資金計画とローン
つなぎ融資とは? 注文住宅で「ローンの前の支払い」をどうするか
2026年10月29日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
資金計画書や打ち合わせで「つなぎ融資」という言葉が出てきた。住宅ローンとは別に借りるの? どうして必要なの? と戸惑う人は多いと思います。
この記事では、注文住宅でつなぎ融資が必要になる理由と、かかる費用をまとめます。結論を先に言うと、つなぎ融資は「工事代金を払う時期」と「住宅ローンが実行される時期」のずれを埋めるための、一時的な借り入れです。使うかどうかは、支払いの条件と金融機関の仕組みで決まります。
つなぎ融資とは
つなぎ融資は、住宅ローンが実行される(お金が振り込まれる)までの間、一時的にお金を借りる仕組みです。住宅ローンが実行されたら、そのお金でつなぎ融資を返します。
名前のとおり、住宅ローンまでを「つなぐ」ための借り入れです。長く借りるものではなく、家が完成して住宅ローンが始まるまでの期間だけ使います。
建売住宅やマンションのように、完成した家を買う場合はあまり出てきません。これから建てる注文住宅ならではのお金と言えます。
つなぎ融資を扱っているかどうか、どんな条件で貸してくれるかは、金融機関によってちがいます。住宅ローンを借りる金融機関で、つなぎ融資も一緒に借りることが多いですが、扱っていない場合もあります。住宅ローンの相談をするときに、あわせて聞いておくと安心です。
なぜ必要になるのか
注文住宅では、工事代金を一度に払うのではなく、何回かに分けて払うことが多いです。回数や割合は会社や契約でちがいますが、たとえば次のようなタイミングがあります。
| タイミング | よく使われる呼び方 |
|---|---|
| 工事の請負契約を結ぶとき | 契約金 |
| 工事が始まるとき | 着工金 |
| 柱や梁が組み上がったとき | 上棟金(中間金) |
| 完成して引き渡しを受けるとき | 最終金(残金) |
一方で、住宅ローンは建物が完成してから実行されることが多いです。金融機関は、完成した建物を担保(返せなくなったときのための押さえ)にしてお金を貸すからです。
そうすると、契約金・着工金・上棟金を払う時期には、まだ住宅ローンのお金が入っていないことになります。このずれを埋めるのが、つなぎ融資です。土地を買って家を建てる場合は、土地の代金も先に払う必要があるので、ずれはさらに大きくなります。支払いのタイミングについては支払いのタイミングの記事でくわしく書いています。
つなぎ融資にかかる費用
つなぎ融資は借り入れなので、利息がかかります。また、借りるときの手数料や、契約書に貼る収入印紙の代金がかかることもあります。
利息は、借りる金額と借りている期間で変わります。つまり、先に払う金額が大きいほど、完成までの期間が長いほど、費用は増えやすいということです。金利や手数料は金融機関ごとにちがうので、具体的な金額は借りる金融機関に確かめてください。
気をつけたいのは、工事の遅れです。天気や材料の都合などで完成が遅れると、つなぎ融資を借りている期間が延びて、利息が増えることがあります。工事の予定に余裕があるか、遅れたときはどうなるかも、あわせて聞いておくと安心です。
費用をつかむには、「いつ、いくら払うか」と「住宅ローンがいつ実行されるか」を並べて、つなぎ融資で借りる金額と期間を書き出してみるのがおすすめです。その表を金融機関に見せれば、利息や手数料の見込みを出してもらいやすくなります。
つなぎ融資の費用は、資金計画書の中で見落とされやすいお金です。金額が小さく見えても、入っているかどうかを必ず確かめましょう。
つなぎ融資を使わずに済む場合もある
つなぎ融資は、必ず使わないといけないものではありません。次のような場合は、使わずに済むこともあります。
- 完成前の支払いを、自己資金でまかなえる:手持ちのお金で契約金や着工金を払えるなら、借りる必要はありません
- 金融機関がほかの方法を用意している:完成前の支払いに合わせてお金を出す仕組みがある金融機関もあります。仕組みや条件は金融機関ごとにちがいます
- 支払いの条件を相談できる:完成前に払う割合を小さくできないか、住宅会社に相談できることもあります
ただし、自己資金を完成前の支払いに全部使ってしまうと、引っ越しや家具・家電、もしものときのお金が足りなくなることもあります。手元にどれくらい残すかも、一緒に考えておきましょう。
資金計画書で確かめたいこと
住宅会社の資金計画書では、つなぎ融資の費用が諸費用の中に入っていることも、入っていないこともあります。次のところを見てみましょう。
- 諸費用の欄に、つなぎ融資の利息や手数料があるか
- 工事代金の支払いの予定(いつ、いくら)が書かれているか
- 完成前の支払いを、何でまかなう前提になっているか(自己資金か、つなぎ融資か)
見当たらないときは、担当者に「完成前の支払いは、どうする前提の資金計画ですか」と聞いてみてください。諸費用の全体は注文住宅の諸費用の記事、資金計画書の読み方は資金計画書の見方の記事にまとめています。
誰に、何を確かめるか
つなぎ融資は、住宅会社の支払いの条件と、金融機関の仕組みの両方が関係します。それぞれに確かめたいことを分けておくと、話がスムーズです。
住宅会社の担当者に
- 工事代金は、いつ、いくらずつ払いますか?
- 完成と引き渡しの予定はいつですか? 遅れることはありますか?
- 完成前に払う割合を、相談することはできますか?
金融機関に
- 住宅ローンは、いつ実行されますか?
- つなぎ融資は必要ですか? ほかの方法はありますか?
- つなぎ融資の金利・手数料・必要な書類は何ですか?
契約の前に確かめたいこと
- 工事代金を払うタイミングと金額を確かめた?
- 住宅ローンがいつ実行されるか、金融機関に聞いた?
- 完成前の支払いを、何でまかなうか決めた?
- つなぎ融資の利息や手数料が、資金計画書に入っているか確かめた?
- 工事が遅れたときに、費用がどうなるか聞いた?
- 自己資金を使う場合、手元に残すお金も考えた?
- 土地の代金を払う時期も、資金の予定に入れた?
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Q. つなぎ融資は、必ず使わないといけないものですか?
必ずではありません。完成前の支払いを自己資金でまかなえる場合や、金融機関がほかの方法を用意している場合は、使わずに済むこともあります。住宅会社の支払いの条件と、借りる金融機関の仕組みをあわせて確かめてください。
Q. つなぎ融資の利息や手数料は、資金計画書に入っていますか?
入っていることも、入っていないこともあります。諸費用の欄にあるか、別に書かれているかを確かめ、見当たらなければ担当者に聞いてみてください。金額は金融機関や借りる期間でちがうので、金融機関にも確かめると安心です。
Q. 工事が遅れると、つなぎ融資の費用は増えますか?
つなぎ融資は、住宅ローンが実行されるまでの借り入れなので、完成や引き渡しが遅れると、借りている期間が長くなり、利息が増えることがあります。工事の予定と、遅れたときの扱いを、住宅会社と金融機関に確かめておくと安心です。
まとめ
- つなぎ融資は、住宅ローンが実行されるまでの一時的な借り入れ
- 工事代金は分けて払い、住宅ローンは完成後に実行されることが多いので、ずれが生まれる
- 利息や手数料がかかり、借りる額が大きく期間が長いほど増えやすい
- 自己資金や金融機関の仕組みによっては、使わずに済むこともある
- 住宅会社には支払いの予定を、金融機関には仕組みと費用を確かめる
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