くらべ方と交渉
見積もりの比較表の作り方 書き方のちがう見積書を、同じものさしにそろえるには
2026年10月28日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
2社、3社と見積もりをもらって並べてみたものの、項目の名前も分け方もばらばら。どれとどれをくらべればいいのか、手が止まってしまう。そんな人も多いと思います。
この記事では、見積もりの比較表の作り方を、手順にそってまとめます。結論を先に言うと、比較表は「総額」ではなく「範囲」をそろえるための表です。各社の項目を、同じ行に置きなおすことから始めます。
そのまま並べても、くらべられない理由
住宅会社の見積書は、書き方に決まった形がありません。同じ工事でも、ある会社は本体工事費に入れ、別の会社は付帯工事費に入れ、また別の会社は「別途」にしている、ということがよくあります。
そのため、見積書の合計の金額を横に並べるだけでは、範囲のせまい会社ほど安く見えてしまいます。比較表を作る目的は、どの会社の金額にも同じものが入っている状態にすることです。
相見積もりの進め方の全体(頼み方や、金額以外にくらべたいこと)は、相見積もりのくらべ方にまとめています。この記事では、表の作り方にしぼって書いていきます。
ステップ1:表の枠をつくる
まず、列に会社の名前、行に項目を並べた表をつくります。行は、見積書の項目名をそのまま写すのではなく、自分で決めた共通の項目にします。おすすめの行は次のとおりです。
| まとまり | 行にする項目の例 |
|---|---|
| 本体工事費 | 建物の工事一式、設備(キッチン・お風呂・トイレ・洗面)、オプション |
| 付帯工事費 | 地盤改良、給排水やガスの引き込み、仮設の工事(工事中の足場や仮設トイレなど)、屋外の配管 |
| 外構 | 駐車場、門柱やポスト、フェンス、植栽 |
| 照明など | 照明、カーテン、エアコン、アンテナ |
| 諸費用 | 設計や確認申請の費用、登記、ローンの手数料や保証料、火災保険・地震保険、印紙 |
| 調整 | 値引き |
行の分け方は、この通りでなくてもかまいません。大事なのは、どの会社にも同じ行を使うことです。最後に「合計(値引きのあと)」の行をつくります。
ステップ2:各社の見積書を、印をつけながら写す
次に、各社の見積書を見ながら、行ごとに金額を書き込んでいきます。このとき、金額と一緒に、次の3つの印をつけるのがポイントです。
- 含む:その会社の見積もりに入っている(金額を書く)
- 別途:その見積もりには入っていないと書かれている
- 不明:入っているのか、入っていないのか、見積書からは分からない
「一式」にまとめられていて、どの行に入るか分からないものは、いったん「不明」にしておきます。一式の中に照明や仮設の工事が入っていることもあるので、あとで担当者に中身を聞いて振り分けます。
予算取り(まだ決まっていないところの仮の金額)になっている項目には、「仮」と書いておきましょう。仮の金額は会社によって多い・少ないがあるので、あとでそろえるときの目印になります。予算取りの読み方は予算取りの記事にまとめています。
この段階では、まだ合計をくらべません。「別途」と「不明」の数を数えるだけでも、どの会社の見積もりの範囲がせまいかが見えてきます。
ステップ3:「別途」と「不明」を埋める
表に「別途」や「不明」が残ったままだと、合計はくらべられません。次の方法で、空いているところを埋めていきます。
- 「不明」は担当者に聞く:「この項目は見積もりに入っていますか」と聞けば、多くは答えてもらえます
- 「別途」は金額の目安を聞く:その会社に頼んだらいくらくらいか、目安を出してもらう
- ほかで見積もりをとる:外構や照明、保険などは、専門の会社や保険会社に見積もりを頼むこともできる
- それでも分からないときは、仮の金額を置く:ほかの会社の金額を仮に使い、「仮」と印をつけておく
どんな項目が見積もりに入っていないことが多いかは、見積もりに含まれない費用の記事で一覧にしています。表の行に抜けがないか確かめるときにも使えます。
