買うとき
リフォーム済み・リノベ済みの中古マンション、きれいさの奥を見るコツ
2026年10月28日 ・ 中古マンション相場チェック(マドリセカンド運営事務局)
中古マンションの情報で、「リフォーム済み」「フルリノベーション」と書かれた物件は、写真を見るだけで気持ちが上がります。新しいキッチン、明るい床、すぐに住める手軽さ。古い部屋を自分で直す手間を考えると、魅力的に見えます。
ただ、「リフォーム済み」という言葉には、決まった中身がありません。壁紙を張りかえただけの部屋も、配管まで取りかえた部屋も、同じ「リフォーム済み」です。この記事では、見た目のきれいさの奥にある、確かめたいことをまとめます。
「リフォーム済み」の中身は物件ごとにちがう
リフォーム済みの物件は、おおまかに次のように分けられます。
| 工事の範囲 | よくある内容 | 見えにくいところ |
|---|---|---|
| 表面だけ | 壁紙・床・ふすまの張りかえ、ハウスクリーニング | 設備や配管は古いまま |
| 設備も交換 | キッチン・お風呂・トイレ・洗面台の取りかえ | 床下の配管は古いままのことも |
| まるごと作りなおし | いったん中をこわし、間取りから作りなおす。配管や電気の配線まで新しくすることが多い | 工事の中身がよく分かる記録があるか |
どれが良い悪いではありません。表面だけのリフォームでも、値段がそのぶん手ごろなら十分に選ぶ理由になります。大事なのは、どこまで直したのかを知ったうえで、値段とくらべることです。
工事の記録を見せてもらう
どこまで直したかを知るいちばんの方法は、工事の内容を書いた書類を見せてもらうことです。工事の明細、仕様書(使った部材や設備をまとめたもの)、工事前と工事中の写真などがあれば、中身がよく分かります。
書類がそろっていないときは、不動産会社を通して、次のことを聞いておきます。
- いつ工事したか。工事してから何年たっているか
- どこを工事したか。キッチン・お風呂・トイレ・洗面・床・壁・建具(ドアなど)
- 給水管・排水管・給湯管を取りかえたか
- 電気の配線や分電盤を新しくしたか
- 断熱や窓まわりの工事をしたか
- 設備の保証や、工事の保証があるか。期間と、だれが保証するのか
工事の記録が残っている物件は、売る人がきちんと説明できる物件でもあります。反対に、何を直したのかはっきりしない場合は、そのぶん慎重に見ておくと安心です。
見えないところ:配管と床下
リフォーム済みの物件で、いちばん差が出るのが配管です。壁や床の中にあるので、内見ではほとんど見えません。表面をきれいにしても、床下の古い配管がそのままだと、住んでから水もれやにおいに悩まされることがあります。とくに築年数のたった物件では、配管まで手が入っているかが大事になります。
マンションの配管には、部屋の持ち主が直す専有部の配管と、管理組合が直す共用部の配管があります。部屋の中のリフォームで新しくできるのは、専有部の配管だけです。共用部の配管が古い場合は、管理組合が取りかえの計画を立てているかを、長期修繕計画や総会の議事録で確かめます。古い物件の注意点は築30年以上の中古マンションを買うときの注意にまとめています。
部屋のリフォームで直せるのは専有部だけ。窓のサッシ、玄関ドア、ベランダ、共用部の配管は、管理組合の工事でしか新しくなりません。
内見で確かめたいこと
新しい内装は、傷や汚れを隠してしまうこともあります。内見では、次のようなところに目を向けます。
- 水まわり:水を流して、流れの悪さや異音がないか。排水口のにおい
- 収納の中や押し入れの奥:工事の手が入っていない場所に、カビやしみがないか
- 床:歩いたときのきしみや、ふわふわする場所。床の段差
- 窓まわり:サッシの黒ずみや、壁紙のはがれ(結露が多いサインのことがあります)
- 天井:上の階からの水もれのあとを、新しい壁紙で隠していないか
- コンセントや照明のスイッチ:数と位置が暮らしに合うか
また、床をフローリングにした部屋では、マンションの管理規約で決められた防音のルールを守っているかも確かめます。ルールに合わない工事だと、下の階とのトラブルにつながることがあります。内見で見るところは中古マンションの内見チェックリストにもまとめています。
値段は工事の中身に見合っているか
リフォーム済みの物件は、工事にかかったお金や、売る側の手間のぶんが、値段に上乗せされています。とくに、不動産会社が中古の部屋を買い取って、リフォームしてから売る物件では、その会社の利益もふくまれます。
上乗せそのものは自然なことです。考えたいのは、その上乗せが工事の中身に見合っているかです。たとえば、同じ駅・近い築年・同じくらいの広さの取引が1㎡あたり45万円前後のときに、リフォーム済みの物件が1㎡あたり55万円なら、70㎡で700万円ほどの差になります。その差が、配管までふくめた工事なら納得できるかもしれませんし、壁紙と床の張りかえだけなら高く感じるかもしれません。
自分でリフォームする場合とくらべる方法もあります。リフォームしていない部屋を買って、好きなように直すという選び方です。手間と時間はかかりますが、工事の中身を自分で決められ、配管まで直すかどうかも選べます。
また、売る人が不動産会社のときは、個人が売る人のときより、引き渡したあとに不具合が見つかったときの売る人の責任(契約不適合責任)が、法律でしっかり守られています。どんな不具合を、いつまで対応してもらえるかは、契約書と重要事項の説明で確かめてください。
手早く知りたいときは
中古マンション相場チェックでは、物件ページのスクショを貼るだけで、同じ駅で実際に売れた取引を集め、築年や時期の差を直してくらべた「割安め・相場なみ・やや割高・割高」の判定が出ます。くらべた取引の一覧も見られるので、リフォームの上乗せがどれくらいかの目安がつかめます。判定は国の取引データからの目安で、査定ではありません。
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Q. リフォームとリノベーションは、どうちがいますか?
はっきりした決まりはありませんが、一般に、古くなったところを新しくするのがリフォーム、間取りを変えるなど大きく作りなおすのがリノベーションと呼ばれます。言葉よりも、実際にどこを工事したかを確かめるほうが大事です。
Q. リフォーム済みの物件は、相場より高くても仕方ないですか?
工事のぶん上乗せされるのは自然ですが、上乗せが工事の中身に見合っているかは物件しだいです。同じ駅・近い築年の取引とくらべて、差がどれくらいあるか、その差が工事の内容で説明できるかを考えると判断しやすくなります。
Q. リフォーム済みの物件で、配管まで直したかはどう分かりますか?
工事の内容を書いた書類(工事の明細や仕様書)を見せてもらうのがいちばん確かです。書類がない場合は、不動産会社を通して、給水管・排水管・給湯管を取りかえたかどうかを聞いておきます。
まとめ
- 「リフォーム済み」の中身は物件ごとにちがう。表面だけか、配管までか
- 工事の明細・仕様書・写真を見せてもらい、保証の有無も確かめる
- 部屋のリフォームで直せるのは専有部だけ。共用部の配管や窓は管理組合しだい
- 内見では、収納の奥・天井・水まわりなど、新しい内装の奥を見る
- 相場との差が、工事の中身に見合っているかで値段を考える
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