マドリつくーるつくる

マドリつくーる › 読みもの

建具と電気

開き戸と引き戸、どっちがいい? 開くための場所・引き込む壁・音と気密でくらべる

2026年10月29日 ・ マドリセカンドの中の人(元施主)

間取り図を見ていたら、ドアの記号に「扇の形」のものと「横に線が並んだ」ものがある。開き戸と引き戸、どちらにすればいいのか、打ち合わせで聞かれて迷っている。そんな人に向けた記事です。

結論を先に言うと、開き戸は開くための半円の場所が、引き戸は扉を引き込む壁が必要です。気密や音は開き戸のほうが有利と言われ、開けたままにしやすい・前に家具を置きやすいのは引き戸です。どちらがよいかは、その部屋の使い方で決まります。

開き戸と引き戸のちがい(一覧)

くらべるところ開き戸引き戸
必要な場所扉が回る半円の場所(扉の幅くらいの半径)扉を引き込む壁(扉の幅くらいの長さ)
ドアの前に家具開く側には置きにくい置きやすい
開けたままにする扉が出っぱるので、じゃまになりやすい壁に沿って開くので、開けたままにしやすい
音・においのもれ閉めるとすき間が少なく、有利と言われるすき間ができやすく、もれやすいと言われる
気密・冷暖房有利と言われる開き戸よりすき間ができやすい
車いす・荷物を持って通る引いたり押したりの動きがいる横に引くだけで通りやすい
スイッチ・コンセントドアの横の壁に付けやすい引き込む壁には付けにくい

どちらにもよいところがあります。家全体でどちらかにそろえる必要はなく、部屋ごとに選ぶ家が多いです。迷ったときは、「その部屋のドアを、ふだん閉めておくか、開けておくか」を考えると決めやすくなります。閉めておくことが多いなら開き戸、開けておくことが多いなら引き戸が合いやすいです。

開き戸に必要な場所

住宅の室内の開き戸は、幅70〜80cmくらいのものが多いです。開き戸は、ちょうつがいを中心に扉が回るので、扉の幅を半径にした4分の1の円の場所がいります。

扉の幅扉が回る場所(半径)開いたときに通れる幅(目安)
70cm約70cm60cm前後
75cm約75cm65cm前後
80cm約80cm70cm前後

開いたときに通れる幅は、扉の厚みやドアノブの分だけ、扉の幅より小さくなります。数字は目安で、ドアによってちがいます。冷蔵庫や家具を運び込むときは、この「開いたときの幅」で考えます。

どちら側に開くか

開き戸は、部屋の内側に開くか外側(廊下側)に開くかを選べます。廊下側に開くと、廊下を歩いている人に扉が当たることがあります。部屋の内側に開くと、扉が回る場所の分、部屋の中に家具を置きにくくなります。ちょうつがいを左右どちらにするかでも、扉が当たる壁や、照明のスイッチの位置が変わります。

開き戸どうしがぶつかる場所

せまい廊下やホールに、いくつもの部屋のドアが集まっていると、開き戸どうしがぶつかることがあります。たとえば、トイレと洗面所のドアが向かい合っていると、両方を同時に開けたときに扉が当たります。ドアが集まる場所では、開く向きをそろえる・片方を引き戸にする、などで解決できることが多いです。間取り図で、ドアの弧どうしが重なっていないかを見ておきましょう。

引き戸の種類と、必要な壁

引き戸にもいくつかの種類があり、必要な壁の長さがちがいます。

種類どんな戸か必要な壁・場所
片引き戸1枚の扉を、壁に沿って横に引く扉の幅くらいの壁が横に必要
引き込み戸扉を壁の中に引き込んで見えなくする扉の幅くらいの壁。中に扉が入るので、その壁にはスイッチやコンセントを付けにくい
引き違い戸2枚の扉を左右どちらにも引ける開けられるのは半分ずつ。横の壁はいらない
壁の外に付ける引き戸壁の外側にレールを付けて引く扉の幅くらいの壁。あとから付けやすいことがある

片引き戸や引き込み戸を付けるには、扉の横に、扉と同じくらいの長さの壁が必要です。その壁の前には、扉の動きをじゃましない家具しか置けません。間取り図で、ドアの横に十分な長さの壁があるかを確かめておきましょう。

引き戸は「前の場所がいらない」かわりに、横の壁を1枚使うと考えると分かりやすいです。どちらの場所を空けたいかで選べます。

間取り図での見分け方

間取り図では、ドアは記号で描かれています。打ち合わせで渡された図面を見るときは、次のように見分けます。

開き戸の弧が、家具の絵や別のドアの弧と重なっていたら、ぶつかるおそれがあります。図面の読み方そのものは間取り図の見方の記事にまとめています。

折れ戸・ドアなしという選び方も

開き戸と引き戸のほかにも、場所によっては別の選び方があります。

折れ戸

扉が真ん中で折れて開く戸です。開き戸より前に出っぱる場所が小さく、引き戸のように横の壁もあまりいりません。クローゼットや浴室によく使われます。そのかわり、開けたときに折れた扉の分だけ、通れる幅や中の見える幅が少し小さくなります。

