会社選びの基本
ハウスメーカーの比較表の作り方。比べる項目をしぼって、家族で同じ表を見る
2026年10月16日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)
何社かのハウスメーカーと話していると、だんだん頭の中がごちゃごちゃしてきます。「あの会社は性能の話が多かったっけ」「保証の説明、どこが分かりやすかったんだっけ」。
そんなときに役立つのが、比較表です。ただ、項目をたくさん並べた表をつくると、今度は表を埋めること自体が目的になって、かえって決めにくくなることもあります。
この記事では、家族で迷わずに使える比較表のつくり方をまとめます。どこかの会社をすすめる記事ではなく、自分たちで比べるための道具の記事です。
比較表をつくると、何がいい?
比較表をつくるいちばんの良さは、印象ではなく、同じ物差しで比べられることです。
- 最後に話した会社の印象に引っぱられにくくなる
- どの会社に何を聞いたか、聞きもれがないかが分かる
- 家族で同じ表を見ながら話せるので、意見の違いが見えやすい
- 決めたあとに、なぜその会社にしたかを思い出せる
反対に、表があれば自動で答えが出るわけではありません。表は、家族で話し合うための材料です。その前提でつくると、ちょうどいい表になります。
表をつくる前に、決めておくこと
比較表をつくる前に、家族でゆずれないことを話し合っておきましょう。これが決まっていないと、どの項目を大きく扱えばいいかが分かりません。
ゆずれないことは、6つの軸(自由度・性能・デザイン・価格・提案・安心)のどれに当たるかで考えると整理しやすくなります。軸の考え方はハウスメーカーとの相性の記事にまとめています。自分たちがどの軸を大事にしたいかを手早く確かめたいときは、ハウスメーカー相性診断を使ってみるのも一つの方法です。
あわせて、比べる会社の数も決めておきます。表に並べる会社が多すぎると、1社ずつの欄が浅くなりがちです。社数の考え方は何社くらい比べるかの記事を参考にしてください。
比べる項目は「6つの軸+α」で
比較表の項目は、6つの軸に、担当の人とのやりとりと、進め方を足したものがおすすめです。
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 自由度 | 間取りをどこまで決められるか。できないと言われたことと、その理由 |
| 性能 | 暖かさ・地震への強さの考え方。説明された数字と、それが見積もりの仕様に入っているか |
| デザイン | 建てた家を見た印象。好きな見た目が標準でできるか、オプションか |
| 価格 | 見積もりの金額と、含まれているもの・別になっているもの |
| 提案 | こちらが気づいていなかった提案があったか。それはどんなことか |
| 安心 | 保証の期間と、続けるための条件。点検の流れ、困ったときの連絡先 |
| 担当の人 | 質問への答え方、説明の分かりやすさ、返事のていねいさ |
| 進め方 | 契約のあと間取りはいつまで変えられるか。住めるまでの目安 |
これ以上こまかく分けたくなったら、ゆずれない軸の中だけで分けるのがコツです。たとえば性能をいちばん大事にしているなら、性能の行だけを「暖かさ」「地震」に分ける、というように。大事な軸ほどくわしく、そうでない軸はざっくりにしておくと、表が重くなりません。
そのまま使える比較表のひな形
実際の表は、たとえばこんな形です。会社の名前の代わりに、A社・B社・C社と書いています。
| 項目 | 大事さ | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|---|
| 自由度 | ◎ | (評価)+ひとこと | (評価)+ひとこと | (評価)+ひとこと |
| 性能 | ◎ | |||
| デザイン | ○ | |||
| 価格 | ◎ | |||
| 提案 | ○ | |||
| 安心 | △ | |||
| 担当の人 | ○ | |||
| 進め方 | △ | |||
| 引っかかっていること | - | |||
| まだ聞けていないこと | - |
ポイントは3つです。
- 「大事さ」の列をつくる:家族で決めたゆずれない軸に◎をつけておくと、どの行を重く見ればいいかがひと目で分かる
- 「引っかかっていること」の行をつくる:良いところだけでなく、気になったことも書いておく
