買うとき
定期借地権付きマンションは、なぜ安い? 買う前に知っておきたいこと
2026年10月27日 ・ 中古マンション相場チェック(マドリセカンド運営事務局)
駅に近くて、広さも十分なのに、まわりの相場よりずいぶん安い。そんな中古マンションの情報をよく見ると、「定期借地権」と書かれていることがあります。
定期借地権付きマンションは、土地を買うのではなく、借りて住むマンションです。安さにはきちんとした理由があり、ふつうのマンションとは考え方がちがいます。この記事では、しくみとメリット・デメリット、買う前に確かめたいことを順番にまとめます。
定期借地権付きマンションのしくみ
ふつうのマンションは、部屋と一緒に、土地の持ち分(敷地を持つ権利)も買います。これを所有権のマンションと呼びます。
定期借地権付きマンションは、地主から土地を借りて建てたマンションです。部屋(建物)は自分のものになりますが、土地は借りものです。おもな特徴は次のとおりです。
- 期間が決まっている:一般定期借地権では50年以上の期間で契約します
- 更新がない:期間が来たら契約は終わります
- 更地にして返すのが原則:期間が終わったら、建物をこわして土地を地主に返します
- 地代がかかる:土地を借りるお金を、毎月払うことが多いです
- 解体準備金がかかることが多い:最後に建物をこわす費用を、毎月積み立てます
昔からある「普通借地権」は、期間が来ても更新できるのが基本ですが、定期借地権は更新がない点が大きくちがいます。物件の情報で「借地権」とだけ書かれているときは、どちらなのかを確かめます。
メリット:同じ立地でも値段が手ごろ
いちばんのメリットは、値段が所有権のマンションより安めなことです。土地を買わないぶん、同じような立地・広さでも、手の届きやすい値段になっています。
- 駅に近い、街の中心に近いなど、所有権だと手が出ない場所に住める
- 借りる額が少なくてすみ、毎月のローンの返済をおさえやすい
- 土地は地主のものなので、土地の分の固定資産税は持ち主(地主)が払う
「ずっと住みつづけて、子どもに残したい」というより、「この先何十年かを、いい場所で暮らしたい」という人に向いた住まいです。
デメリット:期間・毎月のお金・売りにくさ
住める期間に終わりがある
期間が終われば、建物をこわして土地を返すのが原則です。たとえば、50年の契約で築20年の物件を買うと、残りは30年です。40歳で買えば、70歳のころに契約が終わる計算になります。そのあとの住まいをどうするかまで考えておく必要があります。
毎月のお金が多くなりやすい
ふつうのマンションでかかる管理費・修繕積立金に加えて、地代と解体準備金がかかることが多いです。ローンの返済は小さくても、毎月の支払いの合計で見ると、所有権のマンションとあまり変わらないこともあります。くらべるときは、ローン+管理費・修繕積立金+地代+解体準備金の合計で見ます。
残りの期間が短くなるほど売りにくい
住める年数が減るほど、買う人にとっての価値は下がります。売ることはできますが、残りの期間が短くなるほど、値段は下がりやすく、買う人も見つかりにくくなります。住宅ローンも、銀行によって扱いがちがい、残りの期間が短いと借りにくくなることがあります。
定期借地権付きマンションは、買った時点から、住める年数が1年ずつ減っていく住まいです。何年住んで、いつ手放すかを先に考えておくと判断しやすくなります。
買う前に確かめたいこと
定期借地権付きマンションを考えるなら、不動産会社を通して、次のことを書類で確かめます。
- 借地の期間と、終わる年:契約がいつ始まり、いつ終わるのか。残りは何年か
- 地代の額と、見直しのルール:いくらで、将来上がることがあるのか
- 解体準備金の額と、たまっている額:最後の解体に足りる計画になっているか
- 売るときや貸すときの決まり:地主の承諾が必要か、承諾料がかかるか
- 期間が終わるときの取り決め:更地にして返すのか、ほかの取り決めがあるのか
- 修繕積立金と長期修繕計画:終わりの年に向けて、どこまで修繕する計画なのか
とくに、期間の終わりが近づくと、「大規模修繕をどこまでやるか」「解体の準備をどう進めるか」が管理組合の大きな話題になります。総会の議事録を見ると、その話し合いの様子が分かります。書類の読み方はマンションの管理状況の確かめ方にまとめています。
向いている人、考え直したい人
| 向いているかも | 考え直したほうがいいかも |
|---|---|
| 立地を最優先にしたい | 子どもに家を残したい |
| 住む期間がだいたい決まっている | いつ住みかえるか分からない |
| ローンの借入額をおさえたい | 毎月の支払いの合計をとにかく小さくしたい |
| 契約が終わったあとの住まいの見通しがある | 老後の住まいをこの家で考えている |
どちらが良い悪いではなく、自分の暮らし方と、住める期間が合っているかが大事です。値段の安さだけで決めず、終わりの年から逆算して考えてみてください。値段が時間とともにどう変わるかの考え方は築年数と価格の下がり方も参考になります。
手早く知りたいときは
中古マンション相場チェックでは、物件ページのスクショを貼るだけで、同じ駅で実際に売れた中古マンションの取引とくらべた「割安め・相場なみ・やや割高・割高」の判定が出ます。毎月の支払い(ローン+管理費・修繕積立金+固定資産税の目安)のシミュレーションもできます。なお、定期借地権付きの物件は、所有権のマンションの取引とくらべると安く出やすい点を頭に入れて見てください。判定は国の取引データからの目安で、査定ではありません。
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Q. 定期借地権付きマンションは、期間が終わったらどうなりますか?
原則として、建物をこわして更地にし、土地を地主に返します。契約の更新はなく、住みつづけることはできません。解体の費用にあてるため、毎月「解体準備金」を積み立てているマンションが多いです。
Q. 定期借地権付きマンションでも、住宅ローンは借りられますか?
借りられることもありますが、銀行によって扱いがちがい、残りの期間が短いと借りにくくなることがあります。買う前に銀行に相談しておくと安心です。くわしくは銀行に確かめてください。
Q. 定期借地権付きマンションは、売ることはできますか?
売ることはできます。ただ、残りの期間が短くなるほど、住める年数が減るので、値段は下がりやすく、買う人も見つかりにくくなります。何年後に売るかを考えて、そのときの残りの期間を計算しておくと判断しやすくなります。
まとめ
- 定期借地権付きマンションは、土地を借りて建てたマンション。期間が終われば更地にして返すのが原則
- 所有権のマンションより値段は安め。立地のいい場所に住みやすい
- 地代と解体準備金がかかることが多いので、毎月の支払いは合計で見る
- 残りの期間が短くなるほど、売りにくく、ローンも借りにくくなる
- 期間・地代・解体準備金・売るときの決まりを書類で確かめる
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