ドアをつけない出入口

パントリーやウォークインクローゼット、リビングとつながった廊下などは、ドアをつけずに出入口だけにする家もあります。開け閉めの手間がなく、荷物を持ったままでも通れます。そのかわり、中が見える・冷暖房の空気が流れる・音が伝わる、ということがあります。中を見せたくない場所は、出入口の向きをずらして、正面から見えないようにする工夫もあります。家具との位置関係は家具の配置を間取り図で確かめる方法も参考にしてください。

部屋ごとの選び方の例

場所よく選ばれるもの理由
トイレ外開きの開き戸・引き戸中で人が倒れたとき、内開きだと開けにくいと言われる
寝室・書斎開き戸音がもれにくく、静かに過ごしやすい
洗面所・脱衣所引き戸開けたままにしやすく、出入りが多くてもじゃまになりにくい
リビングの入口開き戸・引き戸どちらも冷暖房の効きを優先するか、開け放して広く使うかで選ぶ
パントリー・収納引き戸・扉なし出し入れが多い。扉の前に人が立つことが多い
子ども部屋開き戸が多い音やプライバシー。将来2部屋に分けるときの扉の位置も考える

トイレの広さや位置の考え方はトイレの記事にもまとめています。表は、よく選ばれる理由をまとめた例です。家族の暮らし方によって、ちがう選び方も十分ありえます。たとえば、小さい子どもがいる家では、指をはさみにくい・開けたままにしておける引き戸を多めにする、という考え方もあります。

将来のことも考えておく

年をとって車いすや歩行器を使うようになると、引き戸のほうが通りやすいと言われます。いまは開き戸でも、将来引き戸に変えられるよう、ドアの横に壁を残しておく、という考え方もあります。家族の10年後・20年後の暮らしも話しておくと、選びやすくなります。

自分の間取りで確かめる

マドリつくーる(マドつく)では、開き戸・引き戸・折れ戸などを置いて、家具との関係を確かめられます。無料・登録なしで使えます。

  1. いまの図面を読み込むか、見本の間取りから始めます
  2. ドアのタブから、開き戸や引き戸(片引き・引き込み・引き違いなど)を部屋のふちに置きます。開き戸は開く向きも変えられます
  3. ソファ・ベッド・収納などの家具を、実際の寸法で置きます
  4. 作りながらチェックで、ドアと家具が当たるところがないかを見ます
  5. 同じ場所を開き戸にした案と引き戸にした案を作り、2つをくらべます。3Dで中に入って、開けたときの見え方も確かめられます

チェックはルールで見た目安です。ドアの種類で、壁の作りや費用が変わることもあるので、最後は設計の担当者と決めてください。

間取りを決める前に確かめたいこと

この寸法、自分の間取りだとどうなる?部屋を並べるだけで、帖数・延床は自動で計算。家具を置いて3Dでも確かめられます。無料・登録不要。

マドリつくーるで試してみる →

よくある質問

Q. 開き戸と引き戸、どちらがよく使われますか?

どちらもよく使われていて、部屋や場所によって使い分けることが多いです。音や気密を大事にしたい部屋は開き戸、開けたままにしたい・車いすで通りやすくしたい場所は引き戸、のように選ばれます。家全体でどちらか1つにそろえる必要はありません。

Q. 引き戸にすると、部屋が広く使えますか?

引き戸は開け閉めのための場所が前にいらないので、ドアの前に家具を置きやすくなります。そのかわり、扉を引き込む分の壁がいるので、その壁には家具やスイッチを置きにくくなります。どの壁を空けておけるかで、広く使えるかが変わります。

Q. トイレのドアは、開き戸と引き戸のどちらがいいですか?

トイレは中がせまいので、内側に開く開き戸だと、中で人が倒れたときに外から開けにくいと言われます。そのため、外に開く開き戸か引き戸にすることが多いです。廊下を通る人にぶつからないかも、あわせて確かめてください。

まとめ

読んだことを、自分の間取りで試してみる

マドリつくーるは、マドリセカンドの中の人が作った無料・登録不要の間取りづくりです。方眼に部屋のブロックを並べるだけで、帖数・延床面積を自動で計算。ドア・窓・家具を置いて、3Dで中を歩いたり、日当たりを見たりできます。見本や、いまの図面から始めることもできます。

図面は保存しません。作った間取りは、このブラウザ(ログインすればアカウント)に残ります。

マドリつくーるで試してみる