- 「まだ聞けていないこと」の行をつくる:次の打ち合わせで聞くことが、そのまま質問リストになる
書き方のコツ
○×だけでなく、ひとこと添える
○×や点数だけだと、あとで見返したときに「なぜ○にしたんだっけ」となりがちです。「冬の暖かさを、図を使って説明してくれた」「洗面所の位置の提案がよかった」のように、理由をひとこと書いておきましょう。家族で話すときも、理由があると話が進みます。
聞いた日に書く
打ち合わせや展示場から帰ったら、その日のうちに書き込むのがおすすめです。時間がたつと、会社ごとの話が混ざってきます。
同じ質問の答えを並べる
表が比べやすくなるかどうかは、どの会社にも同じ質問をしたかで決まります。質問の例は相性の記事の「会社の得意を確かめる質問」や、打ち合わせの質問リストの記事が使えます。
家族それぞれの印をつける
同じ表に、家族それぞれが評価を書き込むのもおすすめです。色を分けたり、名前の頭文字を添えたりすると、どこで意見が分かれているかが見えます。
比較表で気をつけたいこと
見積もりの金額は、中身をそろえてから
見積もりの金額は、会社によって含まれているものが違うことが多いです。本体の工事だけなのか、外まわりの工事や諸費用も入っているのか。金額だけを並べると、比べているつもりで違うものを比べていることがあります。含まれているもの・別になっているものを書き出し、分からないところは担当の人に聞いて、書面でも確かめましょう。
性能の数字は、基準をそろえて
性能の数字(断熱の性能や、すき間の少なさなど)は、どの家を基準にした数字なのか、見積もりの仕様と同じなのかを確かめてから表に書きます。数字の見方はUA値・C値の記事にまとめています。
空欄を埋めることを目的にしない
表をつくると、空欄を全部埋めたくなります。でも、ゆずれない軸でない行は、空欄のままでも構いません。大事な行がしっかり書けているかのほうがずっと大事です。
表の合計点だけで決めない
点数をつけた場合も、合計がいちばん高い会社が、いちばん合う会社とは限りません。大事な軸で足りているか、引っかかっていることが解消できるか、を見てから決めましょう。何を決め手にするか迷ったら、ハウスメーカーの決め手の記事も読んでみてください。
比較表のチェックリスト
- 表をつくる前に、家族でゆずれないことを決めた?
- 項目は「6つの軸+担当の人+進め方」にしぼった?
- 「大事さ」の列に、ゆずれない軸の印をつけた?
- ○×や点数に、理由をひとこと添えた?
- どの会社にも同じ質問をして、答えを並べた?
- 見積もりは、含まれているもの・別のものをそろえて書いた?
- 「引っかかっていること」「まだ聞けていないこと」も書いた?
- 合計点だけでなく、大事な軸で足りているかを見た?
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Q. 比較表は、紙とスマホのどちらでつくるのがいい?
家族が同じ表を見られるなら、どちらでも大丈夫です。打ち合わせ中にすぐ書き込みたいなら紙やメモ、家族で共有して直していきたいなら共有できる表計算のアプリ、のように使い分けてもいいと思います。大事なのは、一つの表に全員が書き込むことです。
Q. 比較表に点数をつけたほうがいい?
点数をつけると比べやすくなりますが、点数だけで決めるのはおすすめしません。点数の横に「なぜその点数にしたか」を一言書いておくと、あとで家族と話すときや、決めた理由を思い出すときに役立ちます。
Q. 見積もりの金額は、比較表にそのまま書いてもいい?
書いて構いませんが、会社によって見積もりに含まれているものが違うことが多いです。金額の横に「何が含まれていて、何が別か」をメモしておき、分からないところは担当の人に聞いて、書面でも確かめるのがおすすめです。
まとめ
- 比較表は、印象ではなく同じ物差しで比べ、家族で話し合うための材料
- 項目は6つの軸(自由度・性能・デザイン・価格・提案・安心)+担当の人+進め方
- 「大事さ」「引っかかっていること」「まだ聞けていないこと」の欄をつくる
- ○×だけでなく理由をひとこと、聞いたその日に書く
- 見積もりや性能の数字は中身や基準をそろえ、合計点だけで決めない
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