予算取りの「仮」の金額も、ここでそろえます。たとえば照明なら、各社の仮の金額のうち、自分たちの希望にいちばん近いものに合わせるか、同じ条件で出し直してもらいます。
ステップ4:広さと仕様の行を足す
範囲をそろえても、建物の広さや仕様がちがえば、金額のちがいの理由は分かりません。金額の行の下に、次のような行を足しておきましょう。
- 広さ:延床面積と、施工面積(ベランダや吹き抜けなどもふくめた広さ)のどちらで書かれているか
- 断熱・窓:断熱材や窓の種類、性能の数値が書かれていればその値
- 設備のグレード:キッチン・お風呂などが標準か、グレードアップか
- 外壁・屋根・床:材料の種類
- そのほかの提案:太陽光、収納、造り付けの家具など、その会社だけに入っているもの
広さは、坪単価(建物の価格を広さで割ったもの)をくらべるときにも関わります。会社によって延床面積で割るか施工面積で割るかがちがうので、表には「どちらの広さか」まで書いておくと、あとで混乱しません。
ステップ5:表ができたら、こう読む
範囲と仕様がそろったら、いよいよ合計をくらべます。読むときは、次の順番がおすすめです。
- そろえたあとの合計:値引きのあとの金額で、予算に入っているか
- 「仮」の多さ:仮の金額が多い会社は、あとで動く余地が大きい
- 差が大きい行:どの項目で金額がちがうのか。仕様のちがいで説明がつくか
- その会社だけに入っているもの:ほかの会社では追加になるものが、標準で入っていないか
差が大きい行は、そのまま担当者に「ここはどういう内容ですか」と聞くと、会社ごとの考え方のちがいが分かることもあります。自分たちだけで読むのが不安なときは、注文住宅の見積もりセカンドオピニオン(無料)で見積書を見てもらうこともできます。
契約の前に確かめたいこと
- 見積書の項目名ではなく、自分で決めた共通の行で表をつくった?
- どの行にも「含む・別途・不明」の印をつけた?
- 「不明」の項目を、担当者に聞いて埋めた?
- 「別途」の項目に、目安の金額を入れた?
- 予算取りの仮の金額を、同じ条件にそろえた?
- 広さが延床面積か施工面積か、どちらで書かれているか確かめた?
- 値引きのあとの金額で合計をくらべた?
その見積もり、AIにも見てもらえます。見積書のスクショを貼るだけで、抜けている費用や甘い金額を洗い出して、本当にかかる総額の目安を出します。無料・登録不要。
見積もりをチェックしてみる →よくある質問
Q. 比較表は、紙とパソコンのどちらで作ればいいですか?
どちらでもかまいません。表計算のソフトを使うと、合計が自動で出て、項目を足したときも計算し直さずにすみます。家族で見るなら、印刷して書き込めるようにしておくのも便利です。
Q. 見積書の項目名が会社ごとにちがって、どこに入れればいいか分かりません。
まず本体工事費・付帯工事費・諸費用のどれに当たるかで分けて、それでも迷うものは「その他」の行に入れて印をつけておきましょう。どこに入るか分からない項目は、その会社の担当者に「これは何の工事ですか」と聞けば教えてもらえます。
Q. 比較表で一番安くなった会社を選べばいいですか?
比較表は、範囲をそろえた金額を見るための道具で、どの会社にするかを決めてくれるものではありません。金額のほかに、提案の内容・標準仕様・契約後の進め方なども見て、自分たちで決めてください。
まとめ
- 比較表は、総額ではなく「範囲」をそろえるための表
- 見積書の項目名ではなく、自分で決めた共通の行に置きなおす
- 「含む・別途・不明」の印をつけ、空いているところを聞いて埋める
- 仮の金額をそろえ、広さと仕様の行も足して、金額のちがいの理由を見る
- そろえたあとの合計と、仮の多さ・差の大きい行を読んで判断の材料にする
見積書のスクショを貼るだけで、AIがこの見積もりをチェックします
注文住宅の見積もりセカンドオピニオンは、マドリセカンドの中の人が作った無料・登録不要の見積もりチェックです。ハウスメーカーの見積書や資金計画書のスクショを貼ると、入っていない費用・少なすぎる金額・「一式」「概算」の項目を洗い出して、本当にかかる総額の目安と毎月の返済を出します。2社の見積もりを、範囲をそろえてくらべることもできます。
画像は保存しません。名前や住所は読み取りません。
見積もりをチェックしてみる