お金と保証
ハウスメーカーの「最長〇〇年保証」はどう読む? 初期保証と、延長の条件を分けて確かめよう
2026年10月29日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
展示場やカタログで目にする「最長〇〇年保証」。長ければ長いほど安心な気がして、会社選びの決め手にしたくなります。
でも、「最長」という言葉には、たいてい条件がついています。何もしなくてもその年数まで続くのか、決まった点検やメンテナンスを受けることで延びていくのか。どの部分が対象なのか。それは会社ごとにちがいます。
この記事では、法律で決まっている最低限のことと、会社ごとにちがう保証の読み方、書面で確かめたいことをまとめます。どこかの会社をすすめる記事ではなく、保証を同じ物差しで比べるための記事です。
まず、法律で決まっている「10年」を知っておく
新築住宅には、どの会社で建てても共通の、法律で決まった責任があります。
- 住宅品質確保法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)により、新築住宅の売主や建設業者は、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分について、引き渡しから10年間の瑕疵担保責任を負います(いまの契約書では、同じことを「契約不適合責任」という言葉で書いていることが多いです)
- 住宅瑕疵担保履行法(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律)により、その責任を確実に果たせるよう、保険への加入か、保証金の供託(お金を国の供託所に預けておくこと)が義務づけられています
「構造耐力上主要な部分」は、基礎・柱・梁など家の骨組みにあたるところ、「雨水の浸入を防止する部分」は、屋根・外壁・窓まわりなど雨水を防ぐところのことです。「瑕疵」は、欠陥や不具合のことを指します。
つまり、この2つの部分の10年は、会社の独自のサービスではなく、どこで建てても共通の土台です。会社ごとの保証を比べるときは、この土台の上に何が上乗せされているかを見る、と考えると分かりやすくなります。
保険か供託か、どの保険を使うかは会社によってちがいます。「この家は、保険と供託のどちらですか?」と聞いておくと、書面のどこを見ればいいかが分かります。法律がどう当てはまるかの細かいところは、契約書や担当の人に確かめてください。
「初期保証」と「延長保証」を分けて読む
会社ごとの保証は、大きく2つに分けて考えると読みやすくなります。
| 分け方 | 中身 | 確かめること |
|---|---|---|
| 初期保証 | 引き渡しのときから、条件なしで続く保証 | 何年か。法律の10年と同じか、それより長いか |
| 延長保証 | 決まった条件を満たすと、さらに延びていく保証 | 延ばすための条件と、そのときの費用 |
「最長〇〇年」は、多くの場合、初期保証に延長保証を重ねていったときのいちばん長い年数です。初期保証が何年で、そこから先は何をすれば延びるのか。この2つを分けて聞くだけで、保証の読み方がかなり変わります。
延長の条件で、とくに確かめたいこと
延長の条件は、会社によってさまざまです。よくあるのは次のようなものです。
- 決まった時期の点検を受けること(無料のこともあれば、有料のこともあります)
- 点検で必要と判断されたメンテナンス工事を、その会社(または指定の会社)で行うこと(費用がかかることが多いです)
- 保証を延ばすための手続きや、費用の支払い
確かめておきたいのは、次のような点です。
- 延長のための点検は、いつ、何回あるか。費用はかかるか
- メンテナンス工事は、どんな工事が想定されているか(屋根や外壁の手入れ、防蟻の処理など)
- その工事は、ほかの会社に頼んでもいいか。頼んだら保証はどうなるか
- 工事を受けなかった場合、保証はどうなるか
- 延長の手続きは、自分からする必要があるか、会社から案内が来るか
メンテナンス工事は、保証がなくてもいずれ必要になることが多いものです。「保証のために払うお金」と考えるより、家を長くもたせるための手入れの計画として見ると、比べやすくなります。何年目ごろに、どんな手入れが、どのくらいの規模で必要になりそうか、計画表をもらえるか聞いてみてください。
「何が」対象なのかを確かめる
保証の年数が長くても、その年数がすべての部分に当てはまるとはかぎりません。部位ごとに年数がちがうことはよくあります。
- 構造(基礎・柱・梁など)
- 雨漏り(屋根・外壁・窓まわりなど)
- シロアリ(防蟻)
- 設備(給湯器・キッチン・お風呂・トイレ・換気など)
- 内装・建具(床・壁・ドアなど)
- 地盤
設備は、メーカーの保証が中心になることも多く、年数は構造よりずっと短いのがふつうです。「最長〇〇年」がどの部位の話なのかを、表にしてもらうか、保証書の見本で確かめましょう。
また、保証の対象にならない場合(たとえば自然災害、住む人の使い方によるもの、ほかの会社がした工事が原因のものなど)も、書面に書かれていることが多いので、あわせて目を通しておくと安心です。
点検と、困ったときの窓口
