見積もりの見方
坪単価で比較するときの注意点 なぜ坪単価だけでは住宅会社をくらべられない?
2026年10月12日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
住宅会社を探していると、必ずと言っていいほど「坪単価」という言葉が出てきます。坪単価が安い会社を選べば、家も安く建つ。そう考えたくなりますが、実はそう単純ではありません。
この記事では、坪単価だけでは会社をくらべられない理由と、見積もりをくらべるときの見方をまとめます。結論を先に言うと、坪単価は「割る前の金額」と「割る広さ」が会社ごとにちがうので、くらべるときは総額で見るのが確かです。
坪単価とは
坪単価は、建物の価格を広さ(坪)で割ったものです。住宅会社の広告や営業の場でよく使われるので、家づくりの最初に目にする数字のひとつです。
式にすると、とてもシンプルです。
坪単価 = 建物の価格 ÷ 広さ(坪)
シンプルな式だからこそ、注意したい点があります。「建物の価格」に何を入れるか、「広さ」をどう数えるかは、決まったルールがありません。会社によって、出し方がちがうのです。
からくり1 割る前の金額に何を入れるか
坪単価の「建物の価格」に入れるものは、会社によってちがいます。よくあるのは、次の2つのパターンです。
| パターン | 割る前の金額 | 坪単価の見え方 |
|---|---|---|
| 本体工事費だけで出す | 建物そのものの工事だけ | 低く見えやすい |
| 付帯工事費も入れて出す | 給排水の引き込みや仮設工事なども含める | 高く見えやすい |
さらに、本体工事費の中身も会社ごとにちがいます。照明やカーテンが入っている会社もあれば、入っていない会社もあります。標準の設備のグレードも同じではありません。
つまり、坪単価が低い会社は、本当に安いのかもしれませんし、入れている費用が少ないだけかもしれません。坪単価の数字だけでは、どちらなのかが分かりません。3つのお金の分け方は本体工事費・付帯工事費・諸費用の違いの記事にまとめています。
からくり2 割る広さをどう数えるか
もう1つのちがいは、割る広さです。坪単価を出すときの広さには、主に2つの数え方があります。
- 延床面積:各階の床の広さを足したもの
- 施工面積:ベランダや吹き抜け、玄関ポーチなど、延床面積に入らない部分も含めた広さ
施工面積は延床面積より広くなるので、同じ金額を割っても、施工面積で割ったほうが坪単価は低くなります。施工面積にどこまで含めるかも、会社によってちがいます。
同じ家、同じ金額でも、延床面積で割るか施工面積で割るかで、坪単価の数字は変わります。坪単価を聞いたら、何の面積で割ったかも一緒に聞くのがおすすめです。
からくり3 家の大きさや形でも変わる
同じ会社でも、家の大きさや形によって坪単価は変わります。
小さい家ほど坪単価は上がりやすい
キッチン・お風呂・トイレなどの設備は、家が小さくても大きくても、だいたい同じ数が必要です。広さが小さいと、その分を割る坪数が少なくなるので、坪単価は高く出やすくなります。
形が複雑だと上がりやすい
凹凸の多い形や、屋根の形が複雑な家は、外壁や屋根の面積が増えたり、手間がかかったりします。同じ広さでも、形によって金額は変わります。
広告に出ている坪単価は、ある条件の家で計算した数字です。自分の家の大きさや形、選ぶ設備で同じ坪単価になるとは限りません。
坪単価を聞くときの聞き方
坪単価の話が出たときは、数字だけを受け取らずに、条件もあわせて聞いておくと、あとで見積もりと見くらべやすくなります。たとえば、次のように聞いてみましょう。
- 「この坪単価には、本体工事費のほかに何が入っていますか」
- 「延床面積と施工面積の、どちらで割った数字ですか」
- 「施工面積には、どこまで含めていますか」
- 「この坪単価は、どれくらいの広さと、どんな仕様の家で出したものですか」
答えをメモしておけば、ほかの会社の坪単価を聞いたときにも、同じ条件かどうかを確かめられます。条件がちがうと分かったら、坪単価どうしでくらべるのはやめて、見積もりの総額で見るようにしましょう。
坪単価の条件をそろえるのは、思ったより手間がかかります。見積もりが出てきたら、坪単価を計算しなおすより、総額と入っている範囲を見るほうが早くて確かです。
坪単価ではなく総額でくらべる
坪単価は、家づくりを始めたばかりのころに、会社のおおまかな価格帯をつかむ目安にはなります。でも、見積もりが出てきたら、くらべるのは総額です。次の順でそろえていくと、くらべやすくなります。
- 各社の見積もりで、本体工事費・付帯工事費・諸費用を足した総額を出す
- 延床面積が同じくらいか確かめる。ちがうなら、そのちがいもメモする
- 照明・カーテン・外構・地盤改良など、入っている範囲を一覧にする
- 片方にしか入っていない項目は、もう一方の会社に「入れたらどうなるか」を聞く
- 範囲をそろえた総額で、くらべる
2社以上から見積もりをとってくらべる「相見積もり」は、一般的なことです。進め方は相見積もりのくらべ方の記事に、表でそろえる方法は見積もりの比較表の記事にまとめています。
坪単価は「入口の目安」。見積もりが出たら、範囲をそろえた総額でくらべます。
契約の前に確かめたいこと
- 坪単価に、付帯工事費が入っているか聞いた?
- 坪単価を、延床面積と施工面積のどちらで割ったか聞いた?
- 施工面積に、どこまで含めているか確かめた?
- 広告の坪単価が、どんな条件の家で出した数字か聞いた?
- 照明やカーテンなどが本体工事費に入っているか確かめた?
- 各社の総額を、同じ範囲でそろえてくらべた?
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見積もりをチェックしてみる →よくある質問
Q. 坪単価が安い会社のほうが、総額も安くなりますか?
そうとは限りません。坪単価に入っている費用や、割る広さが会社ごとにちがうので、坪単価が低くても総額が高くなることがあります。くらべるときは、入っている範囲をそろえた総額で見るのがおすすめです。
Q. 延床面積と施工面積は、どうちがうのですか?
延床面積は、各階の床の広さを足したものです。施工面積は、ベランダや吹き抜けなど、延床面積に入らない部分も含めた広さで、会社によって数え方がちがいます。同じ家でも、施工面積で割ると坪単価は低く見えます。
Q. 坪単価は、どんなときに役立ちますか?
家づくりを始めたばかりのころに、会社のおおまかな価格帯をつかむ目安としては役立ちます。ただ、見積もりが出てきたあとは、坪単価ではなく、本体工事費・付帯工事費・諸費用を足した総額でくらべるほうが確かです。
まとめ
- 坪単価は、建物の価格を広さ(坪)で割ったもの。出し方のルールは決まっていない
- 割る前の金額に付帯工事費を入れるかどうかで、数字が変わる
- 延床面積で割るか施工面積で割るかでも、数字が変わる
- 家の大きさや形でも坪単価は変わるので、広告の数字はあくまで目安
- 見積もりが出たら、範囲をそろえた総額でくらべる
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