車場、通路などになります。
建てられる床の広さの合計(延べ床面積)
150㎡ × 200% = 300㎡
1階・2階などの床の広さを合計して、300㎡までになります。
2階建てにすると
足元いっぱいの90㎡で2階建てにすると、延べ床面積は90㎡ × 2 = 180㎡です。300㎡の上限には余裕があります。このように、容積率の数字が大きい土地では、ふつうの2階建てなら建ぺい率のほうで大きさが決まることが多いです。
数字が小さい土地の例
同じ150㎡でも、建ぺい率50%・容積率100%の土地だと、次のようになります。
| 150㎡の土地 | 建ぺい率60%・容積率200% | 建ぺい率50%・容積率100% |
|---|---|---|
| 建築面積の上限 | 90㎡ | 75㎡ |
| 延べ床面積の上限 | 300㎡ | 150㎡ |
| 足元いっぱいで2階建てにすると | 180㎡(上限内) | 150㎡(上限ちょうど) |
右の土地では、容積率のほうが先に上限に届きます。土地の広さが同じでも、数字しだいで建てられる家の大きさは変わるので、広さだけで土地を比べないことが大切です。坪で考えたいときは、1坪=約3.3㎡で換算すると目安になります。
土地の広さの考え方は、土地は何坪必要?の記事でもまとめています。
前の道路の幅で、容積率が小さくなることがある
容積率には、もう1つ気をつけたいところがあります。前面道路(土地が接している道路)の幅が12m未満だと、容積率がさらに小さくなることがあります。
家を建てる土地の多くは、12mより狭い道路に面しています。そのため、資料に書かれた容積率がそのまま使えるとは限りません。どれくらい小さくなるかは、用途地域や道路の幅によって変わるので、候補の土地では住宅会社や自治体の窓口で実際の上限を確かめると安心です。
また、幅4m未満の道路に面する土地では、道路の中心から2mまで下がって建てる(セットバック)必要があります。下がった部分は、敷地の広さとして計算に入れられないことがあるので、建てられる大きさも小さくなります。用途地域による違いは用途地域の調べ方の記事を参考にしてください。
計算どおりに建たないことがある理由
建ぺい率と容積率で計算した大きさは、あくまで「上限」です。実際には、次のような理由で、それより小さな家になることがあります。
- 高さの決まり:北側の土地の日当たりを守る北側斜線制限や、低層住居専用地域などの絶対高さ制限で、上の階が小さくなることがある
- 土地の形:三角形や細長い土地では、家を四角く入れられず、足元の上限まで使えないことがある
- 駐車場や庭:車を置く場所や庭を残すと、そのぶん家の足元は小さくなる
- 面積の数え方:どこまでを建築面積・延べ床面積に数えるかには細かな決まりがあり、間取りによって変わる
- 地区の決まり:自治体によっては、その地区だけの決まりで、建物の大きさや位置に制限があることもある
高さの決まりは北側斜線・高さ制限の記事でくわしく説明しています。いずれも土地ごとに違うので、候補の土地に住宅会社や建築士に間取りを入れてもらい、図面で確かめるのがいちばん確実です。
家の大きさは「上限」より「暮らし」から考える
上限いっぱいに建てられる土地でも、そこまで大きな家が必要とは限りません。家の大きさは、家族の人数、ほしい部屋の数、駐車場の台数、予算から考えるのが基本です。
土地を選ぶときは、まず「わが家に必要な家の大きさ」を決め、候補の土地の上限がそれを下回っていないかを確かめる、という順番がおすすめです。平屋を考えている場合は、足元の広さ(建ぺい率)がとくに大事になります。
買う前のチェックリスト
- 候補の土地の、建ぺい率と容積率を確かめた?
- 建てられる建築面積と延べ床面積を、自分でも計算してみた?
- 前の道路の幅で、容積率が小さくならないか確かめた?
- セットバックが必要な土地かどうか確かめた?
- 高さの決まり(北側斜線・絶対高さ制限など)を聞いた?
- わが家に必要な家の大きさが、上限の中に収まるか確かめた?
- 住宅会社に間取りを入れてもらい、駐車場や庭も入るか図面で見た?
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Q. 建ぺい率や容積率は、どこで分かりますか?
不動産会社の販売資料に書かれていることが多いです。自治体の都市計画の地図でも調べられます。前の道路の幅などで実際の上限が変わることもあるので、気になる土地は住宅会社や自治体の窓口で確かめてください。
Q. 駐車場やベランダも、建ぺい率や容積率に入りますか?
どこまでを面積に数えるかには細かな決まりがあり、屋根や壁の付き方などで変わります。一概には言えないので、間取りを描いてもらうときに、住宅会社や建築士に計算してもらうのが確実です。
Q. 上限いっぱいまで建てたほうが、お得ですか?
必ずしもそうではありません。上限いっぱいに建てると、庭や駐車場、日当たりのためのすき間が少なくなることがあります。家の広さは、暮らしに必要な広さと予算から考えて、上限はその範囲に収まるかを見る目安にするとよいです。
まとめ
- 建ぺい率は建物の足元の広さ、容積率は床の広さの合計の、敷地に対する割合
- 150㎡・建ぺい率60%・容積率200%なら、建築面積90㎡・延べ床面積300㎡が上限
- 前の道路の幅が12m未満だと、容積率がさらに小さくなることがある
- 高さの決まり・土地の形・駐車場などで、計算どおりに建たないこともある
- 家の大きさは暮らしから考え、上限に収まるかを住宅会社に図面で確かめる
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