保証と同じくらい大事なのが、建てたあとの点検と相談の窓口です。
- 引き渡しのあと、いつ・何回、点検に来てもらえるか
- 点検は無料か、有料か。何年目から有料になるか
- 困ったとき、どこに、どうやって連絡すればいいか(電話・アプリ・担当の店など)
- 夜や休みの日の水まわりのトラブルなど、急ぎのときの連絡先はあるか
- 担当の人が変わったり、店がなくなったりしたとき、窓口はどうなるか
保証の年数は紙の上の話ですが、点検や窓口は、実際に住んでからの安心に直結します。「住んでから困ったら、まずどうすればいいですか?」と聞いてみると、その会社の建てたあとの体制が見えてきます。
書面で確かめる
保証の話は、口頭の説明だけだと、あとで「そういう意味だったのか」となりやすいところです。契約の前に、次の書面を見せてもらいましょう。
- 保証書の見本(対象の部位、年数、対象にならない場合)
- 延長保証の条件が書かれたもの(点検の時期、必要な工事、費用、手続き)
- 点検の予定表
- 保険か供託か、保険ならどの保険かが分かるもの
分からない言葉があれば、その場で聞いて大丈夫です。契約の内容について迷ったり困ったりしたときは、消費者ホットライン(188)に相談することもできます。
保証を比べるときの考え方
保証を比べるときは、年数の長さではなく、次の4つを並べてみてください。
| 比べること | 見るところ |
|---|---|
| 初期保証の年数 | 条件なしで続くのは何年か |
| 延長の条件 | 有料の点検・有料のメンテナンス工事が必要か。ほかの会社に頼めるか |
| 対象の部位 | 構造・雨漏り・シロアリ・設備・地盤ごとの年数 |
| 書面と窓口 | 保証書・条件・点検の予定が書面でもらえるか。困ったときの連絡先 |
こうして並べると、年数が長い会社と短い会社の差が、思っていたより小さかったり、反対に大きかったりします。比べる項目のまとめ方は、比較表の作り方の記事も参考にしてください。
建てたあとの安心をどのくらい重く見るかは、家族によってちがいます。自分たちが何を大事にしたいかを整理したいときは、ハウスメーカー相性診断で「安心」をふくむ6つの軸に分けて確かめることもできます。
保証を確かめるときのチェックリスト
- 構造と雨漏りの10年は、法律で決まった共通の土台だと分かった?
- この家は保険か供託か、聞いた?
- 初期保証(条件なしで続く分)は何年か確かめた?
- 延長のための点検の時期と、費用がかかるか聞いた?
- 延長に必要なメンテナンス工事の中身と、ほかの会社に頼めるかを聞いた?
- 部位ごと(構造・雨漏り・シロアリ・設備・地盤)の年数を確かめた?
- 保証の対象にならない場合を、書面で読んだ?
- 点検の予定表と、困ったときの連絡先をもらった?
- 保証書の見本と延長の条件を、契約の前に書面で見た?
自分の「ゆずれないこと」、診断で整理できます。二択に答えるだけで、6つの軸とハウスメーカーとの相性が分かります。無料・登録不要。
ハウスメーカー相性診断をやってみる →よくある質問
Q. 「最長〇〇年保証」は、何もしなくてもその年数まで続くのですか?
会社によって条件がちがいます。初めから続く保証(初期保証)の年数と、それを延ばすための条件(決まった時期の点検や、必要と判断されたメンテナンス工事など。有料のこともあります)を分けて確かめてください。条件は契約書や保証書などの書面で確かめるのがいちばん確実です。
Q. 法律で決まっている保証はありますか?
新築住宅では、住宅品質確保法により、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分について、売主や建設業者が引き渡しから10年間の瑕疵担保責任を負うことになっています。また、住宅瑕疵担保履行法により、その責任を果たせるよう、保険への加入か保証金の供託が義務づけられています。具体的にどう当てはまるかは、契約書や担当の人に確かめてください。
Q. 保証の長さで会社を選んでもいいですか?
保証は大事な比べる軸のひとつですが、年数の長さだけで決めるのはおすすめしません。延長の条件、対象の部位、点検の内容、困ったときの連絡先まで並べて比べると、その会社の「建てたあと」の考え方が見えてきます。
まとめ
- 構造と雨漏りの10年の責任は法律で決まっていて、保険か供託で裏付けられている。どこで建てても共通の土台
- 会社ごとの保証は「初期保証」と「延長保証」に分けて読む
- 延長の条件(有料の点検・有料のメンテナンス工事など)と、対象の部位を確かめる
- 点検の予定と、困ったときの窓口も大事な比べる軸
- 年数の長さではなく、書面の中身で比べる
あなたに合うハウスメーカー、3分で分かります
ハウスメーカー相性診断は、元施主の中の人が作った無料・登録不要の診断です。「新しい家で、イヤなのはどっち?」の二択と暮らしのことに答えると、自由度・性能・デザイン・価格・提案・安心の6つの軸であなたの「ゆずれないこと」を整理して、ハウスメーカーとの相性を%で出します。AIが、あなたに合いそうな間取りの方向性も書きます。
検討中の会社を入れると、その会社とのズレも分かります。夫婦で比べることもできます。
ハウスメーカー相性診断をやってみる