売るとき
マンションを売る税金は、5年を境に約半分になる
2026年10月31日 ・ 中古マンション相場チェック(マドリセカンド運営事務局)
マンションを売って利益が出ると、その利益に税金がかかります。そしてその税率は、持っていた期間が5年を超えるかどうかで、ほぼ半分に変わります。
やっかいなのは、5年の数え方が「売った日」ではないこと。うっかりすると、5年を過ぎたつもりで売ったのに高い税率になってしまいます。この記事では、譲渡所得税(家などを売ったときの税金)のしくみと、5年の数え方、計算の例をまとめます。
長期と短期で、税率はこれだけちがう
マンションを売ったときの利益(譲渡所得)にかかる税率は、所有期間で次のように分かれます。
| 区分 | 所有期間 | 税率(所得税・住民税・復興特別所得税の合計) |
|---|---|---|
| 短期 | 5年以下 | 39.63% |
| 長期 | 5年超 | 20.315% |
| 長期(住まいの軽減税率の特例) | 10年超 | 課税される譲渡所得6,000万円以下の部分が14.21% |
短期と長期で、税率は約2倍ちがいます。10年超の軽減税率は、自分が住んでいた家を売った場合に使える特例です。
5年は「売った年の1月1日」で数える
いちばん大事なのがここです。所有期間は、売った年の1月1日時点で5年を超えているかで決まります。売った日に5年を超えていても、その年の1月1日時点で5年以下なら「短期」です。
たとえば、2021年4月にマンションを買った場合を見てみます。
| 売った年 | その年の1月1日時点の所有期間 | 区分 |
|---|---|---|
| 2026年(4月以降に売っても) | 4年9か月 | 短期(39.63%) |
| 2027年 | 5年9か月 | 長期(20.315%) |
| 2032年 | 10年9か月 | 長期。住まいなら10年超の軽減税率も |
目安は「買った年に6を足した年の1月1日以降に売れば長期」。10年超なら、買った年に11を足した年です。
なお、売った日は、ふつうは買う人に引き渡した日で考えますが、契約した日にすることもできます。年末に契約して年明けに引き渡す、といった場合は、どちらの日で数えるかで区分が変わることもあるので、税務署か税理士に確かめてください。
譲渡所得の計算のしかた
税金がかかるのは、売った価格そのものではなく、利益の部分です。
譲渡所得 = 売った価格 −(取得費 + 売るための費用)
- 取得費:買ったときの価格や、そのときの費用。ただし建物の部分は、年数に応じて価値が減ったものとして計算する(減価償却)ので、買った値段より小さくなります
- 売るための費用:仲介手数料、売買契約書の印紙代など
たとえば、売った価格が4,000万円、減価償却をしたあとの取得費が3,200万円、売るための費用が150万円なら、譲渡所得は650万円です。
| 区分 | 計算 | 税金(例) |
|---|---|---|
| 短期 | 650万円×39.63% | 約258万円 |
| 長期 | 650万円×20.315% | 約132万円 |
同じ値段で売っても、1月1日をまたぐかどうかで約126万円の差になります。
取得費が分からないと、利益が大きくなる
買ったときの売買契約書がなくて取得費が分からないときは、売った価格の5%を取得費とみなせます。上の例なら4,000万円×5%で200万円。譲渡所得は4,000万円−200万円−150万円で3,650万円になり、ふつうに計算した650万円よりずっと大きくなります。契約書はなくさないように保管しておくのがおすすめです。
住んでいた家なら、3,000万円控除も
ここまで読んで「5年以内に売ると大変だ」と感じたかもしれません。でも、自分が住んでいた家なら、利益から最大3,000万円を差し引ける特別控除があります。上の650万円の例なら、短期でも長期でも課税される利益は0円です。
そのため、5年の境目がとくに効いてくるのは、次のような場合です。
- 人に貸していた部屋など、住まいではないマンションを売るとき
- 住まなくなった日から3年たつ年の12月31日を過ぎてしまい、3,000万円控除が使えないとき
- 親子・夫婦など、特別な関係の人に売るとき
- 利益が3,000万円を超えるとき
3,000万円控除の条件は3,000万円の特別控除にまとめています。どちらの特例も確定申告が必要です。
手早く知りたいときは
税率の境目は数え方さえ分かれば計算できますが、そもそも利益が出るのかどうかは、いくらで売れそうかが分からないと見当がつきません。
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Q. 所有期間5年は、いつから数えますか?
買ったマンションを引き渡してもらった日(または契約した日)から数え、売った年の1月1日時点で5年を超えているかで決まります。売った日ではなく1月1日で数えるので、5年を少し過ぎた日に売っても「短期」になることがあります。
Q. 住んでいたマンションでも、5年以内に売ると税金が高いのですか?
税率そのものは短期の39.63%ですが、住んでいた家なら3,000万円の特別控除が使えることが多く、利益が3,000万円以下なら税金はかかりません。5年の境目がとくに効いてくるのは、貸していた部屋など特例が使えない場合や、利益が大きい場合です。
Q. マンションを売って損が出たら、税金はどうなりますか?
利益が出ていない(損が出ている)なら、売ったことによる税金はかかりません。損が出たときに使える特例もあるので、条件に当てはまるかは税務署や国税庁のページで確かめてください。
まとめ
- 譲渡所得の税率は、5年以下が39.63%、5年超が20.315%。住まいで10年超ならさらに軽くなる特例も
- 所有期間は「売った年の1月1日時点」で数える。買った年に6を足した年から長期
- 譲渡所得は、売った価格から取得費と売るための費用を引いたもの。契約書はとっておく
- 住んでいた家なら3,000万円控除で税金がかからないことも多い。くわしくは税務署・税理士に
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