買うとき
旧耐震の中古マンション、買う前に知っておきたいこと
2026年10月11日 ・ 中古マンション相場チェック(マドリセカンド運営事務局)
中古マンションを探していると、同じ駅・同じ広さなのに、ひときわ安い物件が出てくることがあります。よく見ると、築40年以上。「旧耐震」と書かれていることもあります。
旧耐震のマンションは、値段が手ごろなぶん、地震への備えだけでなく、ローン・税金・将来の売りやすさにも関わってきます。この記事では、旧耐震とは何か、境目の見分け方、買う前に確かめたいことを順番にまとめます。買う・買わないを決めるのは読む人ですが、その材料をそろえるのに使ってください。
「旧耐震」と「新耐震」のちがい
建物を建てるときは、国の決めた耐震の基準を満たす必要があります。この基準が大きく変わったのが1981年です。
- 新耐震基準:1981年6月1日以降に「建築確認」を受けた建物
- 旧耐震基準:それより前に建築確認を受けた建物
建築確認とは、工事を始める前に、建物の計画が法律に合っているかを役所などに確かめてもらう手続きのことです。新耐震基準は、それまでよりも大きな地震を想定して、建物が倒れにくいように決められています。
ただし、旧耐震だから必ず弱い、新耐震だから必ず安全、というわけではありません。建物の形やつくり、地盤、その後の手入れによって、実際の強さはちがいます。旧耐震は「いまの基準で確かめられていない建物」と受けとめるのが近い考え方です。
境目は「完成した年」では分からない
ここがいちばんまちがえやすいところです。物件の情報にのっている「築年月」は、建物が完成した年月です。でも、新耐震かどうかを決めるのは、建築確認を受けた日です。
マンションは、建築確認を受けてから完成するまでに、工事の期間ぶんの時間がかかります。大きな建物ほど長くなります。そのため、1981年に建築確認を受けて1983年に完成した、という建物もありえます。
| 完成した年(築年) | 新耐震かどうか |
|---|---|
| 1980年以前 | 旧耐震 |
| 1981〜1983年ごろ | 境目。建築確認の日を確かめないと分からない |
| 1984年以降 | 新耐震のことがほとんど(念のため確認を) |
築年が境目にあたる物件は、不動産会社に建築確認の日付を確かめてもらいます。確認済証や、建築確認の記録(役所の台帳)などで分かることが多いです。
「1982年築だから新耐震」とは限りません。境目の物件は、建築確認の日まで確かめてから考えます。
住宅ローン控除と銀行のローンへの影響
住宅ローン控除
住宅ローン控除は、年末のローン残高の0.7%(2022年以降)を、所得税などから差し引ける制度です。中古住宅でこの控除を使うには、建物が新耐震基準に合っていることが条件のひとつになっています。
- 1982年1月1日以降に建てられた住宅:新耐震基準に適合しているとみなされます
- それより前に建てられた住宅:耐震基準適合証明書などで、基準に合うことを示す必要があります
マンションの場合、建物全体の耐震性を確かめる必要があるため、証明書を用意するのは簡単ではありません。旧耐震のマンションでは、住宅ローン控除が使えない前提で考えておくほうが、あとで計算がくるいにくくなります。借入限度額や控除の期間は年や住宅の性能で変わるので、国税庁のページで確かめてください。くわしくは税務署や税理士に聞くと確実です。
銀行のローン
旧耐震のマンションでも、住宅ローンを借りられることはあります。ただ、銀行によっては、借りられる額が低めになったり、返済の期間が短くなったり、取り扱いそのものをしていなかったりします。条件は銀行ごとにちがうので、早めに銀行に相談しておくと安心です。
この点は、自分が買うときだけでなく、将来売るときにも関わります。次に買う人もローンが組みにくいと、買い手が限られ、売るまでに時間がかかったり、値段が下がったりしやすくなります。
耐震診断と管理組合の動きを確かめる
旧耐震のマンションを考えるなら、いちばん大事なのは「その建物が、いまどういう状態か」です。次のようなことを、不動産会社を通して管理組合や管理会社に確かめます。
- 耐震診断をしたことがあるか。したなら、その結果はどうだったか
- 耐震改修(補強の工事)をしたか、する予定があるか。費用はどうするのか
- 建て替えの話が出ていないか。総会の議事録に話し合いの記録が残っていることがあります
- 修繕積立金は足りているか。補強や大規模修繕にお金が回せるか
耐震診断で基準を満たすと分かった建物や、補強をすませた建物は、旧耐震でも安心材料がひとつ増えます。反対に、診断で基準を満たさないと分かったのに対策が決まっていない場合は、この先に工事費の負担や話し合いが待っているかもしれません。
なお、建て替えには、区分所有者と議決権の各5分の4以上の賛成が必要です(いまの法律)。2026年4月から改正された法律が施行され、要件が緩む場合もあります。くわしくは法務省のページで確かめてください。建て替えは、合意できても一人ひとりの費用負担が大きく、話がまとまるまでに長い時間がかかることが多いものです。
管理組合の書類の読み方はマンションの管理状況の確かめ方に、築年の古い物件全体の注意は築30年以上の中古マンションを買うときの注意にまとめています。
買うかどうかの考え方
旧耐震のマンションには、こんな良いところもあります。
- 同じ駅・同じ広さの新耐震の物件より、値段が手ごろなことが多い
- 駅に近いなど、立地のいい場所に建っていることがある
- 値下がりがゆるやかになっていて、買ったあとの下がり幅が小さいこともある
そのうえで、次のような点を自分で納得できるかが、判断の分かれ目になります。
- 耐震診断・補強の状況を確かめて、地震への備えに納得できるか
- 住宅ローン控除が使えなくても、毎月の支払いに無理がないか
- 将来売るときに時間がかかっても困らないか(長く住むつもりか)
- 建て替えや補強の話が出たとき、費用の負担に耐えられるか
値段の安さだけで決めず、「安いぶん、何を引き受けるのか」を書き出してみると、自分に合う物件かどうかが見えやすくなります。
手早く知りたいときは
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Q. 旧耐震かどうかは、どうやって分かりますか?
建物が「建築確認」を受けた日が1981年6月1日より前なら旧耐震、以降なら新耐震です。完成した年だけだと、1981〜1983年ごろの完成は境目で分からないので、不動産会社に建築確認の日(確認済証の日付など)を確かめてもらいます。
Q. 旧耐震のマンションでも住宅ローン控除は使えますか?
1982年1月1日以降に建てられた住宅は新耐震基準に適合しているとみなされますが、それより前の建物は、耐震基準適合証明書などで基準に合うことを示す必要があります。マンションでは用意できないことも多いので、買う前に不動産会社に確かめ、くわしくは税務署や国税庁のページで確認してください。
Q. 旧耐震のマンションは、地震のときに必ず危ないのですか?
そうとは限りません。建物の形や地盤、つくりによって強さはちがい、耐震診断で基準を満たすと分かったものや、耐震改修をすませたものもあります。管理組合が耐震診断をしたか、その結果どうしたかを確かめるのが判断の手がかりになります。
まとめ
- 新耐震は1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物。境目は完成した年では分からない
- 1982年1月1日より前に建てられた住宅は、住宅ローン控除に証明書などが必要。マンションでは用意しにくい
- 銀行によってはローンの条件がきびしくなり、将来の売りやすさにも関わる
- 耐震診断・補強・建て替えの話を、管理組合の書類で確かめる
- 「安いぶん、何を引き受けるのか」に納得できるかで決める
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